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勇者の三人は下級天使の女の子が迎えに来て用意されたであろう部屋に案内され出ていった、俺はする事がないので広場まで出ていきその辺に歩いてた天使に焚き火が出来る場所はないか聞いて川の側まで来ていた。
薪を召喚して適当に石で囲み火を着けてパチパチと燃える木を見ながら俺は新たな必殺技を考えていた、エルサに使った自作魔法はもう俺だけの魔法じゃなくなるので新しい何かを作りたかったからだ。
ヒロキ君やリサちゃんの赤い火球、俺とミレイルの青白い火球、魔王アルミナの黒い火球、同じ魔力から生み出されるのに違いがある不思議を考えてるだけでも暇潰しにはなるが、俺はイメージを固めては小規模の実験を繰り返し続け新必殺技をあみだそうとしていた。
一方勇者の三人は用意された部屋に案内された後女神エルサに呼ばれて再び集まり、魔王アルミナにもし次再会しても戦わないでくれと言われ、アルミナの可能性について力説されていた。
「でもよエルサちゃん、アルミナちゃんの人を騙す演技は本当に上手かったんだぜ?そんな魔王が本当に人と仲良く出来るようになるとは思えないんだよなぁ」
『あんなに小さい子なのに天使様が居る時とは別人のように普通に話してたもんね』
『私もヒロキと同じ意見です、エルサ様の前だけ良い子にしてるかもしれません』
女神エルサは三人の話を聞いて歯を食いしばり悔しがっていた、自分が知らない普通に話すアルミナを見てみたかったと。
『まあいいでしょう、あの子の頭の良さが分かっただけでも、でもね、最初から善人なんていないのよ?人間に例えるなら赤ちゃん、無知が故に動き回り怪我をし加減が分からないから虫を握り潰したりする、アルミナはまさにそれよ!』
勇者の三人は女神レミア様と違ってエルサの事を変な女神様だと思い始めていた。
一方下界の改変に向け思案していた創造神は長身天使の二人に小言を言われていた。
『まーた創造神様の気まぐれで下界の改変ですか?また失敗しても知りませんよ?』
『前で懲りたと思ったら...全く、いい加減にしてください』
「お前達もしつこいのぅ、いつまで大昔の話をしとるんじゃ、今回はあやつが居るから大丈夫じゃ!」
『兄弟をあてにするならちゃんと話した方が良いですよ』
「だー!分かっとるわい!静かにせい!」
創造神は長身天使の執拗な小言にウンザリしながら過去に失敗した計画を再度挑戦しようとして世界の監視を任せている女神達を全員集めるよう指示を出した。
創造神の過去に失敗した計画、それは自分が実験で生み出してしまった数々の魔王を一つの世界に集め管理しようとしたら人類が滅びてしまう大惨事になってしまった事だった。




