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08:初の放課後と天使

やっと入学式が終わる……。

読んでくれてる人、感謝です!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 対面式終了。学校を見て回りたくもあるが、ただいま11時37分。家に帰って昼食を作らなければならない。学校を見て回るのは明日以降の楽しみにとっておく。

 現在、唯一挨拶の交わせるクラスメイトの酒花さんに「また明日」と告げて下足箱へ向かう。


 さて、靴に履き替えてっと……ん? 可愛らしい便箋が入っている。これは……


『一紙 氷野さんへ

 話したいことがあります。明日の朝7時半に生徒会室にきてください。

   冴前 銀』


 ……生徒会長か、字が綺麗だなぁ。

 はぁ……対面式の事を考えるにおそらく誤解されているのだろう。だが、召喚に応じない訳にはいかないしな。生徒会長の権限がどの程度であれ、無害アピールをしないわけにはいかない。私だけならまだしも、折角コミュニケーションの取れている酒花さんにまで迷惑をかけるわけにはいかないのだ。


 やはり、明日の事を考えると不安が残る。

 昼食は少し遅れるが仕方ない、学校を見て回ることにしよう。

 もう一度上履きを履いて校内へ。


 まずは本館一階。食堂や図書室、売店などの設備があり、学年問わず生徒が入り乱れる階だ。食堂は椅子が80席程ある広い空間で、持ち帰りも可。図書室は面積が10mかける20m程の広い空間に、狭く感じるほど本が並んでいる。変わった本もあるかもしれない……。売店は勉学に必要な物の他に、会長の手紙が入っていた便箋と同じデザインのものや、校長のブロマイド (いらない)などが置いてあった。

 本館二階には1年1から5組、三階には2年1から5組。その上は屋上。


 本館とつながる別館一階は下足箱や生徒入口、職員玄関に事務室がある。二階には3年1から5組が。その上の三階に放送室や生徒会室がある。

 他には理科棟、芸術棟に大体育館、室内プールや職員棟などがある。ほんと、びっくりするくらい広い高校だ。


 教室の階は緊張するから、人がいないところを重点的に……って、


「酒花さん?」

「あ、一紙くん。こんにちは」

「こんにちは。ここ、別館の三階だけど、なにしてるの?」

「探検中です。一紙くんは?」

「私はこれが下足箱に入っていたので、下見に」

「えっ! ラ、ラブレター?」

「違うよ、生徒会長からの果たし状みたいなやつ……」


 と、酒花さんに手紙を読んでもらう。


「文面だけなら告白の呼び出しっぽいですよ?」

「多分、どんな勘違いしているかの告白にはなるよね……」

「勘違いですか……それだと一紙くん一人で行っても自己紹介の時みたいになって、誤解が解けないどころか悪化するんじゃないですか?」

「おぉ、確かに」


 でも、どうしよう……


「そ、それでですね……もしよかったら私も一緒に行っていいですか?」

「えっ?」

「あ、ごめんなさい! 出しゃばらない方がいいですよね……ごめんなさい」


「一紙 氷野そこまでですっ! せ、生徒会室に忘れ物を取りにきてみれば……」


 えっと、彼女はたしか、金折 (そら)先輩。

 でも、『そこまで』って一体?……ちょっと客観的に見てみよう。

 人けのない廊下、怪しい笑みを張り付けた男子、小さくて優しそうな女生徒がごめんなさい。……怪しい笑顔でなかったら告白シーンだ。私だと悪役が笑顔で脅してるようにしか見えないが……。説明するには分が悪いな……。


「はぁ……こんにちは金折先輩。失礼します、行きましょう酒花さん」

「は、はい。勘違いしないでください先輩、私が悪いんです。失礼します」

「あ、ちょっと!」



 酒花さんを連れて退却。どうやら追っては来ないようだ。


「ごめん、酒花さん巻き込んじゃって……」

「いえ、私こそ……」

「酒花さんは何も悪くないよ。それに、私は嬉しかったんだ。ちょっとびっくりしたけどさ……」

「そうですか、ならよかったです」


 笑顔が素敵だ……。私の笑顔との差がひどい。


「一紙くん、それで明日のいつ頃どこに集合すればいいですか?」

「えっと、酒花さんは電車で来てる?」

「いえ、駅前商店街の家から歩きです。一紙くんは電車ですか?」

「自転車で来てるよ。商店街なら迎えに行こうか?」

「うちからだと遠回りになるので、商店街の郵便局前にお願いします」

「わかった。時間は7時半前に学校に着きたいから、七時ごろでいい?」

「はい!」


 本当に申し訳ないな。あ、そうだ。


「ありがとう酒花さん。もらい物だけどケーキ券を受け取ってほしい」

「いいんですか? ありがとうございます! って、ケーキに釣られたみたいです……一応言っておきますけど、ケーキもらったからやるわけじゃないですよ?」


 サンタクロースからプレゼントをもらった子供状態ですごくかわいい。まぁ、今思うとケーキ券は必然的に手に入るものだったのだろうし、迷惑料には安すぎる。


「うん、ありがとう」

「ほ、ほんとにわかってますか?」

「酒花さんはマジ天使」

「ふぇ?!」


 ほんと、びっくりするくらいいい人だ。


 




いつもありがとうございます!

評価もらえると嬉しいです(≧∇≦)


次は水曜日までには。

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