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 ヒロキ・リサ・ミレイルの三人は下界に行く魔法陣に乗り転移するとそこはミネル王国城下町が遠くに見える丘の上だった、ヒロキとリサの二人はさっそく城に行って仲間になったミレイルを王女や国王に紹介すると言い城のすぐ側まで転移し城壁の周りを巡回していた顔見知りの兵士達を見つけた、リサは駆け寄り王に自分達が来た事を伝えて欲しいと言うと兵士の一人が走って城内に知らせに行き他の兵士に連れられ三人は城の中の応接室に案内されしばらく待機していると王女の身の回りの世話をしているメイドが一人部屋に入ってきた。



『勇者様、王は今席を外せない大事な会議中ですので先にセリシア様のお部屋へ私が案内させて頂きます』



 三人はそう言って頭を下げたメイドに案内され王女の部屋へと向かったが部屋で待っていたのは王女だけじゃなく神官服を着た見知らぬ可愛い女の子が一緒にいた。



『お久しぶりです勇者様!』


「おー久しぶりだな王女様!でそっちは誰だ?」


『ヒロキ失礼だよ、ごめんね王女様』


『フフ、いいですよ気にしなくて!こちらはダーラント王国の教会所属の聖女ルルミーナ、私が小さな頃からの友人です!』


『初めまして勇者様、私はルルミーナ、セリシア様にお願いしてこの場に同席させてもらいましたが迷惑でしょうか?』



 ヒロキ達はどうしようかと悩んだが聖女様は自分達に何か用でもあるのかと尋ねると神の使いであるニールの事で話を聞きたいと言うので同席を認めて話を聞く事にし、王女と聖女ルルミーナにミレイルを紹介してから全員席に着きルルミーナは話しだした。


 神託が下り、街に巨大な転移クリスタルが現れ、神官から神託内容を聞いた各国はその対処をするべく巨大な転移クリスタルを使って神の使いの天使が現れたと言うこの国に集まり会議を開く事になった時、ルルミーナは以前に教会で友人から聞いた『盗賊達から助けてくれた神の使いと名乗る変な奴に会った』と言う話を思い出し、その人をギルドで家を探すよう助言をしギルドマスターを紹介したと聞いていたので興味が湧き会ってみたいと思い探しに行ったが会うことは出来なかったと話すルルミーナ。


 神の使いと名乗ってた人が借りた家は引き払われていて誰も住んでいないし、ギルドを辞めた元ギルドマスターに何処に行ったか知らないかと聞いても知らないと言われ、どうしようかと思い友人であるセリシア王女なら何か知っているかと思い教会関係者と共にこの国に来て王女と会い話を聞くと神の使いと名乗ってたその人がこの国に現れた天使だと聞き、一度で良いから自分もその天使様に会いたいと思いこの城に滞在していたら「勇者が来た」と兵士が王女の元へ報告しに来たので自分も同席させてもらえないかと王女に頼んだと話すルルミーナ。



『天使様は私達に会う前に盗賊退治とかしてたんだね、この世界に来てすぐの事かな?』


『ニール様は行動に迷いが無いのだろうか?聞いてみたいな』


「まぁ、ニールさんに会いたいのは分かったけどさぁ...」



 ヒロキは王女に女神様と会わせてあげようと思ってたが聖女のルルミーナまで女神様の事を話して良いのか迷っていた、しかし何かを察したルルミーナはヒロキの手を握り『天使様に会いたい』と懇願しヒロキはその可愛さに撃沈して話す事にした。



『馬鹿だ馬鹿だとは思ってたけど底無しの馬鹿ね、チョロすぎよ』


『ニール様なら何も言わないだろうが、私は恥ずかしいぞヒロキ』


「お前らの嫌味にも慣れた、何とでも言え!」



 ヒロキは今から話す事は口外しないよう王女とルルミーナに頼み三日後天使がここに迎えに来て女神様と天使の住んでいる家に連れて行ってくれる事を話すと二人は大いに喜んだ、しかしそこには魔王も一緒に住んでいると話すと驚き大丈夫なのかと不安がる二人に事情を説明し、何か起きても自分達が守ると言ったがやはり一度魔王に殺されているから安心させる事は出来なかったが女神様がいるから大丈夫だと話して二人はようやく納得し、三日後が楽しみだと互いに手を取り合い喜んでいた。



