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「俺は【暇】と言う敵にいつか殺されるかもしれない」
『どうした急に?』
とある日の朝、ギルドマスターであるリズミィが家に遊びに来て思わず呟いてしまった。
最近はここでの生活になれ精神的疲れも感じる事が無くなり体力が有り余っていて、心に余裕が出来たせいなのか時間が過ぎるのがもの凄く遅く感じていて、普通の暮らしってこんなに退屈なのか?と思うようになっているとリズミィに愚痴ってみた。
『ニールが求めている普通の暮らしって言うのがどういうモノなのか知らないけど、そんなに暇ならやはり冒険者になるか?』
「冒険者ねぇ、どうせすぐ階級は上がっていくし金も沢山手に入るだろうし、それはそれで普通じゃないしなぁ」
『ほ~言ってくれるじゃないか、ニールは強いらしいがそんなに自信があるのか?』
「まぁ、そこそこ?俺が本気になればこんな街吹き飛ばせるんじゃないか?本気になった事ないけど」
創造神様に改造され強化された天使と人の姿でまだ本気で戦った事が無いので分からないが、何だかいけそうな気がする。
『腕に自信がある奴はみんな似たような事言うな、私もそこそこ強いが一回軽くやってみるか?ギルマスになる前は冒険者だったんだ』
「...いや、止めとくよ、その綺麗な顔をグチャグチャにしてしまう」
『ニールくらいだぞ私にそんな事言ってくるのは、まあいい、なら朝からパーッと飲みに行くか!』
もう朝っぱらからとか明るい時間から飲むとか気にしなくなった俺はダメな大人だなと思うが仕方ない、暇なんだもの。
そうして昼過ぎまで飲み歩きリズミィと別れた後に街の広場で涼んでいると何やら頭の中に話しかけてくる懐かしい声が聴こえた。
(聴こえますか?私の声、聴こえますか?)
「これはまた不思議な..て言うかレミア様ですか?お久しぶりですね」
(レミア様?どうしたんですかその喋り方、かしこまっちゃって)
「あれ?聞いてないんですか?一応創造神様から下級天使の位と名前を頂きましてね、今は下級天使ニールと名乗っています、だから下の立場の者として話してるだけですよ」
(まぁ!それはおめでとうございます!ところでですね、少しお話と言うかお願いがあるんですが聞いてください)
「お断りします」
(ええ!なんで!?)
女神からの頼み事なんて絶対メンドクサイ事だろうと思い即答で断った。




