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B-27

 治安維持部隊の施設を出て四人はさっそくダンジョンに潜った、パラムと勇者ではレベル差がありすぎるのでまずはパラムが戦いについて来れるよう勇者三人のサポートでレベルを引き上げようと話し合ったのだ、パラム自身はムドのダンジョンは仲間と20階層がギリギリ行けた程度だと話していたが、いきなり35階層に連れて行かれ人型の魔物と戦わされ必死に戦っていた、しかし獣人の身体能力の高さと鋭い感で何とか攻撃を避けて倒しながらダンジョンを進んでいった。




『ヒロ君達のその武器は女神様とやらに頂いた武器なのかな?』


「あぁそうだぜ!この盾もそうだけど....パラムが使うか?」


『え?いいのかい!』


「あぁいいぜ、正直今の俺に盾は必要ない気がしてたんだよ」


『うーん、私も創造神様に強くしてもらってからはヒロキと同じかな、魔力の盾を使った方が戦いの邪魔にならないんだよね』


『しかし武器はどうしようもないな、私達のとは違い手入れも必要だしすぐダメになってしまいそうだ』


『そうなんだよ、さっきの戦いで私の武器少し欠けちゃってね』


「あー、これじゃ不安だな、こんな事ならもっと考えて提案すれば良かったよ」


『?』




 ヒロキはパラムにまだ話していない事の一部を話し共に魔王を倒す仲間に特別な武器を貰えるよう神様に提案すれば良かったと話した、それにはリサやミレイルも賛同しアルミナが合流する時に女神様に会えたら神様に伝えてくれるようお願いしてみると話しているとパラムは『アルミナって誰?』と聞いて来たので話す事にした。




『実は私達には前から仲間になる予定の子が居るんだけどね、その子が近々合流する予定なんだけどその子がアルミナって言う女の子で、驚かないでね?その女の子は魔王なんだ』


『ん?魔王?リサは私をからかってるのかい?』


「まぁ普通に信じねーわな、けどこれはマジな話で魔王が仲間になる予定なんだよ」


『ヒロ君までそんな事、ちょっと笑えないぞ二人共』




 パラムはからかわれてると思い少しムッとしたが三人は真面目な顔で本当の話だと言い冗談を言ってるように見えずだんだん怖くなってきた、しかも事の経緯を聞いてる途中で三人はその魔王に一度殺されてると聞き更に不安が込み上げて来たがその後の話で魔王も人や獣人と仲良くしようと心を入れ替え天使や女神に教育されていると聞き次第に早く会ってみたいと思い始めていた。




『人や獣人と仲良くする魔王か、何だか凄い話しだね』


「会って見たら分かるけどホントにただの悪魔の子供にしか見えないからビックリするぜ!」


『あ!その事なんだけどね、アルミナちゃんの肌が私達と変わらない肌色に変わってて今はホントにただの可愛い子供にしか見えないよ!』




 四人はそんな話をしながらダンジョンを進んでは戻りパラムのレベル上げをして数日過ごし、雑談しながら徐々にパラムに全てを話して情報を共有していった、パラムはミレイルの部族に守護天使がついた事に一番羨ましがっていて獣人にも天使の守護が欲しいと話しているとリサが急に立ち止まって何か考えだした。




「どうしたリサ?」


『今レミア様から話しかけられたんだけど、全員魔大陸の家に来てほしいって』


『そうか、アルミナの準備が済んだようだな』


『はぁ〜、ついに女神様や魔王に天使さんに会えるんだね、ドキドキしてきたよ』




 四人はすぐにダンジョンから出たが、ヒロキが「汗臭いのをどうにかしよう」と言って一旦ミネル王国の城に行き風呂に入って汗を流して着替えてから魔大陸に転移した、大きな家の前でニールや女神の二人に出迎えられた四人だが何故かそこに聖女のルルミーナも一緒に立っていた。




「あれ?なんでルルミーナちゃんもいるんだ?」


『実は私も勇者様の仲間になってくれとエルサ様に頼まれまして!教会のみんなも喜んで送り出してくれたので皆さんこれからよろしくね!』


「おぉ....そうなんだ...」




 ルルミーナの興奮したようなおかしなテンションに引き気味のヒロキはリサに対応を任せてパラムの事を女神の二人とニールに紹介した、初めて見る天使と女神様に感動したパラムは跪いて祈り出しその後魔王が本当に子供のようだと驚き『パラムお姉ちゃんは私と仲良くしてくれる?』と言われ『可愛い!』と言って抱っこしていた。




