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姫さんの自室に案内された部屋はなんとも女の子らしい色合いの壁紙や家具で統一されていて、さすが金持の娘だなと思っているとバルコニー近くのテーブルに案内され席に着いた。
馴れた様子でいつも座ってる場所なのか勇者二人は席に着き、俺は姫さんの隣に座った。
『しっかし驚いたよなぁレミアちゃんの他にも神様がいたとか、俺達が天界?にいた時は他に誰もいなかったもんな』
『建物はあったけど誰かいる気配なかったもんね』
『それで天使様はいつこの世界に来たのですか?私と出逢った日ですか?』
席に着くやすぐ話し出した三人、茶はどうした?
「いや、姫さまと会う三日四日前だったと思う、場所は正確には覚えてないな何処かの森の中だったとしか」
『俺達は教会の奥の部屋だったな、それよりだ!もういいだろ?あの事聞いていいだろ!?』
ヒロキ君はまたレミアの事を聞きたいのか邪魔されないように姫さんやリサちゃんに確認している、あの後どうなったとか、レミアちゃんと何を話したとか。
「普通に話して攻撃しただけだが?全力で自爆したのに無傷だったな!フフフフ」
今思うと魔神と呼ばれた女神のエルサに勝って自惚れてたなと思い笑ってしまう、力の大半は奪われてたとエルサは言っていたのに。
『え...じ..自爆?』
『攻撃って!相手は神様でも女の子だぞ!』
「だからどうした?お前は盗賊に女がいたらそいつだけ逃がすのか?兵士でもそんな事しないだろ」
『いや..でもレミアちゃんは盗賊じゃない!』
「例え話だよ、こっちにはこっちの事情があって揉めてたんだ、今はもうなんの遺恨もないしお互い許しあったから、今更こんな話しても仕方ない」
『もういいでしょヒロキ?部外者が口出しする事じゃないよ』
『..わかったよ』
納得したのかしてないのか、レミアの事が好きだから怒りたい気持ちはわからなくもないがちょっと鬱陶しいなと思う。
『それで天使様!レミア様はどんな方なんですか?勇者様達からは少し聞いたのですが私気になって!教えてください!』
『私も知りたいな、どんな女神様なのか』
姫さんもリサちゃんも知りたがるが、お気に入りの勇者に執着したあげく人に呪いをかけて殺すようなクズとは言えないわけで、適当に答える事にする。
「まあ顔は可愛いな、あと他の長身の天使が言ってたが他の女神と違って真面目で騒がしくないから良いと好かれてたから根は悪い女神様ではないんでしょう」
『ええ!他にも女神様がいるんですか?』
『...』
好奇心全開でこちらに身を乗り出す姫さんと、黙ってるが興味津々のヒロキ君
「俺は見たことないですけどね、上級天使の女ならチラホラみかけたけど他の女神様は世界の監視とやらで忙しいので出てこなかったのでしょう」
『じゃあ勇者様が話してるレミア様もこの世界を監視、見ているのでしょうか?』
「どうやって監視しているのか知りませんが見ているんじゃないですか?まぁその内会えるでしょ」
『え?』『は?』『?』
「ん?」
『会えるって、俺達が天界に行ったらって事だろ?』
「いや、女神レミア様は直接監視するば...使命を創造神様から言い付けられたからこの世界に居るぞ?」
『...よし、俺は今すぐ訓練して魔王を倒せるよう強くなり修行の旅に出る!』
姫さんとリサちゃんが固まってる中いちはやく起動してヤル気になって部屋から飛び出して行ったヒロキ君、頑張れ若者。




