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閑話その2 ラーニャ奮闘記

 私はラーニャ。

 銀河系第3宇宙太陽系惑星地球と言う星のさらに見習い女神をやっています。

 

 今は、とあるミスの穴埋めでアニモルトという世界で獣神アラセス様の補助をさせていただいております。


 オオトリ ダイゴロウ さんという人間の方のトラブルケースを解決するまでアラセス様と協力して当たるように、と。

 私なんかが一回もお会いしたことがない上の神様から直々に訓令が下りました。

 あのときは緊張しすぎて吐くかと思いました……

 アラセス様はとても気さくで素敵な神様で、すぐにこの仕事は終わるだろうと思っていました。

 ちょっと奔放すぎて振り回されることもありましたが、どうやら後はダイゴローさんの旅を見守るだけで終わりそう。

 私はそう思っていました。


「ラーニャ様、ユキミから緊急通信です」


「緊急? わかりました。

 すぐに自室へ回してください。」


 旅は最初は順調でした。

 可愛らしい犬族の獣人とその村を救って功徳メーターもちょびっと回復しましたし、あのダイゴローさんは優しく思いやりのあるお医者様なんだなと安心していました。


 ところが、その報告は大変なものでした。

 アラセス様の無茶苦茶でとんでもない力を持っているユキミが、まぁ使うことはないだろうと思っていた権限を越えて力の行使をすることになったというのです。

 すぐに資料を集めて検証をして問題がないことを把握します。

 データにまとめてアラセス様にお送りして、判断を下して権限を回復。

 すぐに行える。そう甘く考えていました。


「あら……? 送れない? 圏外? え? 異世界とかそういうレベル?」


 なんとアラセス様に連絡が取れません。

 事前に聞いていた話でもともと気分やなアラセス様にはこういったことが珍しく無いようで、時たまこういうことがあるそうとは知っていました。

 まさか今とは……


「と、とりあえず私の権限内で出来ることは……」


 すぐにパターンBです。

 そんなんねーよ! とユキミに返すわけにも行かないので、自分の権力内で出来る限りのことをしてあげます。


「ありがとうございます」


 ユキミが画面の向こうで礼を言う。

 いえいえ、こちらこそ申し訳ない。

 私の思いはそれでいっぱいだ。

 そもそも、ユキミが本気になったら私の何倍も強力な力を発揮できる。

 それが、隙間をついたような僅かな力しか与えられない。

 限られた中でダイゴロウさんをサポートしてもらわなければいけない。

 もとを正せば私のミスなのに……


「よし、とりあえずアラセス様を探そう」


 神界データベースでアセルス様の足取りを追う。


「……ユキミを作ってすぐ……なんか、恣意的に足跡を残さないようにしている?」


 その作業は困難を極めた。

 遥かに神格が高いものの足取りをたどると言うのは様々な障害があってなかなか許可が降りない。

 さらに、本人が自らの痕跡を隠している挙動があればなおのことだ。


「過去にも……アセルス様……べグラースを見ていたことがあるんだ……」


 少し気になって見れる行動を洗い直す。


「アニモルトの世界はアセルス様が中心となって作っていて……うわ、凄い。この世界もう3,000億年も続いているんだ……」


 ダイゴロウさんが飛ばされた世界もそのまま調べてみる。

 次に連絡が来たときに何か力に成れるかもしれないから。


「過去にも何度か……うん?? なんか、ベグラースみたいな人間が、定期的に出現しているのかな……? なんだろ、毎回『泳がしてから処理しているような』痕跡が……」


 調べている端末にビービーとエラー音がなる。


「え? 閲覧不可? 上位権限? どういうこと?」


 突然のことにビックリしてしまうが、こういうときは周囲から回り道を……


「ラーニャ様! ユキミのポインター並びに権限が剥離されました!!

 ダイゴロー氏もロスト! アニモルト世界監視システムがダウンしました!」


 天使からの報告は私を驚愕させた。


「すぐに原因を突き止めて! こんなこと依頼された大神様に知られたら……」


 同時になる、携帯端末。

 表示される名前は……


「大神様……な、なんでこのタイミングで……出ないわけにもいかない……」


 私は恐る恐る連絡をONにする。


「ああ、ラーニャ君。どうかねその後は?」


 威厳のあるお声が響く、神格の差が大きいため、通信機を通すお声を聞くだけで威圧感を憶えてしまう。

 嘘は絶対につけない。

 私は現状を正確に、正直に報告する。


「ほう、存外早いな。ラーニャ君。その異常はすぐに解決する。

 そして、『その後どうなっていようがきちんとモニターする』のが君の仕事だ。

 よく、励みなさい」


「そ、それはどういうことでしょうか?」


「ふふふ、そのまま、見たままを報告してくれればそれでいいよ。では頑張ってくれたまえ」


 通信は一方的に切られてしまう。

 私は何がなんだかわからない、混乱する頭を抱えてデスクに突っ伏す。


「……ラーニャ様……その……」


「どうしました? なにか報告があればお願いします」


「えー、アニモルト世界監視システムが復旧しました」


「おお、それは良かった……それでは、ひきつづ」


「それが!

 監視対象、ユキミ、ダイゴロウ両名。

 『この世界から消失しています』」


 これが私の長い仕事の始まりでした。

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