初デート?
「案外難しいなぁ」
なんとか言いくるめることの出来た有樹から、手芸を教わると言う口実で会う約束を引き出せはしたものの、どこで会うかが問題だった。
教わるという前提なのだから、道具一式を持って行く必要があるし、それを広げて作業できるスペースも必要になる。
飲食店は汚す危険があるし、話す事を考えると図書館もむかない。ネットカフェの環境は悪くないが、タバコの匂いが作るものに移っては困る。
といった具合に消去法で消していくと場所がなくなってしまう。簡単で確実なのは自分の部屋だが、実家にせよマンションにせよ、有樹はまだ遊木の家に招かれるのを嫌がるに違いない。
どうしたものか悩んだ末、その辺りは有樹の方がいい案を持っているかもしれない、と話題をふってみる事にした。元々手芸は彼女の得意分野だ。自分では思い付かない場所を知っているかもしれない。
それに、せっかく日曜日に会ってもらえる事になったのに、場所が決まらないのでは話にならない。
そう考えた遊木はさっそくとばかりに、スマホを取り出すとメールを打ち始める。あの騒動の後、改めて交換した有樹の連絡先はスマートフォンのアドレスだった。最初に連絡があったのはフリーメールのアドレスだったので、これも小さな進歩かもしれない。
そんな些細な事に喜びながら書き上げたメールだが、それを読んだ有樹は、確かに手芸前提で会うのっての難しいんだよね、と思っただけだ。
場所、案外難しいんですよね。やっぱり汚れるとか、においがつくとか気になりますし。
公民館とかの部屋を借りるか、カラオケボックス、あんまり暑くなければ公園とかどうでしょう?
コーヒーチェーンも大丈夫かと。外した時間に入って広めの席を取ってしまえば、飲み物くらいならそれほど心配ないですし。
メールに気づいた有樹がそう返信する。
有樹自身、外出先で手芸を広げる機会など限られているが、行動半径の中から大丈夫そうな場所を探すとそんなところだ。
後は遊木が何か考えるだろう、と丸投げの気分で返事をした結果……。
そっか、そういう場所でもいいんだね。確かに飲み物くらいなら大丈夫か。
佐久間さんの返事読んで思いついたんだけど、俺のよく行く喫茶店がさ、程よく空いてて長居できそうだからそこはどうだろう?
適度に静かだし、頼めば広い席使わせてもらえると思う。佐久間さんには自分の趣味のもの持ってきて、時間潰してもらうようで悪いけどいいかな?
申し訳なさそうな結びに有樹は小さく笑う。教える以上、待ちの時間が出るのは織り込み済みなのだが、遊木はそれに気がひけるらしい。
場所は了解しました。
私も何か作りかけのキットを持っていく事にしますから心配いりませんよ。
どんなお店なのか、楽しみにしてます。
何気なく返信してから、メールが素っ気なくて怖い、とよく言われるのを思い出した。絵文字や顔文字でも入れればいいのかもしれないが、今ひとつそういうものを使うのにも違和感がある。
そもそも、文字のやりとりなのだから、文字で用件が伝わればかまわない気がするのだ。
ま、遊木さんのメールも文字だけだったしかまわない、っかな。嫌ならそう言うだろうしね。
頭の片隅をかすめた心配を忘れる事にして、有樹は目の前の事に意識を戻す。
……そういえば、これ持って行ったら遊木さんはどんな顔するんだろ?