「みんな問題なくアルミナと仲良くしていけそうで良かったよ」


『ふふふ、そうですね、皆さんこれからアルミナの事頼みましたよ?』


『いいアルミナ!私はちゃんと見てるから良い子にするのよ?』


『わかった、エルサもしつこい』


「エルサ様、俺は今日でもう自由にさせてもらいますがこれからどうするんですか?」

 

『え?貴方ここに住まないの?』


「俺は前にお二人に紹介したリズミィの家で人として暮らそうかと思ってますからここには住みませんよ」


『ニール、それじゃあ私はどうなるのですか?』


「え?天界に帰れば?」


『そんな...私のお酒...』


『だったらリズミィもここに連れて来て一緒に住めば良いじゃない?』


「確か天界の者は下界の者と深く関わるなと言ってませんでしたか?ん?」


『ニール、特例で許します、一緒に住みましょう』「拒否する、こんな何もない所で暮らせませんよ」




 天使と女神の口論を黙って聞いていたヒロキだが、レミアから一緒に住めと言われたりあの美人なギルマスと一緒に暮らすと言ったりミレイルまで手に入れてるニールにヒロキは再び嫉妬の炎に包まれそうになっていた。

 ミレイルも自分だけの守護天使じゃないがニールに全てを捧げると言って受け入れてくれたし独占欲が湧いてニールに刺すような視線を送っていた、どうせなら自分が一緒に住みたいと思うが自分にはやるべき事があるしと言いたくても言えない歯痒さで睨む事しか出来なかった。

 リサはそんな二人を見て自分もこの世界で恋する相手が見つかると良いなと思うが他人の恋路を横から眺めるのは面白いと思ってニヤニヤしていた。




「クッ!俺もニールさんみたいになりたいぜ!」


『残念だがヒロキ、お前にはニール様のような落ち着きがないから無理だ諦めろ』


『きついなぁミレイルは、ヒロ君?私は優しくしてあげるからね?』


「煩悩退散!俺は聖者...俺は聖者...」


『アンタ我慢するくらいならパラムに相手してもらえば?どうせレミア様とは叶わぬ恋なんだし!アハハハ!』




 リサがヒロキをからかっているとニールを睨んでいたミレイルがハッ!と閃いたような顔をしてエルサの元に向かい何やら相談をしているようだった、黙ってミレイルの話を聞いていたエルサがニコニコしだしミレイルの肩に手を置き『私に任せなさい!』と言ってニールに近付いていき命令した。




『女神として命令します!下級天使ニール、貴方は守護天使としてミレイルの部族に会いに行きそこで人としてミレイルと契りを交わしなさい!』


「契り?」『?』




 突然のエルサの発言に固まる一同だがニールとアルミナだけ「契りってどういう意味だ?」と聞いていた、ささっとルルミーナがニールに近付いて耳打ちして意味を理解し「一体どういうつもりだ!」とエルサに怒った。




『貴方確か創造神様から人として下界で生活する許可を貰ってたわよね?だから人として契りを交わす許可を私が出すのです!』  『契りって何だ?』


「いきなり言われてハイそうですかって言えるか!何を企んでいる!」  『なー契りって何だ?』


『これはミレイル本人の願いよ?』  『おい無視するなー!』(アルミナ、契りっていうのはね...)


「そうなのかミレイル?何で急に」  『セイコウってなんだ?』(子を作る行為の事よ)


『はい、私はニール様と結婚し『ダメーーーーー!!!』』 




 突然絶叫したアルミナに全員ビクッとして驚き何だ何だとアルミナを見ると物凄く怒ってる形相でミレイルを睨んでいた、ニールとレミアはすかさず勇者達の前に出てアルミナに対峙し、エルサはアルミナに近付き羽交い締めにして何で怒っているのか聞くととんでもない事を言い出した。 




『ニールの魂も体も私のモノだー!誰にも渡さないぞー!』


「はぁ?何言ってるんだお前?」


『エルサ、これはどういう事ですか!?』『知らないわよ!』


「落ち着けアルミナ、意味が解らない」


『ニールの魂と体は私が貰うとジジイと約束したんだ!絶対にお前には渡さないぞ!』




 アルミナはそう言うとミレイルに向かって黒い火球を作り撃ち込もうとしたがエルサが火球を消滅させサッと神殺しの指輪をアルミナに着けたがそれでもミレイルに掴みかかろうと暴れていた、急な展開にみんなどうしていいか分からずとりあえずアルミナを家の地下に連れて行き檻に閉じ込める事にして勇者達には一日この家で待ってもらう事にした。

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