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⒆『スタンスオブディレイド』
⒆『スタンスオブディレイド』
㈠
本当に、ディレイドばかりしていると、流行りに乗り遅れるよ、と言われそうだ。確かにそうだ、そうなんだ、俺の性分だ、小説家としての俺の性分だ、と言うしかないだろう。けれども、他者にとっては、俺の言動は、やはり異質に映るだろう。
㈡
異質であること、それは悪いことではない、しかし、協調性が無いとも取れるだろう。複雑な問題を孕んだ、このディレイドであるが、それっでも、一つの意思表示にはなっただろうか、分からないが、俺にとっての、最大限の、意思表示である。
㈢
イズム、つまり主義であるが、主義を抱えた意思表示と言うディレイドなのではなく、俺は小説家でありたい、と言う意思を抱えた主義のディレイドなのである。混雑したバスや電車の、ディレイドが生じた時の絶望の様な場所から、俺は小説を書いている。