作りかけのキットを見つめて有樹がおかしそうに笑う。
半ば無理やりさせられた日曜の約束がなんとなく楽しみになってきた。
――――――――
日曜日、店の最寄駅で待ち合わせた二人はそれぞれかさばる荷物を持っていた。お互い裁縫道具を担いで来たのだからかさばるのも当然である。
駅から徒歩で約二十分、たどり着いたその店は、大きな公園の一角に店を構えていた。
木々に囲まれ、都心にあるとは思えない静かな空気の中にあるログハウスである。
「……こんな店、あるんですね」
公園を散策するための遊歩道からそれ、管理のためだけに作られたような細い脇道に入ってしばらく行ったところにあるのだ。看板も出ておらず、遊歩道からはこんな建物がある事すらわからない。本当に知っている人間しか来ないような場所である。
「静かで居心地いいけど、なんでこんな商売にむかないところに店出したんだかは謎」
ぽかんとしている有樹に説明する遊木は楽しそうに笑っている。
「さ、入ろう。今日だったらテラス席も気持ちいいかもしれないね」
陽射しの強い季節になってきたが、この店はまわりを木々や竹林に囲まれている。ほどよい風がある今日のような日に、影の落ちたテラスはさぞかし気持ちいいだろう。
「あ、でも日焼けが気になるかな?」
「フェルトや刺繍糸は直射日光に当てすぎると色褪せしますからねぇ。でも、それだけ注意しておけば問題ないと思いますよ」
有樹を気にして尋ねたはずが、キットの材料を心配しての返事をよこされ、遊木が小さく笑う。
「俺、佐久間さんが日焼け気になるかな、と思ったんだけど?」
「まぁ、直射日光でなければ問題ないかと。私の場合、急激に焼けると皮膚炎になる時もありますけど、日焼け止めは持ってきてますから。必要そうなら塗り直しますし?」
現実的な対応策を答えた後、この環境でテラス席使わないとかもったいなさすぎですよね、といくらか弾んだ声が続く。
「そっか。じゃ、テラス狙おうか。――あ、階段気をつけて」
少し滑りやすい階段に足をかけたところで遊木はふりかえり、有樹に手をさし出した。ごく自然な動作に有樹もそのまま片手を預けて階段を上がり始める。
って、エスコート慣れしてるなぁ。やっぱ、生活のレベルが違う予感がする。
わずか数段のそれを登り切る間に、有樹はそんな事を思う。こんな風に扱われたら誰でもうぬぼれたくなるんだろう、と思うが、そう冷静に分析してしまうあたり、発想がそもそも恋愛にむいてないと言える。
ドアを開けて店内に入ると、落ち着いた雰囲気の内装が目に入り、コーヒーの香ばしい香りが鼻腔をくすぐった。案の定というべきか、他の客の姿はない。
カウンターの中にいるマスターらしき男性が、気配を感じ取って顔を上げる。
「こんにちは。テラスの大きなテーブル、いい?」
「いいですよ。……珍しいですね、お連れさんですか?」
「うん。ちょっと長居させてもらう。俺はいつもので。メニュー借りるよ」
余程馴染みの店なのか、軽く言葉を交わすと勝手にメニューを取り上げ、有樹へさし出した。
「ここ、コーヒーも他の飲み物もおいしいよ。どれにする?」
さし出されたメニューを受け取った有樹は、コーヒーと紅茶のメニューが豊富な事に驚く。どちらかに特化した店はよく見かけるが、両方とも力を入れているというのは珍しい。特に紅茶を主に扱う店では、コーヒーの香りが強すぎて紅茶の香りを消してしまう、と置きたがらない所が多いのだ。
「……どれもおいしそう……」
つい目移りして決められない有樹の言葉に、遊木が口元をゆるませる。確かにここの飲み物はどれもおいしいし、彼とてこの店を見つけたばかりの頃は、毎回何を頼むかずいぶん頭を悩ませたものである。
真剣にメニューを見つめていた有樹だったが、しばらくすると有樹がいくぶん困った様子で遊木を見上げた。
「決められない?」
