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B-6

 ダンジョンに入る神殿に近付いた頃、二人の勇者は後ろからついてくる一人の銀髪の胸の大きなエルフの女に気付いた。


「なぁ、なんか後ろからついて来てないか?」


『シッ!勘違いだったら恥ずかしいでしょ、さっさとダンジョンに入ろ』


「いやだって明らかに俺達を見て睨んできてるぞ」


 そのエルフは勇者二人を睨みながら左手は腰に差した剣の柄に置き右手は握りしめてついてきていた、二人は誰かに恨まれるような事をした覚えがなかったので元から目付きが悪いエルフだと思う事にした。


 神殿に入ってもやはりついてくるエルフ、階段を下りてもやはりついてくるエルフ、魔法陣に入ろうとするとやはり「おいアンタ何なんだよさっきから!」


 流石にいくら目付きが悪くても可愛いエルフでもダンジョン内について来られちゃ困るとヒロキはエルフに文句を言う。


『私はミレイル、勇者が召喚されたと聞いた時からこの街に来て、いずれ勇者が来るだろうと思いずっと待っていたんだ、なのに何だお前達は!なぜそんなに弱いんだ!』


 ミレイルと名乗ったエルフ、なぜ自分達が勇者だと分かりレベルも低い事が分かるのか、すぐこのエルフも鑑定のスキル持ちだと判断して敵かもしれないと飛び離れて剣を抜き盾を構える勇者二人、ミレイルは腰から剣を外し鞘が抜けないよう紐で縛るとどっからでもかかって来いとでも言いたげにクイクイと指を動かした。


「くそっ舐めやがって!怪我しても知らねーぞ!敵じゃないなら引けよ!」


『お前達の攻撃じゃかすりもしないさ』


『くっ...オラァ!』


 攻撃したくないと思いながらもヒロキは敵かも知れないエルフに遠距離攻撃をしようと雷魔法を剣に付与し、剣の切っ先をエルフに向けて振り稲妻のような攻撃を放つ、エルフは素早く横に飛び回避するが避けた場所にリサが追撃の斬撃を食らわせようと飛び込んで来ていて剣を振りかぶっていた。


 『フン!』っとリサが剣を振り下ろそうとしたが素早く立ち上がったエルフはリサに近付き振り下ろそうしてた右腕を下から左手で止めて右手に持った武器をリサの喉元目掛けて突いた。


『ヴゥッッ!』と苦しそうに剣から手を離し喉を押さえて倒れるリサをエルフは追い討ちのように頭を蹴り上げリサは気絶した。


「おいリサ!大丈夫か!おい!クソ!」


 ヒロキはリサが剣を振り下ろそうとしてる時に転移でエルフの後ろに移動していて、リサの攻撃を受け止めるか避けた所で飛び込もうとしてたが作戦は失敗した。


『お前達の強さは大体わかったが、やはり弱い、本当に勇者なのか?』


「くそ!何なんだよお前は!俺達に何の恨みがあるんだよ!」


『...剣を納めろ、話をしよう』


 エルフのミレイルはそう言うと気絶しているリサに近付いていき腰に下げた小さなポーチから瓶に入った回復薬を取り出しリサの喉元に振りかけた。


『この子が気付いたらお前達が泊まってる宿の側にある店に来い、待ってるぞ』


 そう言い残しエルフは扉を開け階段を上がって行った。

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