『あぁ、やはりセリシア様の所に会いに来て良かった!神に感謝を』



 ルルミーナが跪いて神に祈りだしたので三人は王女と城を出てからの今までの出来事を話して会話を楽しんだ、その後の三日間は国王や周辺国の王や大臣の前で世界の改変でどう変わるのか知ってる範囲の事を説明させられたり王女やルルミーナの女神様に会う時の服は何が良いか話し合い召喚魔法で地球の洋服に似た服を出してアレコレ選んだりと忙しい時を過ごしてニールが迎えに来る日の朝が来た。



「あーヤバイ、楽しみすぎてあんまり寝れなかったけど俺目赤くなったりしてないよな?」


『誰もアンタの顔なんか気にしないから大丈夫よ』


『安心しろヒロキ、いつもと変わらない』



 三人は王女の部屋に向かい途中でルルミーナと合流し王女の部屋に入ると王女は既にバルコニーに出ていて空を見ていた、いつ迎えに来るか分からないけどお茶でも飲んで待とうと王女を部屋の中に誘い五人でゆったりしていると部屋からは死角になっているバルコニーの端から物音がしたと思ったらニールが現れた、王女はすかさず出ていき挨拶をするとルルミーナを紹介して一緒に行きたいとお願いしヒロキ達もニールに事情を説明して一緒に連れて行ってやりたいと頼んだ。



「事情を説明してるなら良いよ、それじゃあ初めましてルルミーナ、私は下級天使のニール、宜しく」


『あぁ天使様!ありがとうございます!』



 ニールの許可を貰いさっそく行こうかと手を出すニールにみんな手を重ね合わせ魔大陸へと転移したが、転移後勇者の三人はサッと王女やルルミーナの前に出て武器や盾は出していないが構えた、大きな家の前にエルサやレミアだけじゃなく魔王も待っていたからだ。



「ほんとに魔王とも住んでるんだなニールさん」


『勇者様、あれが魔王なんですか?』


『そうよ、念の為私達の前にはでないでね王女様』



 三人が王女や聖女の前で構えて魔王を注視していると魔王が一人で近付いてきた、側に立ってるニールは何も言わないでそれを見ているが三人は警戒しながら魔王が何をしてくるのか待ってると目の前まで来た魔王アルミナは勇者の三人に頭を下げてきた。



『殺しちゃってごめんなさい、もう悪い事しないから仲良くしてください』


「....マジか」『....』『....』



 勇者の三人は謝ってきた魔王に驚き何も言えなかったが魔王は何か返事を待っていたのか三人をジッと見ていた、何を言おうか三人は迷っていると後ろからルルミーナが出てきて魔王に近づき話しかけた。



『初めまして、私は教会の聖女ルルミーナです、貴女のお名前は?』


『私は....魔王アルミナ、お姉ちゃんは私と仲良くしてくれる?』


『よろしくねアルミナちゃん、ええ私とお友達になりましょう』


『わ、私もお友達になります!私はセリシアよ、よろしくねアルミナちゃん!』


『お姉ちゃんも私と仲良くしてくれるの?ありがとう』



 三人が戸惑ってる内に魔王と仲良くなってしまった王女と聖女、魔王がエルサとレミアを紹介すると言い二人は魔王と手を繋ぎ歩いて行ってしまった、魔王はニールの調教で大人しくなったとは聞いていたがここまでとは思っていなく戸惑いながらどうしたらいいか三人はニールに聞いた。



「アルミナは一回俺に殺されそうになって自分は強くないと自覚したらしくてね、その後のエルサ様の調教と言うか教育で何をしたら人から嫌われ自分の敵を増やす事になるか学んだみたいでな、俺が三人をこの家に呼ぶとエルサ様に話してたのを聞いて謝りたいって自分から言ってきたんだよ、だから出来るなら仲良くしてやってほしい」


『ニール様はもうあの魔王は人を殺さないと思いますか?』


「いや、悪い奴は殺して良いと俺やエルサ様は教えてるから三人も変な勘違いで敵対しないように気を付けてくれ、何もしなけりゃ無害だから、それに特殊な指輪を着けてるから今は魔法も撃てないから大丈夫だ、たまに影から俺を見ていてニヤケているのが気になるくらいだな」


「それ大丈夫なんすか?絶対何か企んでるんじゃ...まぁ安全で無害なら仲良くしてもいいっすけど」


『そうね.....私も仲良くしたいって言うなら断れないかな、せっかく変わろうとしてるんだし』


『ニール様の頼みなら私も出来るだけ仲良くしようとは思いますが、リサもヒロキも魔王に気を許すのはまだ先にしておこう』



 三人は一応警戒はするが人と仲良くしようとしてる魔王やそれを後押しする女神様やニールに自分達も協力しようと話しニールと共に大きな家に向かって歩き出した。

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