12
監禁室から出され、創造神の実験室に連れていかれると監禁室に閉じ込められてる間に改造の準備を済ませたのか、ニコニコしながらイラつく顔で創造神は待っていた。
『何か最後に言い残す事はないかの?』
「冗談でも笑えませんよそれ」
何処かで誰かが死ぬ前に言われたセリフを言われ、監禁室で痛くてあまり眠れなかったストレスで不機嫌な頭の中で創造神を蹴り飛ばしてる妄想をしながら何かの薬を飲まされ眠りについた。
目が覚めると体のサイズに合った箱の中に寝かされていて、両隣にはエルサとレミアも箱の中に入っていて周りには花が咲き乱れていた。
「本気なのか冗談なのか...これは棺桶ってやつじゃないだろうか?」
『何を言うか失礼な、ワシなりの新世代天使の歓迎の飾りじゃ』
「...」
やはりこの創造神様は頭がイカれてると思い考える事を止めた、一通り人間に変身する為の魔力の使い方や動きのテストをした後いよいよ異世界に行く時が来た。
『下級天使レイニーの事があったからの、人間に危害を加えられそうなら殺してもよいが何の罪もない者を殺すのは禁ずる、わかったな?』
『『はい』』
エルサとレミアはお爺ちゃんに何度も注意事項を聞かされ送り出される孫のように『しつこい!』と言いたげな顔で下界に転移して行った。
「それで創造神様?神の使いって具体的に何をやるんですか?」
『下界にいる勇者が使命を果たしたら天界まで送り届けてほしい、それだけじゃ』
「え?マジで?」
創造神から何か[人の争いを治めろ]とか[魔王討伐に勇者に協力しろ]とか[天使として人の為に働け!]とか面倒な事を言われると思っていたが簡単なお使いで素が出る灰色天使、創造神はレミアの私的な勇者召喚だったが数十年と働き使命を果たしたから何も使命は与えない、好きに人として生きてみよと灰色天使に告げる。
『それとじゃな..人として、天使として下界に下りる汝に新たな名前を授ける、これからはニール、下級天使ニールと名乗るがよい!』
「ありがとうございます、創造神様」
灰色天使改め下級天使ニール、今までは魂が混ざった存在だったから個人を主張する自分の名前を名乗らなかったが、これからは個人として生きると決めて創造神に名付けを頼んでいた、下級天使レイニーの名前の一部を受け継いで。
『それではまた用件が出来たら呼び出すからの』
創造神に送り出され、下級天使ニールは新たな異世界に旅立った。




