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旅行3
希夢はお風呂に入りながら、ぼんやりしていた。疲れを癒すにはやはりお風呂が一番だと思った。
「…」
無心になる。ただ、お湯の温もりが彼の身体を駆け巡る。
「…ぷはぁ。」
最高に気分がいいと思った。今ならいくらでも一希の相手をしてやれそうだ。
このお風呂は、源泉をひいていないので、温泉ではなくお風呂になっている。旅館まで来て温泉じゃないのは酷いとおもったが、経済的理由を考えれば高いところになど泊まれないので、ぐっと我慢した。
やがて、のぼせかけたので、お風呂からあがった。
部屋に戻ると、両親と一希が楽しそうにunoをやっている。
「なんだよ、やるならやるって行ってくれよ~、お風呂入っちまったよ。」
彼はちょっと不満だった。
「いや、やりたかったからやったまでだ。希夢もやるか?」
父親は言った。希夢はうなづいた。
「よし、じゃあ始めからにしよう。」
「え?!ガチで?ちょっと待ってよ、後ちょっとで勝てそうなのに…。」
父親の言葉に一希が言った。
「いいじゃないか。お前はいつもわがままばかり言うのだから。」
父親はあきれ顔で言った。希夢はちょっぴりにやけた。