魔法少女グラニータ。
見切り発車。
未完。
「ねっ、ねぇ。キミってさ……魔法少女グラニータ、だよね。あっ安心して、誰にもバラしたりしないよ。でも、黙ってる代わりに……えっと……その……」
『魔法少女』それは。
恐ろしい怪人達にも怯まず、立ち向かう姿は凛々しくて。
どんなにボロボロになろうと、皆の笑顔のため、何度でも諦めず立ち上がる姿はカッコ良くて。
そして、戦いに勝った後。その時に浮かべる笑顔が最高に可愛い。
どこからともなく現れ、怪人をやっつける正体不明の少女達。
そんな、カッコ良くて最強に可愛くミステリアスな存在。
幼い頃。怪人から助け出してもらってからずっと、私の憧れの存在。
妖精のウィスクと出会い。そんな、憧れの存在に私は選ばれた。
これから、どんどん怪人達と戦って。皆の笑顔を守っていくの。あの時、助けてくれた魔法少女みたいに。
カッコ良くて、最強に可愛い、そしてミステリアスな魅力たっぷりの魔法少女に私はなるの。
だから……。
「……だから、えっと……ぼっ僕とデ、デートしてよ!」
こんな、家に突撃してくるようなストーカー野郎に。
「違います。人違いじゃないですが?」
「えっ。ちゃ、ちゃんと証拠の写真もあるよ。ほら、ねっ」
私の夢を邪魔される訳にはいかないの。
「……良いですよ。だから絶対に誰にも言わないでくださいね!約束ですよ」
「ほ、本当! やったぁ。じゃ、じゃあ連絡先交換しよ…っあ、雨」
「わぁ! 大変、傘無いですよね。貸しますよって、あっ、私一つしか傘持ってなかった。どうしよう」
「だ、大丈夫だよ。走って帰るから」
「いえ! そういうわけにはいきません。送っていきますよ。相合傘です、嫌ですか?」
「えっ、い、嫌だなんて」
「なら、早く行きましょう!」
『魔法少女には秘密がある』それは。
自分の正体。誰にも自分が魔法少女だと知られてはならない。もし、知られたら……。
魔法少女は魔法少女ではいれなくなる。
―――――
《おはようございます。ニュースをお伝えします。昨夜未明、◯市のアパートで男性の死体が発見されました。同アパートの住人の奇声が聞こえるとの通報により駆け付けた警察が発見したとの事です。警察は自殺の線で捜査を進めているもようです。続いてのニュースです……》
「ふぅ~、これと一安心。私はまだ魔法少女を続けられる」
魔法少女って。既に『正体を知られてはならない』と言う重大な秘密、誰にも言えない事を抱えているから。
更にもう一つ秘密を抱える事に抵抗がないと面白そう、と思ったのが始まり。
もともと、思い描いていたのは。
魔法少女が自分の放った攻撃がビルに当たり、一般人がその瓦礫の下敷きになってしまった(自分が原因の死)のを隠蔽する話。
何故か、こうなった。




