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創造神が言った下界の改変、エルサだけは驚愕して創造神を見ていたが俺や三人の勇者は意味が分からず何言ってんだこいつ状態だった、創造神が簡単に説明すると言い話したのは勇者が魔王を倒す世界ではなくてダンジョンを利用して下界を今までとは違う世界に変えると言う事だった。
「俺には意味が分からない、そんな事が出来るならなぜ魔王なんか存在する世界を創り、地球から異世界に勇者として人を送り込んで戦わせていたのか」
「それはこちらの都合で魔王と戦える者を送っていたがの、リサとヒロキじゃったか、その二人は勇者として異世界に送られる理由を聞いとるはずじゃぞ?」
俺は二人を見ると二人は頷きそして話し出した。
「俺やリサ、それに他にも年の近い奴等が何人か居たけど、全員事故や病気で死んだ奴等ばかりだったんだよ」
『みんな死んだ日はバラバラだったけど、女神様の説明では死んだ人は集められ善人と悪人とで選別した後別の世界で生まれ変わるか魂そのものを消すかをするみたいで』
「俺達はその中から選ばれて異世界の魔王を勇者として倒す事が出来れば自我を消さずにまた違う世界で好きなように生きていけるようにするって言われてさぁ、魔法が使える世界に行ってみたくて引き受けたんだ」
二人の説明を聞いて天界に初めて来た時の事を思い出す、確かに二人以外の学生みたいな子供が何人もいたが、俺や金弥さんと違ってあの場にいた全員地球で死んで勇者として他の世界に送られたのかと思うと何とも言えない気分になる。
「で、そのこちらの都合とは何ですか創造神様?」
「それは言えん、他の女神や天使達にも教えてはいないからの」
創造神が何を隠しているのか気になるが、どうせこの頭のイカれた神様の事だから勇者達は創造神の尻拭いのような事をさせられているのだろうと思う事にする。
『あの、それで世界の改変ですか?それをやったら私やヒロキはどうなるんですか?』
「二人には約束通り別の世界に自我を持ったまま生まれ変わるか今のまま別の世界に送ろうかと思うんじゃがな、詫びにワシの力の一部を使えるようにしてやろう、地球人にはうれしい力なはずじゃ」
創造神は俺に与えた力を二人にも使えるようにすると言い二人はどんな力なのか聞いて凄く喜んでいた。
「これはミレイル、お前も使えるようにしよう、そしてお前の部族にも何か配慮してやりたいが何が良いかの?さすがに力を与える事は出来んが」
『急に言われても....』
「時間はある、決まればワシか下級天使ニールに伝えればよい」
その後ヒロキ君とリサちゃんは魔王を倒さなくて良い世界になるなら別の世界に行かなくても良いと言ってミレイルと今までのように旅をしたりダンジョンに行ったりして生きたいと言い出した。
「まぁそれもいいかの、それじゃあ勇者の三人はこれで魔王の件も納得してくれるかの?何かあれば聞くが?」
「俺は何も」
『私も特には』
『はい...』
三人は納得し、エルサも魔王アルミナが殺されなくて済んでニコニコしている、創造神は下界を改変するのに何か便利なモノがあれば採用すると言い三人に色々聞いていた。




