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21話 村基礎作り終了

「すごいおいしい!! ダイゴローこんなにおいしいもの初めて食べたよ!!」


 5兄弟はすっかり俺に懐いてくれた! 

やっぱりこれがあるから獣人助けはやめられない!

 猫型獣人はなんというか、柔らかい。

 そして愛情表現がすりすりと身体を擦り付けてきて、尻尾のシュルンとした感じとか肌触り、まさに猫様であります。

 犬型獣人の全て貴方を信頼していますーーー! って表情もたまらないけど、甲乙はつけがたい!


 今は川を引き込んで作った罠で捕まえた魚を調理して出してあげた。

 他にもユキミが取ってきてくれた天然の食材を利用してしっかりと量を確保した。 


 獣人の食性は人間のそれに近くなる。

 猫や犬にとって危険な食べ物でも、人が食べて平気なものは大抵平気になっている。

 その結果、人間よりも胃腸が頑丈だ。

 もちろん寄生虫などの心配もあるから生食はお勧めではないが、お腹を下したりは人よりも少ないだろう。

 それに加えて玉ねぎやチョコレートなどを食べても中毒症状を起こすことはないってことだ。


 5人兄弟は過酷な生活でしっかりと満腹になったことなんてほとんどなかったようで、おなか一杯に食事を食べるとベッドであっという間に眠りについてしまった。

 お母さんも同じで、あんなベッドでもとても喜んでくれた。

 今までのものよりも柔らかく暖かい、しかも隙間風もなく安心した寝床。

 みんな、まだ夕方だったけどすっかり寝付いてしまったことは仕方がないのである。


「俺たちは、もう少し整備しちゃおう」


「ダイゴローは優しいニャ、たぶんもう功徳は終わってるニャ」


「そういいながらユキミも付き合ってくれてるじゃないか」


「乗り掛かった舟にゃ!」


 それから衛生面を考えてトイレ、水汲み場などを作っていく。

 口に入れる水などはしっかりと煮沸をして用いるように指導はしっかりとする。

 一応今は遠ざかっている野生動物も瘴気が継続して発生していなければ戻ってくるはずだ。

 危険な野生動物も存在するから、対策として気を伐採して村の基礎となる範囲を木の柵で囲っていく。

 日が暮れてきたが松明を設置して、ある程度の形ができるまで作業をつづけ、筵のベッドで泥のように眠った……


「うわーーーー!! すごーーーーーい!」


 目を覚ました5人兄弟は、村の基礎みたいなものができた場所を元気に走り回っている。


「今日は町からの道まである程度森を切り開こう、それで案内板を道に設置しておいてここに『病付き』として行き場のない人を誘導するんだ」


 ユキミは魔法でバシバシと木を切り倒していく。

 俺はその丸太をとりあえず道に沿って脇に置いておく、これは後で回収して素材として用いる予定だ。

 同時に巨大な石材を切り出して作ったローラーを転がして道を均していく。

 古典的な押し固めで道を歩きやすい形に加工していく事が可能になっている。

 少し押すのを苦労するぐらい重いけど、その分まぁまぁ道になってくれている。


「オッケー! 道に出たニャ!」


 共同作業で人が3人くらい並んで通れる道がに完成する。

 途中からローラーの転がし方のコツを掴んでスピードが上がって予想よりも早く到達できた。

 思っていたよりも待ちどうしを結んでいる道と離れていなかったのが幸いだった。


「はぁぁぁ、さすがに疲れた……」


「そりゃそうニャ! こんなバカでかいローラーよく転がせるニャ……」


「少し上りになってたから、帰りは少し楽かな……あとはここにプレートを設置しよう」


 用意していた誘導用のプレートを道の入り口目立つところに設置する。


~『病付き』、追放されし者この先の地で平穏な生活を送れる用意あり~


「少し怪しい気もするけど、みんな必至だろうから藁にも縋るつもりで訪れてくれるだろう」


「あとは戻って筵のストックとかログハウスとか増やすニャ?」


「そうだね、共同の倉庫とか食料を貯蔵する設備は作っておいたほうがいいね、しかし、余裕をもって準備してきてよかったね。次の町まではここから2日くらいかかるらしいし」


「マジックボックスは作るには貴重な材料が多すぎるニャ……」


「ベグラースの館はお宝の山だったからねぇ……」


「それもすべて『穢』に食われた。あきらめるがよい」


「まぁ、仕方がない、そしたら村まで戻ろうか」


 帰り道はローラーが転がっていかないように支えながら、そして途中に何か所か看板を設置していく。

 両側に倒してある丸太は後で回収して素材として利用させてもらう。

 ゆっくりと支えながらローラーを村まで移動させたら今度は丸太を回収だ。

 額に汗しながら労働に勤しむ。

 結局昼休憩を挟みながら夕方にはすべての準備が完成する。


「ログハウスが3棟、共同倉庫に食料保存庫、ここまで用意してる村はなかなかないんじゃないか?」


「下手な村よりはるかに立派ニャ!」


「ダイゴローはすごいな! 丸太を軽々と組み上げていくなんて人間業じゃないぞ!」


「メリナね、セルネねーちゃんとかあさんと一緒にたくさん筵作ったよ!」


「みんな偉いニャ! 生け簀にも結構魚がかかってるニャ!」


「どれどれ、お、これ大きいな! ちゃんと小型の魚は網目から逃げて川に戻っているし、うまくできてるね我ながら」


「この川を下っていくと湖に出る、その対岸に見えるのがダイゴローが言ってた街だと思うぜ!」


 バルトも最初とはうって変わって俺のことを慕ってくれている。

 ほめてあげるとしっぽをぶんぶん振って喜んで、獣人はそういうところが非常にかわいらしい。


「みんなー、食事ができたわよー」


 母親はライラという名だ。

 目ヤニも劇的に減少しているし、鼻詰まりも解消してきている。

 自分で料理もできるほど回復している。

 一部調味料などは分けてある、いずれは町にも買い出しとかに行けるようになるといいんだけど……


「そっか、マスクを作ればいいのか……」


「ニャ? それならボックスの中にあるニャ?」


「え? ほんとに?」


「手術着とかと一緒に作ったニャ! 結構たくさん作ったはずニャ!」


 ユキミの能力で作られたマジックボックス、その中にはかなりの容量の物資が納められていて、まだ全部を正確に把握しているわけではない。


「おおお、ほんとだ! そしたらライラさん、このマスクを何枚か分けておきます。

 基本的に皆さんの病気は濃厚な接触やくしゃみなどでしぶきが飛んで、それに触れることで移るので、人が多い所へ行く場合はそのマスクをつけていくといいです。

 あとはうがい手洗い、これは習慣ずけていきましょう!」


 公衆衛生的な概念もきちんと書にしたためて置いておく。

 滞在期間が思ったより伸びたけど、本格的にこの村の場所でできることは終わった。

 明日になったらまた旅へと出発だ!

 

 食事をしながら明日出立することを伝える、下の子たちには泣かれてしまったが、ダイゴロー達には大事な使命があるだろとお兄ちゃんであるバルトが説明してくれた。

 震えた声でみんなに説明してくれているバルトのせいで、俺が泣いてしまい。

 結局みんなで抱きつきながら気が済むまで泣くことになった。

 絶対にまた様子を見に来よう!

 筵の布団で俺は、心に誓うのであった。


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