表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/19

05:自己紹介とフラグ?

ケータイで確認したら読むのが大変ですね……

読んでくれてありがとうございます!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 その後、私は筋肉の衝撃から立ち直れないまま、各クラスへ移動となった。


 1年2組の教室に移動した。ちょっと立ち直ってきたぞ……さて、入学式のあとのクラスといえば、自己紹介と相場が決まっている。

 人は第一印象がとても重要であると本で読んだ。さて、どうしようかな。


 全員が番号順に座席に着くと、筋肉 (担任)が黒板の前に立った。チョークを持ち黒板に名前をでかでかと書いていく。


「はじめまして。今日から君たちの担任になった大貝(おおかい) 武夫(たけお)だ。よろしく!」


 うるさい……。


「さて、オレは筋トレが趣味の数学教師だ。昔はヒョロガリの静かな教師だった。そっちの方がいいと思う人もいるだろう。だがまぁ、生徒に()められるよりはこっちの方がオレが楽だからな」


 先生の過去が気になる……。どうやらただの脳みそ筋肉ということはなさそうだ。まぁ、数学教師が脳筋だったらどうやって教えるのか気になるが。


「さて、教師の長話などつまらんだろうから、早速自己紹介の方を始めようか。廊下側の1番からだ。ただ、急にというのもあるから二分くらい時間を取るし、名前と趣味一言ぐらいでもかまわんぞ」


 筋肉先生は見た目より気の利く先生なのかもしれない。

 さて、明るい第一印象を与えることができれば友達もできるはず……。

 明るい印象の趣味か。私の趣味は料理と読書と人間観察。料理は姉が下手で、両親は出張が多いため、必要で始めた。読書は友達がいなければ必然好きになる。人間観察は誤解された時にうまく立ち回るために必要だったのと、探偵小説に憧れたのが原因だ。

 明るいのは料理かなぁ。明るさ的にいえば、料理:10、読書:3、人間観察:−3 くらいな気がする。人間観察が趣味の人に話しかけたくはないとも思うし。

 あとは見た目の事も一言加えればいいかな。

 

「お、二分経ったから始めるぞ。1番の相沢(あいざわ)からよろしく!」


「はい。私は相沢(あいざわ) 奈美(なみ)です。趣味は読書です。三年間よろしくお願いします」


 小さな拍手が起こる。

 次は私の番、私が立ち上がると酒花(さかばな)さん以外のクラスメイトに緊張が走る。えー。


「私の名前は一紙(いちかみ) 氷野(ひの)です。趣味で料理をやっています。あと、見た目で誤解しないでほしいです。よろしくお願いします」


 クラスメイトを軽く見回すと、通学時に目の合った、黒髪のはねた男子を見つけた。同じクラスだったんだ。

 着席すると酒花さんが嬉しそうに拍手してくれた。酒花さんは本当にいい人だなぁ。先生も私の企み風スマイルを特に気にした様子はない。 が、拍手してるクラスメイト達が落ち込んだ顔しているのはなんでだろう?変な事言ってないのに……。


 自己紹介はその後つつがなく進行した。早く全員の事を覚えたいので、メモ帳にしっかりと記入しながら真面目に聞いた。

 ちなみに、なんだか縁のある男子は笹道(ささみち) 冬喜(とうき)というらしい。

 自己紹介も終わり、クラスに大貝先生の声が響く。


「よし、じゃあ配布物配ったらもう一回体育館だ。上級生との対面式ってのをやって解散になるから、荷物は持っていけよ」


 というわけで、移動です。

 酒花さんと会話しながら体育館に向かう。学校でクラスメイトと普通に会話できるのが、久しぶりすぎて涙が出そうだ。


「あの、一紙くん。ひょっとしてその顔以外できませんか?」

「うん、そうなんだよね……。酒花さんがいてくれて良かったよ」

「そうですか……なんか嬉しいです」


 天使か……。

 そういえば、気になっていたことがあった。聞いてみよう。

 

「あの、酒花さん。私避けられてる気がするけど、自己紹介失敗してた?」

「えっとね、内容は普通だったんですけど……えっと……」

「……遠慮せずにズバッとお願いします」

「う、うん。一紙くんが怪しくて怖い笑顔だから、みんな悪い風に捉えちゃうみたいです。朝に生徒会の先輩を脅してたって噂もあるみたい。ほんと?」


 ズバッッッ!! 心配そうな顔が余計心にくる。


「そんなことはしてないよ……朝のは道聞いただけだ……」

「ですよね。でも、一紙くんの事をよく知らない人にはそう見えるみたいです」

「そっかぁ……気を付けよう」



 体育館に移動すると、パイプ椅子が全て片付いていた。

 2、3年生と1年生が向かい合うように整列して、対面式が始まる。


 生徒会役員の紹介 (朝の先輩もいた)や、新入生代表挨拶、在校生代表挨拶が行われた。

 最後に生徒会長が1から3の学年のクジを引いたあと、番号のクジを引いて全校生徒からランダムに一人選ぶゲームが始まった。選ばれた人は食堂の高級ケーキの食券が貰えるらしい。

 まぁ、全校生徒は400人以上いるし、当たることもないだろう……。


「1年、2組、2番!」


 これがフラグってやつか……と、渋々(しぶしぶ)会長の前に立った。

 会長は笑顔で「おめでとう」と言うと、マイクを切り小声で


「君が一紙 氷野くんか。下手な気は起こさないでね」と言った。


 あ、誤解されているな。はぁ……。


「もちろんです、冴前(さえまえ)会長」


 私はケーキ券を貰って列に戻り、その後も数人が券を貰って対面式は終わった。

 そもそもなぜ私の事を知っていたのだろう。誰かから聞いた風だったが……。

 

 












 





 


 




次は別視点を書く予定です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