「……だって、どれもおいしそうなんですもん。この香りだけでどれ頼んでも絶対おいしいってわかるから、一つ選ぶとか難しすぎです」
本気で困っているとわかる言葉に、カウンターの中でマスターが小さく笑う。
「そう悩まなくとも、長くいてくれるのならおかわりしてくれるんでしょう? 二~三種類は飲めるんじゃ?」
「そういう事。……でも、悩む気持ちもわかるかな。悩んでるのどれ? その中からマスターにお勧め選んでもらったら?」
「カフェオレとロイヤルミルクティとカフェモカで」
「それなら一杯目はロイヤルミルクティがお勧めですね」
「じゃ、それをお願いします」
マスターの言葉に注文を決めた有樹からメニューを受け取り、元の場所に戻してから二人はテラスにむかう。
テラス席には帆布製の大きなシェードがつけられ、席周辺に丁度いい影を落としていた。三席作られている中で一番大きなテーブルを選び遊木が荷物を置く。
テラスだというのに座り心地のよさそうなしっかりした椅子が置かれているのを見て、有樹は少し驚く。大抵テラス席だと木製の硬い椅子が多いのだが、ここの椅子は本当にテラスに出しておいて平気なのか少し心配になるような、ほどよくクッションのきいた、長時間くつろぐのに適した椅子だ。
「このテラス、今は片付けてあるけどまわりを囲ってサンルームにもなる作りなんだよ。営業時間外と雨の時、冬は囲っておくから室内と変わらない家具を置いてあるんだ」
なんとも贅沢な作りを説明され、有樹が目をまたたく。こんな商売っ気のない立地なのに、そこまで金をかけて平気なのか聞きたくなって来る。
「ま、この店自体マスターの趣味みたいなものだからね。採算割れさえしなければ利益が出なくてもいいんだって」
「……はぁ」
「ま、とりあえず座って?」
六人は座れる広いテーブル席で既に自分の居場所を定めた遊木にうながされ、少し考えてから有樹は隣の椅子を少し反対によせてから腰を下ろした。
「……予想外の場所選んだね?」
有樹の行動に驚いたのか、今度は遊木が目をまたたく。
「だって、縫い方とか説明するには近い方が便利ですよね? このサイズのテーブルで向かい合わせじゃ、やりにくい事この上ないかと」
「あぁ、そう言われれば確かにそうか。――期待させないで欲しいなぁ」
言われてみればもっともな説明に遊木がぼやく。けれど、それは本当に小さなつぶやきだったので、有樹には何を言ったのかまではわからなかった。
「それで、わからなかったところ、というのは?」
「あぁ、うん。ちょっと待って、今出す」
気にはなったが、こういう時は尋ねても答えがないのが常だ。あえて問う事もなく、有樹が今日の目的に話題を移す。言われた遊木は話題が流れたのを幸い、鞄から作りかけのキットと有樹に買いそろえてもらった裁縫道具を取り出す。
そして有樹にさし出したのは、縫いかけのパーツである。
「綺麗にできていると思いますけど?」
受け取った有樹は、まったく針を使った事がない、と言っていた割にはそろった針目でかがられた、苺になるのだろうフェルトを丁寧に確かめた後、そう言った。
「それならいいんだけど……。なんか、佐久間さんが作ったのとちょっと雰囲気違わない?」
どこがどう違う、とまでは説明できないらしい遊木の言葉に軽く首をかしげたが、すぐに何が違うのか思い当たった。
「あぁ、なるほど」
気付けば単純な事だが、これは確かに手芸未経験の遊木には説明できないだろう。
「ええとですね」
けれど、口で言ってもわかりにくい話だ。有樹は渡されたパーツをテーブルに置くと、自分の鞄から作りかけのキットを取り出し、似たようなパーツを取り出す。遊木の作ったものと自分で作ったもの、両方を手のひらにのせ、遊木の目の前にさし出す。
「見比べてみてください。何が違うか、わかりますか?」
