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⑼『スタンスオブディレイド』
⑼『スタンスオブディレイド』
㈠
切り刻まれた、刃の様な精神で、次の扉に進む我々は、何を得るためだろうか、その扉を開くのは。決着した思想の根幹から、息が溢れ出る。感情や感覚というものが、てんで分からない俺という俺の意識は、たいそうディレイドしている。
㈡
悲しみの果て、というものがあったら、俺は恐らく、その行き着くところまで、行き着いているだろうから、後方を振り返りもせずに、ただ思いの果てを思考するのである。手に入るもの、手に入らないもの、平等の明証だろうから。
㈢
繰り返し繰り返される、俺の執筆作業も、意味があると言えば、意味はあると言える。心情の問題さ、言葉に幻滅しても、俺はその先の明暗に、言葉を託すからね。意識絶望の最果て、そこには、ディレイドが、待っているんだろう。