表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

あーちゃんの詩集

作者: あーちゃん(珠枝)

〔瀧桜〕


この春 会津三春の瀧桜を見た

しだれ桜だ

千年の樹齢の風格は人々を圧倒する

雄大に枝を拡げ たおやかに垂れ

咲きみだれている

「素晴らしい!!」

人々は感嘆の声をあげシャッターを切る

しばし酔いしれていた私の脳裏を

かすめたものは…

祝宴の日々も黄昏て…

花が散り 葉が散り 秋風の吹き始める頃から彼女の老いた身は犇々と孤独を味わうだろう

雨に打たれ 風雪に耐えている

そんな老木の日々を垣間見た気がした

華やかさの陰にそこはかとなく忍び寄る淋しさが重なってみえた

千年は長いな~



〔観音像〕


どんな人が作ったんだろうか

どんな人達が拝み手を合わせたのだろうか

20数年前 骨董品屋から入手した観音像

50㎝位の背丈で なんとゆかしく

なんと優しく整った表情

右手には巻物を持たれている

朝晩拝む親しみ深い仏像

あの巻物には何が書かれているのかしら?

時々気になる

私を慰め励まして下さる宝の観音様



〔顔〕


丸い顔 四角い顔 大きい顔 小さい顔

目 鼻 口がそれぞれの個性をもって

並んでいる

なんて興味深い作品なんだろう

複雑に変化し微妙な表情を作る

怖い顔 優しい顔 温かい顔 冷たい顔

目が語り 眉が語り そして口が…

相手の心の奥までをも動揺させる

人はその動きに心弾み 心沈み 心痛む

願わくば人々が少しでも和やかに 晴れやかな表情でいたならば 世の中はもっと平和になるんじゃないの!?



〔秋〕


風の音の中に 陽の光の中に

そーっと秋はやって来た

木の葉を色ずかせ 夕焼け空を彩り 覗くように秋はやって来た

人の心の中にも入り込んで

秋が来たと囁いている



〔あわもり草〕


久しぶりに外出した

あわもり草の黄色が目にしみる

「ああ、秋だなぁ」と一人つぶやきながら

雲の間から見える蒼い空の光を眺める

金木犀の香りがどこからともなく

私を包んでくれた



〔旅路〕


人生という旅路で出逢った沢山の人

山あり 谷あり 花園あり

一緒に歩いていたのに

ふっと横の道へ曲がって行った人

懐かしい人の顔が浮かんでは消える

坂道を降りて行った人

振り返って手を振っていた人

一番近くを一緒に歩いてくれる家族

でも旅の終わりは来る

また逢おうねって笑いながら

手を振って別れたい



〔水玉〕


水玉の洋服の娘が辻を曲がって去ったけど

まだ水玉だけは辻の辺りで遊んでいる

彼女はその忘れ物にも気付かず

どこへ行ってしまったのかしら…



〔こころ〕


空間を飛び交う素粒子にぶつかって

人の心は様々に揺れ動く

目に見えないものの 不思議と怖さ

けたたましい程の早さで往来している

人はそれにふりまわされ

痛み 悲しみ 苦しむ

神々からの美しい粒子を受けて

心清らかに温かく 素直でありたい



〔望郷のバラード〕


天満敦子さんのバイオリンで

望郷のバラードを聴く

監獄の中で作曲したという

青年の気持ちが痛い

どんな想いであったろうか?

人の世のやりきれなさを

否応なく伝えてくる

切ない曲だ…

美しい曲だ…

苦しい曲だ…



〔奇跡〕


辻井 伸行 青年の

ショパン 幻想交響曲

ラフマニノフ ピアノ協奏曲を聴いた

生まれた時から全盲のピアニストだ

信じられない…

あの温かな音色 爽やかな指使い

あの人は神様とご一緒だと思った

感動で息苦しいくらいだった

奇跡だ

世の中にはこんな計り知れない喜びがある

















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 母親を思い出しました。 [気になる点] ちょっと、言葉のチョイスが難しくなるときがあって、その昔、文学少女であられたのかなと気になりました。 母もそうでした。 [一言] これからも、創作し…
2013/02/07 16:30 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