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A-2

 尋問当日レミアとエルサは創造神が個人使用している庭に呼び出され切り株の椅子に座っていた、本来なら尋問室で話をしお仕置きを受けるのだがいつもと違う対応に戸惑っていた。


「まずはレミアよ、指輪を盗み出した件はワシの管理の甘さが原因じゃから何も言わん、エルサもよいな?」


『『はい』』


「それでじゃ、二人に詳しく話を聞こうと思っておったが予定が変わっての、ワシが聞きたい事だけ答えよ」


 いつもならお仕置きが楽しみなのかニコニコしながら話をする創造神様が今日は悲しそうな表情で見つめてくる、レミアはその落差が逆に怖くて小刻みに震えていた。


「レミアよ、レイニーが下界に下りた理由を知っているかの?」


『私があの世界の監視を一時的に任せてしまいました...』


「ほう、一時的にか、それはなぜじゃ?」


『...エルサをあの世界に閉じ込めていたから見たくなくて..』


「なるほどの、それじゃあエルサに指輪を着けさせて何をするつもりじゃった?」


『...エルサが管理していた世界を放置しすぎていたから、創造神様に黙っててやるから争いを終わらせようと..お、脅すつもりでした』


 レミアは自分を殺すつもりはなかったんだと分かり、後で勇者に手を出した事を素直に謝ろうと思っていたエルサだがこの後のお仕置きでどうなるか不安で一杯だった。


「最後に、どうして使命を果たした者も監禁室に転移するよう設定していたのじゃ?」


『私的に勇者召喚を行ったので直接謝罪し、誰にも見られず元の世界に帰すつもりで監禁室に...』


「なるほどの...聞きたい事は以上じゃ、二人に罰を与える」


 レミアは創造神様があの天使を呪詛でなぜ殺したのかを聞いてこないのを疑問に思ったが、バレてなかったのだと思う事にした。


「女神レミアよ、汝は存在を抹消する」『えっ!!!』


「女神エルサよ、汝は下級天使に降格、300年間監禁室に幽閉とする」 『そんな...』


 レミアはまさかの死刑判決に恐怖が膨れ上がり嘔吐を繰り返し泣き出した、エルサもまさかレミアが死刑になると思っていなかったが、自身もキツすぎる罰に絶望の表情を浮かべていた。


「レミアよ、お前の厳罰の理由は身勝手な理由で巻き込んだ二人の勇者と下級天使を結果として死なせてしまったからじゃ」


『え?うそ..そんな...二人の勇者?』


「一人はお前が勇者召喚で呼び出し勇者の力を授けたマサキ・キンヤと言う者、そしてもう一人勇者召喚に巻き込まれた者がいたのじゃ、下界の悪魔合体の実験でそのもう一人の地球人を下級天使レイニーが命をかけて護った結果人から天使に似た姿になってしまったみたいでの、あの灰色の翼の天使がそうじゃ、その実験で勇者とレイニーは死に、生き残り勇者の代わりに使命を果たした天使をお前は呪詛をかけて殺したな?そしてそれを進言せず隠した、それが厳罰の理由じゃ」


 エルサはなぜあの灰色の翼の天使から天界の天使と似た力を感じたのか理由が分かると同時に自分達の争いがとんでもない事態を引き起こしていた事に驚き自分に下された罰は軽い方だと納得した。


 一方レミアは女神でありながら自ら犯した数々の過ちに深い後悔と死なせてしまった者達に懺悔しながら存在の抹消を受け入れ潔く死ぬ覚悟を決めたのだった。

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