「……なんか、佐久間さんが作ったのの方が、縁が際だってる?」
二つを真剣な表情で見比べた後、遊木が出した答えに有樹はうなずく。
「たぶん、針目の間隔が違うんです。私の方が細かく縫ってるので、その分刺繍糸がフェルトをおおう面積が広いんですよ。それで、違って見えるんです」
「なるほど……。もっと細かく縫わなきゃ駄目だって事か」
「いえ? 別に必要ないと思いますよ」
「そうなの?」
「はい。極論、縫い目から綿がもれてこなければ問題ないわけですし、説明書にも二~三ミリ間隔って書いてありませんでした?」
「うん。だからこのくらいかな、って思ったんだけど」
「それで問題ないんですよ。私のは不必要に細かく縫っているだけですから」
変な事を断言したようだが、有樹の言葉は間違っていない。縫い目の間隔は、強度と密度――綿がもれない、簡単に壊れたりしない、というのを基準に決められている。このキットを作るのに必要なのは二~三ミリ間隔で縫った時の強度なのだから、それ以上はオーバースペックもいいところである。
それでも有樹が、フェルトの端ぎりぎりに針を通して細かい針目で縫うのは、その方が綺麗に仕上がる気がするからでしかない。とはいえ、細かい針目でかがればその分、縫った部分が目立つ。要するに重ねたフェルトの端に針を通して、断面に糸を巻き付けるように縫うのだ。裏から針を刺したら、縫い終わりまで常に裏から針を刺して縫い続ける。表から裏に針が移動する時、布端に糸が巻き付き、そうしてほつれ止めもかねる縫い方なのだから当然なのだが、縫い目が目立って格好悪い、と言われればそこまででもある。
有樹が細かい針目で縫うのを好むのは彼女の嗜好でしかなく、また、細かければいい、というものでもない。
針目が細かくなれば縫うのに時間もかかるし、必要な糸の量も増える。何度も針を通す分下手をすれば布地を傷める事にもなる。作業時間が長くなる、という事はそれだけ手垢などで汚れるし、アクシデントで汚す危険性も上がる。
「……なるほど……。そんなデメリットもあるんだね」
「はい。ですから、説明書通りの間隔で縫えているのなら、それで問題ないと思います」
「でもなんか、有希さんの作ったやつの方がなんか、ぬいぐるみっぽくてかわいく見えるんだけど」
「まぁ、縫い目が目立つというのはそういう事ですからね。いかにもフェルトと綿でできてます、って感じがしてかわいい、というのはありますけど」
有樹自身そう感じて、細かい針目で縫っていたので、遊木の言葉は肯定する。
「でも、針目細かくすると大変ですよ?」
「それはわかるよ。それだけ縫うだけでも大変だったしさ。それに、針に糸通すのむちゃくちゃ大変だし」
「……へ?」
何気なく遊木が口にした言葉に、有樹が妙な声を出してかたまる。今、何か変な言葉を聞いた気がするのだが……。
「針に糸通すのが大変、って、もうそんな老眼きついんですか?」
「ちょっ?! 何その反応っ?! 俺、いくつだと思ってんのっ?!」
つい、素で口にしてしまった疑問に、遊木の声がはねる。
「佐久間さんの言ってたキルト用の針、確かに長さは手頃なんだけど、針穴めっちゃ小さいよね?」
「え? だってあのくらい簡単に通りますよね? 硬いししっかりしてるし」
そりゃ確かに針穴小さいけど、キルト糸なら糸通しすらいらないよね? 刺繍糸はさすがに糸通し使うけど……。
何がそんなに大変なんだろう、と首をかしげる有樹。
「いや、それって経験がものをいうんじゃない? 刺繍糸だっけ? あれ、すぐほどけてくるし、勘弁してくれって感じだよ」
いや、だから糸通しにすら通せないってどんだけですか、と。
かなり本気のぼやきに有樹は内心更に首をかしげる。
「いやでも、糸通しにすら糸が通らないとか、かなり末期じゃ……」
