表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/91

10

 尋問が終わってから3日、監禁室が並ぶ一室でレミアは椅子に座りただ終りの時が来るのを震えて待っていた、何度も気持ちを引き締め覚悟を決め震えを止めようとするがまたすぐ震えだす体に女神である自分がこんなにも臆病だったのかと情けなく何度涙を流しただろうか。


『ごめんなさい...レイニー...マサキ・キンヤさん、こんなにも臆病な私の為に貴方達は...そして灰色の天使さん...』


 何度目かの懺悔の言葉を呟くと監禁室の扉が開く、ついに終りの時が来たと胸が更に苦しくなり呼吸が浅くなる、(嫌だ..死にたくない)と繰り返す心の声が漏れそうになり叫びたかった。


 エルサと共に監禁室から出され、上級天使に連れられ自分の最期を迎える場所に辿り着くとそこには創造神様と二人の長身天使に翼の先が黒い灰色の翼の天使ソックリな天使がいた。


「久しぶりだなエルサ、それに糞女神」


『あれ?何で貴方生きてるの?』

『...』


『それはワシから説明しよう、この者は確かにレミアの呪詛で死んだ、しかし見覚えのない天使に興味を持ったワシがすぐに魂と体を回収し改造し新たな肉体に魂を移して蘇らしたのじゃ、そして事情を先に聞いていたからお主らの尋問も早く終わったのじゃ』


『そうですか...でも良かったです、私のせいで死なせてしまったけど貴方だけでも生きて私の最期に立ち会って貰えて...本当にごめんなさい...ごめんなさい...』


「お前の死刑..存在の抹消か、それ無しになったから、あとエルサの罰も」


『は?』『え?』


 エルサは哀しげな顔で泣いてるレミアの肩に手を置き慰めていたがありえない灰色天使の言葉に幻聴が聴こえたのかと思っていた、それはレミアも同じである。


『これもワシから説明しよう、罰が消えた訳では無く違う罰に変わっただけじゃ、まずお主ら二人はその身を進化させ罰が終わるまで天界から追放、下界で直接世界を監視する罰を与える』


『ちょちょっと待ってください創造神様、え?なに?どういう事?進化って何?えやだ怖い』


 軽くパニックになってるエルサに創造神は灰色天使を地球に帰せなくなった訳を話しその再提案した内容を順を追って説明する


【神の使いとして下界で自由に生活する代わりに地球にいる身内を優遇する】


【創造神の力の一つを使えるようにし、地球の物を異世界の素材で再現する能力を与える】


【自身の勇者の力を他人に譲渡出来るようにする】


【肉体の強化と人間に姿を変身出来るように改造する】


【元の体であるサンプルの権利を放棄、創造神に譲渡する代わりに二つの願いを叶える】


【サンプルの改造で有用なモノが出来た時は無償で体を提供し実験体になる事】


『これらの提案をコヤツに受け入れてもらい一つ目の願いでお主らの罰を変え、二つ目の願いでお主らも肉体の強化と人間に変身出来るように改造する事になったのじゃ』


『『....』』


 レミアは何故灰色天使がそんな創造神の実験のオモチャになるような内容を受け入れてまで自分の死の運命から助けてくれるのか理解出来なかった、同時に心に押し寄せる死の恐怖から逃れた安心感と例えようのない気持ちが溢れ咽び泣いた。


『ワシも下級天使レイニーには悪いと思ったがの、我が子に手をかけ魔物や悪魔と掛け合わせるような実験は今まで出来なんだから今回お主らの争いでコヤツの遺体が手に入って正直血が騒いでの、その礼ではないがどうにか他の天使達が納得出来る形でレミアを死なす事だけは割けたかったからコヤツにはワシも感謝しとるよ、ありがとう』


 創造神が灰色天使に感謝の意を示し頭を下げる、それに続き長身天使の二人も目に涙を滲ませ軽く頭を下げた、死なずに済んだだけで罰は受けるのだから感謝されても困ると言いたげな苦笑いで照れる灰色天使。


「はいはいそういうのいいから!もうこれでおしまいでいいですか?ならケジメとして俺が二人の指輪を取りますよ?」


『おうお前が取ってやれ!』

『それがいい』

『うむ、そうじゃな、今回の騒動はこれで終いじゃ』


 長身天使二人と創造神も納得し二人の女神に歩み寄る、エルサは降格されて300年も幽閉されるよりマシだと喜んでいる。


『ありがとう、私は下界でやりたい事があったから本当に嬉しいわ!』


「はいはい、目標があって良かったね」


 エルサの指輪を取りやりたい事を聞いて見ると魔神と呼ばれてた異世界ではする事がないから魔物や悪魔を調教し知恵をつけて言うことを聞くのか実験してたみたいで次は女神の力を奪われてないから再度実験したいらしい、そしてレミアに歩み寄る。


『あの...あの時はどうしていいかわからなくて...焦って..呪いをかけてしまってごめんなさい..本当にごめんなさい』


「...俺があの時言った事覚えてるか?」


『あの時?....絶対に許さないって言ってた事ですか?』


「ンフフー よく覚えてたね偉いぞぉ~オラァーーーー!!!」


 俺はレミアを全身全霊でぶん殴った (人の恨みは簡単には消えないのだよ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