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レミアとエルサに報告を終えた長身の天使は創造神の実験室に入る、実験室では片割れの長身天使が復活の準備を手伝っていて魔法陣の周りに結界を張って強化していた、創造神は実験体のサンプルが入った黒い小箱を小さな魔法陣で囲み目を瞑ったまま嬉しそうに中身を弄くっている。
『創造神様、レミア様エルサ様に報告して来ましたがあんな嘘ついていいんですか?創造神様自ら遺体を燃やし尽くしたなどと』
「かまわん、後で尋問する時に必要な嘘じゃ、今回は我が子と言えどワシも覚悟を決めて処罰せねばならんからな」
一転真面目な顔になり今までに見たことのない創造神様の覚悟が伝わって来る、本気で今回はいつものお仕置き以上の罰が下されるかもしれないと長身天使も身を引き締める。
「しかしこれは貴重な実験体が手に入ったの、こんなワクワクしたのはいつ以来か、弄りがいがあるわい」
長身天使は創造神様がサンプルを弄り回して改造されているであろう黒い小箱を見てまた変な改造してとんでもない化物か何かを作り出すんじゃないかと素体であるあの灰色の翼の天使に同情するのであった。
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「これより我が作りし新たな生命の誕生である!お前達、配置につけ!」
(復活じゃないのか)と二人の長身天使は言いたくなるが我慢して配置につく、実験体が暴走した時に素早く鎮圧する為である。
魔法陣の中心に黒い小箱を置き創造神がブツブツ呪文を唱えだすと魔法陣が輝きだす、するといつもなら光るだけの魔法陣が周囲の魔力を吸い込みだし慌てて長身天使は創造神に大丈夫なのかと問うが創造神は(おお!おお!)と嬉しそうにはしゃいでこちらの声が届いていないようだった。
光が収まり魔力の霧が晴れて姿を現したのはあの灰色の翼の天使だったが、翼の下部が黒く変色しているようだった。
『創造神様?前と変わりないように見えるのですが?』
「魂は一部弄ったが姿形は可能な限りそのままにしとるからの、それに元の体は貴重なサンプルじゃからあれは新しい肉体を創って魂を移させたんじゃ」
そんな話をしていると実験体が魔力を集め体内に溜めはじめた。