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復活した勇者の三人は自分の手足を確認したりして何で生きてるんだと不思議がりながらも創造神の身体機能のチェックを受けていた。
『あの天使様?この方は誰ですか?』
「その方は天界で一番偉くて超強い創造神様です、魔王に殺された三人を復活させてくれた神様だから皆感謝するように」
三人はビックリして創造神を見るとすぐに頭を下げて感謝の言葉を何度も言っていた、その後創造神は三人に上下セットの白いシャツとパンツを配り着替えたらこの部屋の向かいの部屋まで来るよう言いエルサを連れて出ていった。
「復活したって事はやっぱり俺達アルミナに殺されたって事だよな?」
『リサもヒロキもグッタリしていたからあまり覚えてないだろうが、私はふらふらだったが意識がハッキリある時に殺されたからな、とても嫌な気分だ』
『はぁ...私達はアルミナちゃんに騙されたんだね...馬鹿だなぁ..』
ヒロキ君は後ろに向いてそれぞれ着替えながら話していた、反省するのは良いが俺がミレイルとリサちゃんの着替えを見ている事に何も言わないのだろうか?
「とりあえず三人共、その辺の話し含めて創造神様とエルサ様と話し合う事になってるから着替えたら行くぞ」
着替え終わった三人を連れて部屋から出て向かいの部屋に入ると、白い丸いテーブルを囲むように三人が座れる程の大きさのソファーが四つ並んでいて創造神とエルサは別々に座っていた、三人に座るよう促しヒロキ君を挟んで三人一緒に座ったので俺は空いてるソファーの一つに座ることにする。
全員座ると創造神が三人の前に魔法陣を発現させて飲み物を出していた。
「三人を紹介させてもらいますね、創造神様から見て左からリサとヒロキで下界に召喚された勇者の二人です、こっちがミレイルで俺が勇者の力を託したエルフです」
「うむ...それでじゃ、まずはそうじゃな、そこの三人はなぜ魔王を檻の外に出したのか聞こうかの?」
紹介後すぐ俺が聞きたかった事を代わりに聞いてくれる創造神、三人は言いにくそうに魔王を檻から出してしまった理由を話し出した。
「そうか、三人は俺すら疑っていたのか」
「あーいやその..」
『...』
『ち違うんですニール様!あまりにも魔王が哀れに思えてその...あの...』
「まあ疑われても仕方ないがその疑念を魔王にも少しは向けてほしかったね、三人とも優しすぎだぞ」
『はい..』「すいませんでしたー!」『ごめんなさい..』
魔王をなぜ出したのか理由が分かり俺はスッキリした所で創造神が再び話し出した、復活させたが勇者として三人を魔王を倒す使命を与えるかどうか悩んでいると、そしてエルサの魔王調教に興味があるから悩んでいると、そんな創造神の話しに真っ先に噛み付いたのはミレイルだった。
『そんな勝手な!私の部族は数百年の間ずっと勇者様の助けとなるべく魔王を倒す為に頑張って来たのにそれはないでしょう!』
『ちょっと落ち着いてミレイル!』
創造神に掴み掛かる勢いで立ち上がるミレイルをリサちゃんが必死に押さえているがもし殴りかかったら止めるフリして俺も蹴ろうかな、頑張れ。
「落ち着けってミレイル、気持ちは分かるけどよ」
『落ち着いてられるか!何の為に我が部族は...クッ!..』
ミレイルは感情を抑えられずに泣き出してしまった、ミレイルの話を聞いていたからミレイル達の誇りある長い歴史が創造神の思い付きで終わるかもしれないのだ、激怒するのも分かる、ほんと創造神は酷いジジイだ。
「ミレイルだったかの、お前の部族の事も配慮しよう、もちろん三人にも配慮するがまずは落ち着いて話をせんか?」
『私からもお願いするわ、アルミナに殺されたあなた達には悪いけど私はあの子を死なせたくないの』
ミレイルが落ち着くまでしばらく待ってる間に聞いてみる、魔王は今野放しだけどどうするのかと。
『その事は創造神様がレミアにアルミナを捕まえて檻に閉じ込めておくよう言ってくれたみたいだから大丈夫よ』
俺が言うのもなんだがあの魔王はまた檻の中に閉じ込められるのかと思うと仕方ないと思う反面可哀想とも思えてしまう、哀れすぎるから早く殺して楽にしてやればいいのに。
その後ミレイルも落ち着き冷静に今後どうするか話し合われたがこの問題は魔王や勇者の話ではなく下界の全ての人に関わる問題なので結局最後は創造神が決めるしかないと言う話しになった。
「創造神様、どうするんですか?魔王を殺すのか殺さないのか、俺としてはミレイルに勇者の力を渡したばかりですから勇者として魔王を倒させたいんですが」
『ダメよ!それは私が阻止するわ!』
創造神は俺とエルサの言い合いを黙って聞いていたが何か閃いたのかテーブルを(バン!)と叩いて周囲を黙らせ話し出した。
「面倒じゃから下界を改変しようかの」




