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警備の兵士以外は眠りにつくだろう静かな夜、城下町を眺めて一人王女は思い悩む、国王でもある父や教会も、勇者召喚魔法陣が神自ら破壊した事を世間に発表するかどうか悩み、国や教会が神に逆らうような何かをしたんじゃないかと国民に疑われ争いが起き最悪他国から攻められ戦争になるかもしれないと憂慮していた。
王女がそんな無意味な悩みで苦悩している時に男に声をかけられ酷く驚いた王女、見るとそれは赤い鎧を着けた天使だった、勇者達が赤い鎧の天使の事を話していたのを思い出し、もしかして神の使いなのではと聞いてみるとそうだと答えた。
目の前に突然神の使いである天使が現れた驚きと緊張で頭が真っ白になる王女、赤い鎧の天使に伝言を頼まれ、帰ろうとする天使にこの世界は神に見放されたのか聞こうと呼び止めるが消えてしまった。
『王女様!!』
メイドが王女を守ろうと呼んだ衛兵達が現れ辺りを警戒しながら近付いてくる、衛兵が来なければ話を聞いてくれたかもしれないと思いつい睨んでしまったが、彼等は自分を守ろうと来てくれたのだ、まだ会えるチャンスはあると心を落ち着かせ衛兵に謝罪する。
「ごめんなさい、私を守ろうとしてくれて来てくれたのに」
『いえ、謝らないでください、それより何かあったのですか?』
「神の使いが現れました、至急父に報告してください」
急いで王に報告に向かおうとする衛兵の一人を呼び止め、二人の勇者が起きていたらここに連れてきてくれと頼む王女、部屋に入り椅子に座り今だ胸が高鳴るなか初めて見る天使の姿を思い出し王女は興奮していた。
夜中の騒ぎであったため王女の部屋に集まった王と二人の勇者、王女は神の使いである天使の伝言を伝える。
『他にも赤い鎧の天使はいるかもしれないけど、レミアちゃんと話してたあの赤い鎧の天使かなぁ?』
『そうだといいんだけどね、知らない天使が会いに来るよりは』
『でも何で一週間後の昼に街の外なんだ?それがわかんねー』
『あんたあの天使に文句言ってたから殺しに来たんじゃない』
『...』
そんな二人の勇者の会話を聞き国王は一週間後に再び現れる天使をどうにか城に招待出来ないか頼んでいる、教会の重鎮を同席させて神の使いである天使に話が聞きたいと。
「私が勇者様達に同行して天使様をお迎えします、父が行っても警戒されるかもしれませんし」
『むぅ...しかし国王自ら出迎えた方が失礼にはならんだろう?』
「王が街の外で護衛の兵士を従えて待っていたら何事かと騒ぎになりますよ?私に行かせてください!」
『....わかった、任せよう。』
国王は一週間後の会談に向けて準備をすると言い部屋から出ていき、二人の勇者も自分達も話しが出来るよう協力すると言い自室に帰り、王女は今夜は眠れそうにないなと思いながら寝室に入って行った。




