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 エルサの部屋に行き、エルサに下界にすぐ行くのか尋ねると下界の生活拠点を今住んでる魔大陸の内陸から海の近くに引っ越そうかと思っていると言ってきた、エルサ様と魔王が住む家なんだから好きにすればいいと言うと『何言ってるの?貴方も住むのよ?』と頭のおかしな事を言ってきた。



「いやいや冗談じゃないですよ、それに俺には既に家がありますし、用がある時はレミア様が頭の中に話しかけて来たみたいにエルサ様も俺に話しかければすぐ転移して行きますよ?」


『それだと貴方が家から出て何処かに行ってると毎回探さなきゃいけなくなってメンドウじゃない、それに貴方がいないと私は食事に困るのよ、下級天使ニール!女神として命令します、あなたも一緒に住みなさい!』


「お断りします、日中は一緒に居るんだからいいじゃないですか、食事も帰る前に置いていけば済む話でしょ」


『貴方は自分の立場が分かってないようね、アルミナの調教の協力を創造神様から頼まれて引き受けた時点で貴方は下級天使として上の指示には従わなきゃダメなのよ?』


「...」



 天使にもそういう決まりがあるなら従うが、もう創造神に俺の願いを叶えてもらってヒロキ君やリサちゃんを今頃弄ってるだろうから後には引けないし、どうしようか悩んでるとレミアがエルサの部屋に入ってきた。



『あらニール、もうエルサから説明は受けました?お互い仲良くしていきましょうね』


「お互い?」


『レミアもアルミナの調教に協力してくれるって言ってくれて一緒に下界で住むのよ』


「はぁ〜???」



 何がどうしてそんな話になったのか聞くと今後は別の女神達が天界から世界の監視をする事になり、レミアは創造神からエルサと俺が間違った方向に魔王を調教しないよう監視を頼まれたらしい。



「それで一緒に住んだ方が監視も楽だってことですか?」


『そうです、創造神様からも許可は貰っていますから安心してください、それと私はニールが夜になると飲んでた飲み物が気になって一度飲んでみたかったから後で出してくださいね、楽しみにしてますから!』


「夜に?」



 夜になると飲んでるのは大体お酒だが、なぜそれをレミア様が知っているんだと聞くと俺に頼みごとをした後からエルサと魔王の監視の合間で俺を見ていたと言い出したレミア、ゾワゾワっと背中が寒くなって引いてると慌てて『どんな生活をしているのか気になったから見ていただけです!』と言い訳になっていない事を言ってきた。



「まあ見られても恥ずかしくないから俺はいいですけど、他の人に言わないほうが良いですよ、かなり気持ち悪いから」



 レミアは顔を赤くして『行くなら早く行きますよ!』と下界に行く魔法陣を展開させ、俺とエルサの手を引いて魔法陣を起動し魔王が居る妖精の森へと転移した。



『もう嫌だーーーーー!狭いよーーーーー誰か助けてーーーー!!!うわぁ〜〜〜ん!!!』



 妖精の森に転移した途端魔王の泣き声が聴こえてきて思わず笑ってしまったが、やはり檻の中は相当キツイのだろうか鼻水をすする音まで聴こえて来てかなりまいってるようだった、エルサはすぐに駆け出して魔王の元に向かったが肝心な事を忘れている事を思い出す。



「レミア様?神殺しの指輪を創造神様から貰って来てないんですがどうしましょうか?」


『それならもう貰ってるので大丈夫です、私達も行きましょうか』



 さすがと言うか真面目?なだけあってレミアは準備が良いなと思ってついて行くと、四角い結界の中で檻に入った魔王の姿が見えてきたと同時に汚物の臭いも漂ってきた。



『レミア!早く結界を消して!』


『・・・・・・・・・シュッ!』



 結界の前でエルサが魔王アルミナの悲惨な姿を見てあたふたしていて、レミアが何かブツブツ言った後、手を前に払うようにすると結界は吹き飛ばされたように空気中に散り散りになって消えていった、エルサはすぐに檻に近づき魔王アルミナの体調を気遣っていたが、あまりに臭いので俺は汚物と臭いを洗い流すように魔法で大量の水を魔王アルミナにぶっかけてやった、当然側にいたエルサも巻き込んで。



『ちょっと!いきなり何するのよ貴方!』


「まずは綺麗にしようかと思いまして、エルサ様も無闇に汚物に近づくと病気になりますよ?」


『アルミナは汚物じゃない!!!』


「誰も魔王が汚物なんて言ってないでしょうがめんどくせーな!」


『!....お前はニール...殺してやるー...』



魔王アルミナは俺に気付くと一瞬ビックリした顔をしたが、グスグスヒックと泣きながらまだ汚物が体にこびりついているのに小さい声で威勢の良い事を言ってきて、それが面白くてニヤけてしまった。



『ニール、いくら相手が子供の魔王だからといってあんな悲惨な姿を笑うのはいけませんよ』


「わかってますが面白いんだから仕方ないでしょう」



 軽く小言を言ってくるレミアを無視して早く指輪をつけるよう促し、指輪を着けた魔王はようやく外に出されたがすぐ俺に向かって何か魔法を撃とうとしたのか手を前に出してウンウン唸っていた、『どうして撃てないの!!!キィ〜〜〜!!!!』と叫びながら殴りかかってきたが汚い手で触らないでほしい。



「それで、この後どうするんですか?俺は一度自分の家に帰って知り合いに家はそのまま借りるが長期間留守になる事を伝えに行きたいんですが」


『私とレミアは魔大陸で引っ越す準備をするから、貴方も用事を済ませたらすぐに来なさい』



 あのエルサの家をどうやって引っ越すのか気になるが俺は転移して自分の家に帰った、魔王は最後まで汚い手で俺の腹を殴っていた。

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