眼科か手が震えてる可能性を考えて脳神経外科でも行って来た方がいいんじゃないのかなぁ。
なんて、さらりと酷い事を考えながら言うと、遊木が、ん? とつぶやく。声に出てたか、と慌てて口を押さえる有樹の横で、遊木は不思議そうに首をかしげた。
「糸通し、って何?」
「あー……、そっからでしたか」
思わずなのか頭を抑えた有樹が、一拍置いてから眉間にしわをよせる。
「と、いう事は……。糸通しなしであの針に刺繍糸通したんですか?」
「ものすごく時間かかったけどね」
「そりゃ時間かかりますよ……」
うん、そりゃ経験がどうとか言いたくなるわぁ。
呆れるべきか感心するべきか、眉間をもんだ有樹だが、ふと首をかしげた。
「あれ? でも私、糸通しも選びましたよね?」
一番簡単な作りのものをかごに入れた記憶がある。
「どれの事?」
尋ねると裁縫箱を丸ごとさし出されたので、中身を確認していく。と、やはり底の方に埋もれて糸通しがあった。
「これですよ、これ」
ごく薄い銀色のプレートに、ひし形に曲げられた細い針金が固定されただけの、本当に簡単な作りの物体が二つ入れられたビニール袋を遊木に示す。
「これ?」
「はい。これをですね……」
封を切り一つを取り出すと、針刺しに刺されていた針を一本引き抜く。そして、右手で糸通しのプレート部分を持つと、左手に持った針の穴に針金部分を根元までさしこむ。
針金はひし形の先端、とがった部分からするりと針穴を通り、根元までさしこまれると、針穴の反対側でまたひし形に広がった。
「で、ここに糸を通して……」
左手を離し、遊木から預かった作りかけのパーツから出ている糸を針金部分にくぐらせる。そして針を持ち直して、右手で糸通しを戻す方向に引く。
「通った?!」
針金にひっかけられた糸がするりと針穴に通されたのを見て、遊木が声を上げた。
「はい。これだけです」
「まじか……。俺、糸通すのに五分くらいかかったんだけど……」
「や、でも家庭科で習いませんでした?」
「……何十年前の話だと思ってるのさ。覚えてるわけないって」
「いやでも、まさか糸通しの使い方すら知らない、というか、現物見て思い当たらない人がいるとは……」
がっくりと肩を落とす遊木に、説明せず立ち去った後ろめたさがある有樹が苦笑混じりの言い訳を口にする。
「ま、まぁ、ほら、これからは簡単に糸通せて楽になりますよ」
「そうなんだけど……。佐久間さん、けっこう鬼だね?」
「え? なんでです?」
思わぬ言い分に素で驚く有樹。説明のタイミングがなかった事でそこまで言われるとは思わなかった。
「だって、最低限の道具でいい、って言ったら針とはさみだけのつもりだったんだよね? 糸通しなしとか鬼だよね?」
いくらかむくれた気配で言われ、一瞬意味がわからなかったが、意味が脳に達した瞬間、有樹がふき出す。
「ちょっ?! 笑うとこっ?!」
「だ、だって、何本気で……っ」
いい年した大人が糸通しくらいで何そんなすねてんの。
これまで見てきた女性の扱いに慣れている、なんでもさらりとこなしていそうなイメージとかけ離れた遊木の態度がおかしい。
肩を震わせながらも、親しい相手ならまだしも、まだ顔見知り程度でしかないのだからさっさと笑いをおさめないとまずい、と思う理性はあった。
「……ま、いいけど。ったく、いらない恥かいた」
けれど、まだどこかふてくされた様子のつぶやきが有樹の笑いに油を注ぐ。
「あははははっ」
堪えきれなくなってとうとう声を上げた有樹を見て、今度は遊木が苦笑いだ。
けれど、遊木の前で有樹がこんな風に笑うのは初めての事。
ま、笑ってるとこもかわいいから、いいもの見れたって事にしておくかな。
そんな風に考えて有樹が笑いやむのを待つ事にする遊木だった。
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