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所変わって深夜

その間に少しの睡眠と

夜泣きそばを一杯食べた後

軽く井戸水を飲んで僕は約束のはしに来ていた


「よお」

いきなり声が聞こえて振り返ると

そこには今朝方見た男が居た

どこまでも暗いこの時刻

元々人通りがないせいなのか

夜泣きそばや夜鷹そばのたぐいも遠くで聞こえるばかりで

ここらへんを通る感じがない

かくしてその師匠の師匠らしい男が橋のそばにいるかまっていたが

待てど暮らせど鐘が鳴っても来ない

・・・これは来ないか

そんなことを思っているといきなりこんなことを言われたのだ

「よお」と

こういうのもなんだが

普通の人間より人の気配には敏感だ

なのにその男はいきなり僕の肩に手を置いて

「よお」

と言ったのだ

全く持って心臓が飛び出るかと思うとはこのことだった

「何ですかいきなり」

その男に出来るだけ平然を装い振り返ると

そこには今朝の青い服とは違いカラスのような墨色の着物を着ていた

「・・・・悪かったな少し遅れた」

「・・いえ」

「・・あとビビらせてしまったようだ」

「驚いてません」

「・・・・・貴君嘘はいけない」

「・・・・・」

「所で今から行くところはしりたくはないか」

「・・ええ知りたいですが」

「・・なら教えないどこうか」

「・・・どこなんですか」

「・・江戸城なんて言ったらどう・・」

「帰ります」

「まあそう言うなや」

男は蛸のように僕に絡みついてがんじがらめにして引き留めた

「今現在のお庭番なんて昔と比べればいと容易い」

「・・・昔って何と比べているんですか」

「・・・まあ服部半蔵」

「帰ります」

「まあそう言うな」

またしても柳のような柔らかい体で抱きついてくる

「ううう」

「そうだ一杯蕎麦でも食べて」

「行きがけに食べてきました」

「・・嫌いでは無かろう」

「嫌いではないですがそこまで好きというわけでもありません」

「まあ、すきよすきよとも言うではないか」

「言っている意味が分かりません」

「貴君は良く分からないな」

「・・・・・・」

そんなとき川沿いを歩いていた僕らの前に一見のそば屋の明かりが

遠くに揺れていた

「どうだ奢ろう」

「いえ、自分の分は」

「そう言うな、これが報酬だ」

「・・・・・・・・・」

全くろくなことはない

奢って貰って恩を買うより

そっちの方がいくらかやすいきはするが

しかし江戸城に忍び込むのを

蕎麦一杯とは

些か高い蕎麦である

もしかして僕の命は蕎麦一杯なのか

そんなことを考えている内に

そば屋につくと

「蕎麦二つ」

「あいよ」

蕎麦屋さんに注文していた

「本当に食べるんですか」

「ああ、戦前に腹を鳴らしては戦えないからな」

「・・・・」

なまじ真実味がある

天井上でそんなことをした日には現実的に命が危ない

・・・しかしこのお人はどうやって江戸城という

難攻不落とは行かなくとも

実質この国の一番上の城に入ろうというのか

・・・・・

まあ攻める国がないのだから難攻不落ではあるが

そんなことを一人考えていると

「はいお待ち」

「早いねおじさん」

「へえそうですか」

「ああ・・それにしても嬉しいね、寒いなかこうも早くこんな暖かそうな

・・っおっとあちち」

「大丈夫ですかお客さん」

「すまねえね、いやこれは本当に熱いや・・いやね、この前のそば屋なんて

遅いの何のって

注文してから半時は経ったと思ったよ

やっとこきたからいきよい良く蕎麦でもすすって体を温めようと思ったら

ぬるいの何のって、水かと思ったね

まあそれだけならまだ良いけどね

この蕎麦って言うのが半生なんだ

全く、どうしてこんなぬるいのかと見てみればだよ」

「へえ」

「火をケチってんだよ、それに比べてここは威勢がいいね

炭が高くてもこういきよいよく暖められるとこっちも何かよけい払っている気がするよ」

