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11話 ダンジョン

「なんで! 獣医師が! こんなこと! してるんだよ!」


 俺は街を走りながら襲いかかる魔物化したモンスターの群れを蹴散らしながらダンジョンへと向かっている。

 

「ああ、もう数が多い! ゴキブリか君たちは!」


 最初は吹き飛んだ魔物にドン引きしたけど、なんか墨汁みたいになった後に灰になって消えていくということがわかって街中が魔物のハラワタまみれに!? っていう可能性がなくなったので、敵が使っていた棍棒とかを利用しつつ進んでいる。


「教えてもらった場所はそろそろか、確かに魔物の数が多くなっているな……」


 最初は緑の風が一緒に来てくれていたけど、大暴れする俺を見て。


「うん、何ていうか、俺たち邪魔だな。任せたぞ」


 といい笑顔でサムズ・アップされて帰宅していった……


「うおっ! 危な!!」


 ちょっと思い出して涙ぐんでいたらオーガの棍棒が目の前に迫っていた。

 さっき使っていた奴が折れちゃったので、ガシッと受け止めて奪い取る。

 なんだかキョトンとした顔をしたオーガを奪い取った棍棒で薙ぎ払う。

 吹き飛ばされたオーガに巻き込まれてダンジョンへの道までにいた魔物たちが切り開かれる。


「いちいち相手にしてられない! 今がチャンス!」


 モーゼの十戒よろしく、その隙間を全速力で突っ込んでいく。

 

「おおおおおお! こうなりゃ破れかぶれだー!」


 先程手に入れた棍棒を振り回しながらダンジョンの入口が管理されているギルドの建物へと飛び込む!

 ギルドの館の入口の扉は無残に打ち壊されており、内部もめちゃくちゃになっている。

 数匹の魔物が酒樽なんかを壊しながら騒いでいたので倒しておく。


「よし、一番奥の、あれか! えーっとここをひねれば……おお、明るい!

 このまま突入だ!」


 ユキミが渡してくれた照明器具に光をともして奥にあるダンジョンの入口に進む。

 ダンジョンの入口は重厚な鉄扉になっていてこれを完全に閉めればそうそうダンジョン内から魔物が出てくることもない。

 しかし、今は閂部分が完全に壊れてしまって使用できない。

 魔法も使えない状態でどうにもできない……


「仕方ない、やはり原因を何とかするしか無いか……」


 俺はマジックボックスと呼ばれる箱から水を取り出しぐいっと飲む。

 これもユキミにもらった。

 ユキミと一緒にいればべグラースの魔法領域の空間に収納したものを自由に使えるが、今は魔道具に頼るしか無い。

 マジックボックスにはダンジョン攻略に必要な食料や道具類などが入っている。

 

「さて、行くか!」


 ダンジョンの入口から侵入する。洞窟探索なんてしたことがないから少しビビり気味だけど、ユキミから貰った照明は腰につけているのに周囲がすごく明るくなってくれて恐怖心が和らぐ。


「それでも先が見えないのは怖いなぁ……」


 最初は恐る恐る進んでいたんだけど……


「でかい!! この洞窟でかいよ!」


 進めども進めども続く同じ光景……

 出て来る魔物も外と一緒でそれほど強くないので、途中からは小走りでガンガン進んでいる。

 冒険者に必須アイテム、導きの地図を見ながら階段を探す。

 導きの地図っていうのはダンジョンを進むと同時に周囲の道を書き出してくれる魔道具で、これがあれば広大なダンジョンでも自動的にマッピングをしてくれるので迷う心配はない。

 ただ、あんまり地図を見ていると……


 カチリ


「ん? うおっと!」


 足元に罠のスイッチがあったらしい、地図を見すぎてて気が付かなかった……

 足元から棘が四方八方から迫ってきたので棍棒で薙ぎ払う。


「危ない危ない……」


 何本か処理できなかったけど、強力な魔道具でもあるローブは破れることはない。

 皮膚はチクリとしたけど、さすが魔術師の装備だね。

 傷一つないや。


(装備のおかげではありません)


 38階層まではマッピングが出来ているので階段の位置はわかっているけど罠は毎回変化する。

 宝箱もだ。

 ダンジョンと呼ばれる特殊な洞窟は、洞窟自体が生きていると言われて、満月の時に内部の罠や宝箱が変化する。

 冒険者を釣ってダンジョンの養分にするためだとか言われている。

 べグラースもほんの少しダンジョンの研究もしていたけど、面白くないから止めたと記憶が言っている。

 もう途中からは全速力、罠も装備のお陰で脅威にならなそうなので魔物を蹴散らしながら進んでいく。


(繰り返しになりますが、装備のおかげでは無いです)


「結構全速力で走っているつもりだけど、あんまり疲労感とかは感じないなぁ……」


 身体は軽い、魔物たちとの大立ち回りに合わせてダンジョンを走り続けていても息切れ一つしない。

 魔物はどんどん厳つい見た目になっているけど棍棒で潰しながら進めているし問題はなさそうだ。


「この棍棒頑丈でいいなぁ! きっといいものなんだろう、魔物も全部一撃だもんね」


 ……ユキミさんと短い時間とはいえ一緒にいたので……


「独り言が寂しい……昔はずっとこうだったけど……今は、知ってしまった……

 人との関わりを!!」


 横道から現れた大蛇のような魔物に八つ当たりする。

 そう言えば、魔物化した動物は特にいきり立って襲ってきたりはしないんだな……

 ふと教会での皆の目線や言葉が思い出されて目の前が歪む。


「……目に……ゴミが……うっ……」


 俺は何も考えないでダンジョンを進む。

 俺は知っている。

 救えば、救いさえすれば俺にも救いがある!


 ダンジョンを疾走る。

 一刻も早く原因を突き止めるために奥へと奥へと……


 

 

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