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姫さんは興奮しすぎて喉が渇いたのか、ようやくメイドに紅茶を持ってきてもらい皆一息ついた。
『天使様に聞きたかったんですが、一瞬で消えたと王女様から聞いたんですが転移魔法ですか?』
「ええ、転移魔法です、勇者なら使えるようになるでしょ?」
『コツを教えて貰えませんか?イメージは出来ても私もヒロキも使えないんです』
「コツねぇ...行った事のある場所しか転移できないけど、魔力を繋ぐイメージかな?」
『魔力を繋ぐ?』
「例えば俺は今あそこに在るソファーの上に自分の魔力の粕、霧みたいなモノが漂ってるとイメージしている、そしてここから自分の魔力がソコに繋がるイメージをしてソファーの上に移動するつもりで魔法を使えば」 「転移出来ると、ただイメージするだけじゃダメみたいなんだよね」
『おおー!パチパチパチ』
目の前で分かりやすく説明して実演すると姫さんが拍手してくれる、そして何やらブツブツ考えだしたリサちゃん
『イメージ....イメージ...繋ぐ.....転移!』
パッと部屋からいなくなったリサちゃん、魔力の流れが壁に向かってたからかなり焦ったがすぐ隣の部屋から『やった!出来た!』と大喜びで出てきた、どうやら隣の部屋に転移したようだ。
『あの...勇者様?なぜ私の寝室から出てきたのです?』
『.....事故かしら?おかしいなぁ廊下に転移したつもりなんですけど』
『...』
俺は何も見なかった事にして注意事項を教える、安全な転移場所を決めとかないと人とぶつかるか最悪合体して死ぬぞと。
「これで魔力も見えるようになれば敵が転移で逃げても魔力の流れでどっちに逃げたか分かるようになるから頑張ってくれ、ヒロキ君にも後で教えてやってほしい、修行の旅が楽になる」
『はい!ありがとうございました!』
上機嫌でニコニコしているが君は姫さんの信用を失ったかもしれない事を危惧しろと言いたい。
「さて、俺はそろそろ帰るよ」
『天使様は今どちらに住んでるんですか?また、会えますか?』
『ダーラント王国の街に住んでますよ、普段は普通の人間として生活してますから出来れば騒ぎにしないでほしい」
『人間として?人に姿を変えれるんですか!』
「ええ、この姿じゃ騒ぎになるし生活出来ませんから」
『そんな事喋って良いんですか?誰かに狙われたりとかしたら』
「危害を加えようとする人間は殺していいと創造神様から許可を貰ってるし、それにリサちゃんと姫さまが喋らなければ誰も知らないから大丈夫大丈夫」
『わかりました、今日はありがとうございました』
『天使様!またいつか!』
ようやくするべき事が全て終わり、自分の家に転移して帰り今日はよく喋ったのと気疲れでまだ日暮れだったがすぐ寝る事にした。




