B-1
下級天使ニールとのお茶会が終えた頃、城の一角にある建物、兵士の鍛練所で勇者ヒロキは兵士の一人と木剣を使って模擬戦をしていた。
いつもなら人形を使って正確に急所を突いたり斬り当てる訓練をしているのだが、一目惚れした女神レミアを探してまた会いたいと、修行の旅でレベルも上げながら強くなった姿も見てもらおうと考え兵士に模擬戦を頼んだのだ。
『ダァッ! ハッ! オォ~~ラァー!』
動いてる鎧を着た相手の急所を狙う難しさに加え相手も当然攻撃してくるから初期ステータスが高くてもなかなか兵士を降参させる事が出来なかった。
『ハァ ハァ ハァ ハァ やっぱり経験不足だよなこれって、頭では上手く立ち回れる自信があったんだけどさぁ』
「勇者様ならレベルが上がれば力で押し切る事は出来ますが、経験豊富な実力者も魔物や盗賊の死に物狂いの攻撃で命を落とす事はありますから気を付けてください、まずは相手の動きを見て攻撃をし、攻撃した後も相手の動きを注視するようにしてください」
兵士の言葉を頭に刻みながら休憩していると王女と勇者リサが現れた。
『あの天使はどうした?』
「もう帰ったよ」
『なんか嬉しそうだな、何かあったのか?』
「転移魔法のコツを聞いてさ!もう使えるようになっちゃった!」
『な!何で俺がいない時にそんな大事な事聞いてんだよ!ズルいぞ!』
「あんたが部屋から勝手に飛び出して行ったんでしょ、そんな落ち着きが無いから大事な話も聞き逃す事になるのよ」
『大丈夫ですよ勇者様!天使様はヒロキ様にも教えてあげてほしいと言っていましたから!』
「あ~言っちゃった、もう少しこの馬鹿をからかいたかったのに!」
『あら、そうでしたの?それはごめんなさい(クスクス)』
ヒロキはあの天使が自分がいない時にも気にかけてくれていたのが少し嬉しく思った、ニール自身は単純に早く帰りたいからリサに頼んだだけなのだが。
『それではおバカなヒロキ君にこの私が今から転移魔法のコツを教えてあげましょう』
そうしてコツを教わったヒロキも転移魔法を使えるようになり、修行の旅が楽になると言ってたニールに感謝しながら王女と夕食を共にした。
夜、自室でボーッと星を見ながら今日あった事を思い返していた王女、色々と驚くことばかりで疲れたが父も私も皆の不安が晴れ、最後は楽しい気分で夜を迎えれた事に神に感謝した。
『興奮しすぎて天使様の手をおもわず握ってしまったけど、嫌な思いされなかったかな?』
自分の手を見つめ、特に嫌がられてるような感じはしなかったから大丈夫かなと思う王女。
『はぁ...今夜も眠れませんね』
そう呟き王女は寝室に入って行った。




