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 レイニー様の話になると後ろの二人の長身天使が話しかけてきた。


『どうして下級天使のレイニーが下界に下りてたんだ?』


「それは知らない、ただ捕まった理由なら言っていたな、下界の女に興味が沸いて毎日一緒に遊んだりして酒を飲み気付いたら拘束されてたと、多分売られたんでしょう」


『かぁ~!これだから下級天使は!』


「それで血を抜かれたり適性検査なのか数日か数週間おきに色んな薬品を注射されたり薬を飲まされたりして、実験当日にレイニー様は化物と化した金弥さんを初めて見て何を思ったのか合体させられる寸前に俺の魂と自我を護ると言い命をかけて力を使ってくれたんだ」


『なるほどのぅ、それで実験は成功、レイニーが魂を護り合体したから天使に似た姿に変わってしまったと』


「その辺は解りませんが多分そうでしょう、そのせいか金弥さんが貰った勇者の力も使えるようになってたんですよ、俺は"異空間収納"と呼んでますけど、合体後は悲しさと女神に対する怒りや恨みやらで研究所をメチャクチャに破壊して研究員を皆殺しにして、俺や金弥さんを奴隷にした盗賊共を探しだして皆殺しにした後に指輪の事を思い出し魔神と呼ばれていたエルサを十数年も探して追い掛け回しボッコボコにして指輪を着ける事が出来て天界に上がったんですよ。」


 創造神様は何やらウンウン唸りながら何かを考えている、後ろに立ってる長身天使の二人は誇らしげにレイニー様に対し賛辞を送っていた。


『合体して勇者の力を引き継ぐ...か、う~ん実に興味深い話じゃ』


『創造神様、変な事考えないでくださいよ?合体して力を引き継ぐとか普通の事じゃないんですからね?』


 創造神は何やら力の継承に興味を持ったみたいだがすかさず長身天使の片割れが注意する、後ろの二人の役割が何となく理解出来た瞬間である。


「それからあの二人の女神についてですが、争いの原因は昔召喚した勇者の取り合いが争いの発端みたいですよ」


『『『は?』』』


「分かりますよ凄く分かります今の貴方達の気持ち、そんなくだらない理由だとエルサから聞いて、天界に上がってレミアに話を聞こうと思ったら監禁室に転移して、まぁ普通に扉が開いたからエルサも外に出してやってレミアと話してたらキレちゃって攻撃してしまったんですよ。」


 創造神様は腕を組み焚き火を見つめて喋らなくなった、後ろの二人も黙って立っているが俺としては喋る事は喋ったので早く地球に帰りたいんだが、真剣に何か考えてる重苦しい雰囲気に「まだ?帰りたいんだけど」とは言えなかった。


『明日あの二人にワシ自ら尋問するんじゃが、事が終わるまでその...元の世界に帰らせると言う話は待って貰えないだろうか?』


「事が終わるまで?それは明日か明後日には終わるんですか?」


『ん?いやまぁ...その~事が事じゃからな、早く終わるよう力はつくそう』


 どうも歯切れが悪い、本当に地球に帰してくれるのか不安だがもし嘘ついたらこの爺どうしてくれようかと頭の中でぶっ飛ばすイメージを思い描くがレミアにさえ攻撃が通じなかったのを思い出し諦める(本当に帰れなかったらどうしよう)


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 話しと言うか事情聴取が終わり長身天使の片割れに豪華な部屋に案内され好きにこの部屋でくつろげと言われる、何十年ぶりかのフッカフカな布団に入り幸せを噛み締めているとふと先代の事を思い出して涙が滲み出てきた。


「俺だけこんな良い思いして悪いな...」そう呟き頭を切り替えて眠りについた。

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