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天使長オルド

 気球で西に行くと、岩山に囲まれたひときわ高い塔がある。

 その過酷な環境ゆえに、これまで塔を登れた者はいないと言われる。

 一行は今こそ、その塔に登ってみることにした。

 大仰な扉には鍵はかかっておらず、開けると問題なく入ることができる。

 中にある階段を登っていくが、ここは魔物が出てこない。

 塔の中が聖光気で満たされているため、魔物たちが近寄れないのだとセーラが語った。

 しかしながら登っている階段が果てしなく長い。


「この階段どこまで続いてるんだ?」

「そんなのわからないわよ」

「いくら魔物が出ないといっても、さすがにこれはきついな」

 そして永遠に続くかと思われた階段の目の前が突然開けた。

 どうやら頂上にたどり着いたようである。


 部屋はかなり広く、そこには玉座に座った老人がいた。

 老人は「よく来たな」と微笑むと、全身が光に包まれ、美しい羽根の生えた青年の姿へと変わっていった。

 青年は身体が透けておりセーラたちは驚いた。

「あなたは……」

「私は天使長オルド…じゃ」

 四人はしばらく言葉が出なかった。


「私はここに居ながらにして、この世界のすべてを見ることができる。だが、私の力は地上では大きく制限されてしまうのだ」

「そうか、それであんな汚いじじいの姿に」

「……。セーラよ、お前はもう感じているはずだ。ここでは秘めた本来の力を取り戻すことができる」

「そうなの? セーラ?」

 マリアが訊ねるとセーラは静かに頷いた。

「魔物たちの本拠地は、この塔の遥か南に位置する呪われし島『クリムゾン』、その最も深い森の奥に潜む『ヘルキャッスル』という古城だ。

 魔族の父はまだ封印されたまま眠っているが、いずれはこの塔にも魔の手が延びるだろう。倒すのは今しかない。しかしお前たちがここを出る前にやることがある。セーラよ、その天使の斧を私に貸してくれるかな」


 セーラはオルドに天使の斧を渡した。

 オルドはその斧を両手に持ち力を込める。

 すると斧は白くまばゆい光を放ち、倍くらいの大きさの鉞になった。

「それが真の天使のまさかりだ。そのあまりにも強大な威力ゆえ、斧の形に封印されていたのだ。セーラ、持ってみるがいい」


 なぜ斧型なのか疑問に思いながらも、セーラが鉞を受け取り構えると、碧い珠が光りだす。

 セーラにもこの鉞のすごさがわかった。

「私は次元の神ではないゆえ、これから起きることを見通すことはできない。だがこの先その天使の鉞が必ずや役に立つだろう」

「ありがとうございます。オルド様」


 セーラたちは塔を出て気球に乗り南を目指した。

 しかし島が見つからず、あたりを飛び回る。

 やっと周りを岩山に囲まれた島が見えてきた。


 一行が島に降り立つと祠があるので入ってみた。

 階段を降りるとなんと宝箱があった。

 入っていたのはマロールリングである。

 しかしリングは呪われていた!

 アレフは呪われてしまった。

 一行はマロールリングを手に入れた。


 呪われし島と言われるクリムゾン島は人の気配のない荒涼とした不気味な大地であった。


 途中、超巨大なゴーレムが現れたのでセーラは新たな天使の鉞の威力を試してみた。

 ゴーレムの脚を狙って打ち付けると、そのまま片脚が砕けて飛び散った。

 ゴーレムは片脚を失い倒れた。

 なんとゴーレムを一撃で葬り去った。

 四人は改めてこの鉞の凄まじさに驚いた。


 セーラはふと、天使の鉞の柄に丸い穴が開いていることに気がついた。

 試しに碧い珠を入れてみるとぴったりと入り、鉞の全身が青く光り始める。

 おそらく碧い珠の聖光気を使ったものであろう。

 だがまた倒れることを恐れ、セーラは碧い球を抜き取った。


 セーラたちが島にたどり着くその少し前。


(バンッ!)


 重い扉を開け放つ音。


 古城に戻った獅子の魔物は、老いた魔導師を探した。

 魔導師は儀式の間にいた。

 天井には大量の蝉がひしめいている。


「グルル。貴様…邪魔をしおって!」

 獅子は魔導師に怒りを向けた。

「戻ったか、獅子の王」

「ガルガル! あのまま戦っていれば葬れたものを」

「人がお前の身体にダメージを与えられないように、お前もあの者には致命的なダメージは与えられない、それが摂理なのだ」

「ほう」

 黄金の騎士がいつの間にか魔導師の背後を取り、その顎に剣を突きつけた。

「どういうことか説明してもらおうか」


 一方ヘドロスライムは、捕まえたバルガに乗り『ドラゴンズヘヴン』という幻の地を駆けていた。

 ここには『ファイアクレスト』と呼ばれる、生物を人間に転生させるエンシェントアイテムがあるという。

「バルガッ! もっと速く走れないのかい!?」

 ヘドロスライムの身体から小さい針が出てバルガの背中を突き刺した。

「あひぃぃ!!」

 バルガは歓喜の悲鳴をあげた。

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