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 家に転移後、長期間留守にするので部屋の隅に積んでる飲み食いした後の箱やコップを全て異空間収納で回収し完全に何もない部屋にしてから人の姿に変身して家から出てギルドに向かおうとしたが扉の下に手紙が挟まっている事に気が付いた、拾って読んでみると『帰ったら会いに来てくれ』と書かれたリズミィからの置き手紙だった。


 ギルドに行き受付けの娘にギルマスに会いに来たと言うとそのまますぐギルドマスターの部屋に案内され、部屋の扉を叩いて俺が来た事をリズミィに伝えるとすぐ受付けに戻っていったがそんなあっさり案内して防犯とかその辺りは大丈夫なのかと思ってしまった。



『おぉ帰ったかニール、来て早々に悪いがさっそくあの後どうなったかや神様の話を聞かせてくれないか?ずっと気になっていたんだ』


「話してもいいが、その前にこっちの用を聞いてくれ」



 俺は長期間この国から離れて暮らす事になったが、今住んでる家は借りたままにするからと俺が持ってる銀貨や金貨が入った袋を全てリズミィに渡してそれで税やら何かあれば代わりに払っといてくれとお願いし、迷惑ついでに使い道がない盗賊から回収した銅貨が沢山入った箱をリズミィに謝礼として渡した。



『何か事情があるんだろうが話してくれるんだろ?それにこんな沢山の銅貨貰っていいのか?』


「いいよ、飲み代にするなり好きに使ってくれ」



 それからこの世界には今二人の女神様が居る事や俺や創造神様と女神様との関係を話し、あの後勇者の三人は魔王に殺された事を話した、黙って真剣な顔で聞いていたが勇者の三人が殺されたと聞いた時は酷く驚いていた、すぐに創造神様に復活させてもらって今は生きてると伝えたが。



『本当に信じられないような話だが全て真実なんだよな?それで、その後魔王はどうなったんだ?』


「その魔王を二人の女神様と俺の三人で調教する事になってな、魔大陸で暮らす事になったんだよ」



 驚いてるリズミィに詳細を話し、魔王は人の姿に似た悪魔で会話が出来る小さい女の子供だと言い、女神様がそんな魔王を調教して人や獣人と仲良く出来る新たな種族の魔人族を作ろうとしている事を話した。



『そうか、ニールが言うからそれも本当の話なんだろう....』


「それから今から話す事は友人として先にリズミィに知らせておくよ」


『まだ何かあるのか?』


「実はこの世界に新たに十二体の魔王とあの三人以外の勇者が何人か来る事になってな、それでこの世界を創った創造神様が世界を改変するとかで色々変わるかもしれないんだ」


『そうか......私はギルドマスターを辞める事にするよ、ハハハ!』


「俺もそっちの方が良いかもしれないと思って知らせに来たんだ、きっと忙しくなるからな!ハハハ!」



 リズミィと飲みに行くといつもギルドの文句ばかり言っていたから友人として先に知らせて良かったと思ってるとリズミィは机に向かい引き出しから紙を取り出し『後任には知らせてやるもんか』とブツブツ文句を言いながら紙に何か書き出した。



『はぁ、辞めると決意したらなんだか気持ちが楽になったよ、それでその世界の改変とやらはいつ起こるんだ?』


「数日かかるって言ってたな、近いうちに世界中の力ある神官に神託で伝えるって言ってたからリズミィの耳に入るにはもっと先になるんじゃないか?その時はこの街にも転移クリスタルってのが現れると思うから教会が神託を隠しても分かると思う」


『そうか、辞めるのに引き継ぎやらで時間はかかるが間に合いそうだな、先に教えてくれてありがとうニール、友人で本当に良かった』


 その後、世界中の国や街に転移クリスタルが現れて移動が楽になる事やダンジョンが増える事も話し、リズミィは次の仕事を探すなら世界がどう変わるのかを見た後にすると言って笑っていたが急に真顔になり話しだした。



