表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

学生の日常

決意

作者: ミナネナミ

 「いってきます」

 「いってらっしゃい」


 外に出ると、昨夜までの大雨が嘘だったかのような青空が広がっていた。

 雨は雨で好きだけど、やっぱり晴れ空は気持ちがいい。

 特に、昨日まで雨だった次の日の晴れは格別だ。雨で洗われたような清々しさがある。

 今日は、さらに心地よい風まで吹いていて、気持ちよくて最高だ。


 自転車をこいでいくと道の脇にあるゴミ捨て場に女性が一人、かがみ込んで何かしているのが目に入った。


ーーなんだろ?


 ゴミ捨て場を脇を通り過ぎる瞬間、目をやると、その女性は大きい針と糸らしきものを持って、手をせっせと動かしていた。


ーーうわっ、すごっ、尊敬。


 その女性はゴミ捨て場のネットを一人で繕っているようだった。


ーー自分でやってるにしろ、誰かに言われてやってるにしろ、みんながあまりやりたがらなそうなことを、一人で黙々とするなんて凄い。尊敬する。


ーー私もああいう人になれるよう頑張りたい。


 そんなことを内心考えながら進んでいくと、横の道から同じ学校の最上級生らしき二人組が現れた。

 その二人は狭い道路の端で二列に並びいちゃいちゃし始める。

 そのせいで自分のペースで前に進むことができない。

 目の前の二人の進行速度が遅いわ、目の前でいちゃつかれて気まずいわで、私の我慢の限界は割と早く訪れ、二人組を追い越すことにした。

 二人の脇をできるだけ速く、見ないように通り過ぎながら、私は心に決めた。


ーー私が将来、誰か付き合う人ができても、道に広がっていちゃつくようなことはしないようにしよう。ゴミ捨て場のネットを繕えるような人になれなくても、

それならできる。はずだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