B-18
『...何しに来た』
オッサンが喋ったのかと思うくらい低い声で喋り威嚇するように睨んでくる女神エルサ、物凄い神々しい威圧感が伝わって来て狂ったように叫んでた魔王アルミナも視線を落とし黙ってしまった。
「何しにって、勇者三人に魔王の姿を確認させとこうかと連れてきたんだ、本当は今すぐ殺したかったんだけどな」
『邪魔をするな!アルミナは殺させない!』
「邪魔ってお前...自分で何言ってるか分かってるのか?」
『うるさい!私の邪魔をするなら貴方でも許しませんよ!』 「!!!」
いきなり包丁で俺を突き刺しに飛んできたエルサ、とっさに後ろに飛んで右手に魔力の盾をつくり防御するがエルサは包丁が防がれるとすかさず俺に肉薄し右腕を掴んで地面に向かって投げ俺を押さえ込んだ。
「痛ってーなおい!何のつもりだお前!」
『いいですか!私の邪魔をするな!わかったか!』
「意味わかんねーよ!」
危ない薬でも飲んだのかってくらい目が血走り興奮しているエルサ、俺の自作魔法【自爆・改】で爆発して俺を押さえ込んでるエルサを弾き飛ばすがエルサは飛ばされながらも魔法で強烈な太い雷を撃ち込んで来て俺に直撃した。
「カッ..ハ..おい..いい加減にしろよてめぇ殺すぞこら」
意味の分からないエルサと久しぶりに感じるキツい痛みにキレそうになり、転移でエルサの頭上に移動しお返しとばかりにエルサが使った魔法と似た雷をイメージし放った、エルサは魔法の壁で防ごうとしたが魔法の壁が割れ直撃し悲鳴を上げ方膝をついた。
『何で!?何で防いだはずなのに当たるのよ!』
「そんなもん知るかゴミが!」
俺の魔法は防がれると思っていたがまさかの直撃でエルサはビックリして隙が出来た、当然この隙を逃すまいとすかさず転移で背後に移動しエルサの首に腕を回し締め上げた。
「意味わかんねー事言いやがってふざけんなよこの○が!」 『イギィ!』
締め上げて降参するか気絶させて大人しくさせようと思った瞬間俺の脇腹に激しい痛みが走ってエルサを離してしまい、自分の脇腹を見るとエルサの魔法で出来た剣が深々と左から右脇腹まで突き刺さっていた。
『あぁ!ごめんなさい!そこまでする気はなかったの!ごめんなさい!』
エルサは正気に戻ったのか、本当に刺し殺してしまったかもしれない自分の攻撃にオロオロしだし謝って来た。
「....」
俺はエルサに向けて両手を前に出し、魔力を集めだした。