『なぁニール、相談なんだが無職になる私を助けると思って聞いてくれ、今ニールが借りてる家を引き払って私の家の一室をニールが借りるって事にするのはどうだろう?』


「ん〜...俺はそれでもいいけど良いのか?」


『ニールの事は信用しているから問題ない、それにそうしてくれると私もギルドを辞めた後の生活に困らないしな!』


「ならさっき渡した袋の中身は全部賃料としてリズミィが使ってくれて良いよ、俺は必要ないから」


『ありがとうニール助かるよ、じゃあさっそく私の家に案内する!』



 リズミィは残ってる仕事は後で片付けると受付けの職員に伝えてさっさと外に歩いて行き、しばらくついて行くと富裕層エリアの近くにリズミィの二階建ての家があった、ギルマスはそんなに儲かるのかと聞くと昔冒険者として仲間とダンジョンに潜ってお宝を見つけ、儲けた金で買った家だと自慢気に言いながら家の中を案内され二階の角部屋に連れて行かれた。


『この部屋を使ってくれ、隣は私の寝室だから帰って来ても入るなよ?』


「わかった、バレないように入ってみるよ」



 冗談を言いながら割と広い部屋に入り、荷物類は片付けとくと言うので転移場所を決め床に印を着けておく、ここには何も置かないでくれと頼み用事も済んだし俺はリズミィに別れの挨拶をして天使の姿に変身して魔大陸のエルサの家の上空へ転移した。



『お姉ちゃん、この指輪取って?痒いの』


『ふふふ、何回頼まれてもダメですよ』


『本当に痒いの、お願いお姉ちゃん、少しでいいから外してほしいの』


『ダメですよアルミナ、嘘をついちゃ』


『嘘じゃないよ?ホントだよ?』


「ほう、そんな風に勇者を騙していたのか」


『 ! 降りて来い!殺してやるーー!』



 転移して下を見ると魔王アルミナがレミアを騙そうとしているのか普通に喋っていた、体も服も綺麗になっているから下で叫んでる魔王に近付いても汚くないと思い降りていくとすぐさま駆け寄ってきて俺の腹や足を殴る蹴るの暴行をしてくる魔王。



『もう用事は済んだの?』


「ええ、ところでレミア様、エルサ様の家が無いんですがどうしたんですか?」


『ここに来てすぐエルサが消しましたね、もったいないですよね残しておけば良いのに、それから引越し先に行って先に家を建ててくると言って何処かに行きました』



 どうやって家を建てるか見たかったのに惜しかったなと思い、レミアに聞いてみるとその土地の精霊に協力してもらって家を建てるらしい、レミアも妖精の森で家を建てたかったが妖精達が先に寝床を用意してくれたから断れなかったと、なんだか妖精が便利道具に思えてきた。



『お前ー!私を無視するな!!!戦えー!』 「うるせー!」(バチーーン!)



 さっきから少しだけだが地味に痛い暴行を加えてきた魔王アルミナが鬱陶しいので強烈なビンタをして殴り飛ばしてやった、ズカズカと歩いて行き倒れてる魔王の服を掴んで持ち上げ少し離れた先にある岩を指差し魔王に忠告する。



「アルミナよ、お前は俺に暴行を加えたから頭からあの岩に突っ込ませてやろうと思ってるが謝れば許してやるぞ?」


『うぅ〜卑怯だー指輪を外せーー!』


「指輪を外してもお前は俺には勝てない、さぁ五秒以内に決めろ!五....四....」


『離せー!お前になんか謝らないぞー!』


「三...あの岩に頭から突っ込むと痛いだろうなぁ....二....一....残念だよアルミナ、悪い子にはこうだ!」



 離せ離せと喚いてるアルミナの頭を掴んで俺は岩に急接近して頭から突っ込ませてやった、指輪を着けているから手加減はしたが痛くて頭を押さえのたうち回ってる魔王を掴み上げもう一度岩から距離を開ける。



「さてアルミナ、もう一度言うぞ?謝るなら許してやる、お前は頭の良い子だから謝らなかったらどうなるかもう分かるよな?」


『.....』


「五....四...三」


『ごめんなさい...』


「なんだ素直に謝れるじゃないか、偉いぞアルミナ」


『うぅ〜絶対にお前を許さないぞ!死ね!』



 小声で聞き取りにくかったが謝ってきたので褒めてやり離してやると俺のスネに一発蹴りを入れてレミアの後ろに隠れるように逃げた魔王アルミナ、急に上から押さえつけても可哀想なので数発くらいなら勘弁してやろうと思い、エルサが帰ってくるまでレミアと待つ事にした。

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