僕の言うこと、なんでも一つ聞いてね?
僕が今から
君の抱えている不安を言い当ててあげようか
当たるはずがない?
なら、もしも当たったら
僕の言うこと
何でも一つ聞いてね
私には不安なんてない?
そんなヤワな人間じゃない?
そんなこと言わないで聞いてみてよ
もし外れていたら
君の言うこと何でも一つ聞くからさ
真っ直ぐに僕を見て
僕から目をそらさないで
準備はいいかい?
それじゃ始めるよ
本当は不安なんでしょ?
僕がいつか、いなくなってしまうんじゃないかって
いつか他の女性に気を惹かれて
自分のことなんて忘れてしまうって
だからいつも考えているんだ
どうすれば飽きられないのかを
どうすれば楽しんでもらえるのかを
少しでも長く、今が続きますようにって願いながら
ちょっとまってね
まだあるよ
って、なんで?
一体どうしたの?
急に、もうやめて、なんて
真っ赤な顔して
目に涙まで溜めて
どうして分かったのって?
ずっとうまく隠せているつもりだったのにって?
気付かれていない自身しかなかったのにって?
どうして分かったか、なんて
そんなの簡単でしょ
僕が君の不安を見抜いた理由
本当に分からないの?
僕だってずっと同じだからだよ
毎日、不安なんだよ
この穏やかで暖かい時間が
終わってしまうことが
君はとても素敵な人だから
いつか僕なんて逆立ちしたって敵わないような
良い男の元へ行って
僕のことなんて忘れてしまうって
そんなのズルいだなんて
どうしてそんなことを言うの?
嘘なんか吐いてないよ
全部本当の気持ちだよ
一体、僕のどこがズルいって言うの?
そうやって誤魔化そうとしたって無駄だよ
ちゃんと当たってたでしょ?
僕が言うこと当たっていたら
何でも一つ言うこと聞いてもらうって
約束したよね
そこまで涙ポロポロ流して
外れてるなんて言わせないよ?
僕のお願い、今から言うから
ちゃんと聞いてよ?
僕はどこにも行きません
君が嫌がってもどこにも行きません
ずっとずっと
隣で寄り添える自信があります
だから今、この瞬間から
その、君の中にある不安を消してください。
欠片も残らないくらい
一切合切、跡形もなく
でもこのお願いには決まりがあります
効力が続くのは、君が嫌にならない限り
つまり君が僕を嫌いになるまでは
このお願いをずっと聞いていてください