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(この不愉快な気分の時に呼び出すなよ空気の読めないジジイが)と思いながら魔法陣に入ろうとするとエルサが『待って!創造神様に伝えて!新しい種族が出来るかも知れないって!お願いね!』と言ってきた、エルサのやりたかった事はそれかと思いながら頷いて俺は魔法陣に入っていった。
鳥に案内され創造神様の実験室の前に着くと鳥は火の粉を散らすように姿を消していなくなった、とりあえず中に入ると中央の台に俺の元の体が横たわっていて頭や胸に手足と何か光の糸のようなモノが伸び魔法陣と繋がっていた。
「なんか不思議な気分だな、気持ち悪い」
自分の元の体なのに薄気味悪さを感じながら誰か来るのを待ってると創造神様だけが入って来た。
「お久しぶりですね創造神様、今日は何のようで?」
『久しいの、実はお前に大事な話が二つあっての、まず一つは魔王に手は出してはならん、それは勇者の役目じゃ、よいな?』
「ん?魔王?魔王なんか会ったことありませんよ?」
『このサンプル体が異常な反応をしたのでな、下界の様子を見てみたらお前、子供の悪魔と戦っていたであろう?あれが魔王じゃ』
創造神様の言葉が信じられず疑って「魔王なのに弱かった」と言うとあれは覚醒前の魔王だと言い関わるなと言ってきた。
「そんな事より創造神様?サンプル体が異常な反応とはどういう事ですかね?俺は魔王よりそっちが気になったんですが?」
実験体になると約束はしたが常時監視されてるような事は許可した覚えはないので問い詰めると言いにくそうに言い訳をし始めた創造神様。
『黙っていて悪いと思ったがの、改造後に異常が出るかもしれんじゃろ?安全の為にお前とサンプル体を連動させて観察しとったんじゃよ、他意は無い!』
「ほんとかよ気持ち悪い」『むっ?』
またつい何も考えずに思った事を口にしてしまい創造神様は例の虐待道具の木刀をチラ見させてきた、なんて卑怯なジジイだ。
「すみませんでした、しかし魔王に関しては俺よりエルサ様に言った方が良いですよ?俺に攻撃してまで魔王を守って可愛がっていましたし、なんか新たな種族が出来るかもしれないから創造神様に伝えといてくれってここに来る前に頼まれました」
『ほう、女神が魔王をのぅ、う~ん...まあこの話しはエルサとするかの、それでお前、覚醒前の魔王に何をされた?』
「目が赤く光ったと思ったら思考が鈍くなった感覚になり物凄く不愉快だったくらいですね、あと魔王が近付いて来てる時に何か体がムズムズしてとても嫌な感じでした」
『なるほど、恐らくお前の魂に同化させている悪魔の魂に働きかけていたんじゃろ、魔王が覚醒していたらお前、魔王の配下になっていたぞ?』
「あっぶねー、だから悪魔じゃないならいらないって言ったのかあの糞ガキ」
それから創造神様に安全の為に俺の魂を再度いじくり魔王が覚醒しても大丈夫なように強化してもらう事になった。
『それで二つ目じゃがな、お前の持つ勇者の力が邪魔でその体の本領が発揮出来ておらん、はやく誰かに託す事は出来んのかの?』
「そんな無茶言わないでくださいよ、それに一体俺の体をいじくって何するつもりなんですか?」
『レイニーの事があったからの、お前に協力してもらいデータを集めて完成したら全ての天使を強化するつもりじゃ』
「それはまたなんとも...」
ただの趣味かと思ったらしっかりした理由があり驚いた、それならば!と協力したいが勇者の力を託す相手は誰でもいい訳じゃない、俺の気持ちの問題だが。
そうしてあっ!と言う間に魂の強化を終えて下界に降り自分の家に帰ったのだった。