「いえ、商売ですので」

「へえ、偉いね」

この人はそば屋でも褒めてまけさせる魂胆なのだろうか

あっと言う今に良くしゃべりながら食えるなと言うくらい手早く食べると

「後はこいつに付けといてくれ」

と言って僕を指さして一人出て行ってしまった

「あっあ」

「毎度あり」

「何が毎度ありですか・・あの人のは」

「・・いえあなた様が」

「・・はああ」

「早く食べないと延びてしまいますよ」

「・ああ分かってるよそんなこと」

「そうでございますか、それは失礼いたしましてあいすまんこって」


結局奢るという男に食い逃げされ

僕が自宅の扉まで帰ってきたとき

「それでは行くか地楽君」

名前も教えていない男にそんなことを言われた

もちろんあの柳男である

「・・すいません作戦をまずは聞かせていただけますか」

「うむもっともだ、作戦も聞かずに城にはいるのは君にしても心配だろう」

「ええ・・」

「安心したまえ・・・強行突破だ」

「・・はい」

僕はその言葉に耳を傾げた

・・・何を言っているのか

はたまた僕の耳がいかれたのか

そう言えばこんな寒い夜だ

こんな長い間夜風に当てたせいで・・・

「君はこんなことも分からないことはあるまい貴君」

「・・・もう一度聞いてそれが僕がいまようやくりかいしがたいなりに

理解したものと同・・」

「強行突入だ」

「一文字違いますが意味は同じですね」

「・・・・きみはわかいのにうじうじうるさいな

そんなことでは老人になったとき面倒なことになるぞ」

「・・・明日には死んでいるかも知れないならそれでも良いです」

「それはどういう意味かね」

「僕は城に入って無駄死にするくらいならそんな偏屈でも生き抜きます」

「君は昔の武士がどうして死に場所を求めたか知っているかい」

「・・・戦場が無くなったからでは」

「君には分かるまい」

「・・あなたは知っているのですか」

「さあ、死にたい人間のことは僕は分からない

しかし、一つだけ言えるなら

死にたい人生より

生きていたい人生の方がいいだろ」

「・・まあ」

「それならここはパーと一花行こうじゃないか」

「それは何です血しぶきを咲かせようと」

「上手いことを」

「・・・あなたが言わせたんでしょ」

「まあそんな策士ではないが」

「・・・・・」

「君は江戸城内の見取り図を知ってはいるかい」

「あのすいません」

「・・・・・・なんだ」

明らかに話の途中で話をとぎらされて不機嫌な師匠

「何しに行くんですか」

「・・黙って聞けば自ずと見える」

「・・・・・・はい」

「・・・江戸城の見取り図は・・」

「無いです」

「そうか、そんな物はこの世には存在しない何でだか分かるか」

「・・・敵に知られないため」

「まあ大むね正解だ」

「何が間違っているのですか」

「・・・ここにそれがあるからだ」

そういってそれは、胸元からくるくると巻かれた黄ばんだ古臭い紙を出した

「・・・それなんです」

「江戸城の見取り図だ・・・しかも極秘の裏・見取り図」

「・・・・何処かで大金噛ませられたんじゃないですか」

「・・・・貴君は疑り深い、君だから見せるがみた前」

「・・・・・・暗いので良く・・・お」

「分かったかい」

「・・・・細か過ぎて分かりません」

「・・・ここをみたまえここを」

そういって男は乱雑にその江戸城内の見取り図

しかも極秘何とかを乱暴に指を突き立てて下等辺を示した

「・・・・何かミミズが貼ったような物が・・・・モグラの穴か何か」

「・・・・・ふざけているか」

「・・・まさか秘密通路」

「そのまさかだ・・というか城には付き物だろう」

「・・・・・それで何を取るんですか」

「乗る気になったか」

「いえ、何を取るかが気になったのです」

「情報と言わなかったか」

「・・・・あなた一人では駄目なのですか」

「まあ私一人でもいけないことはないが

しかし万が一にでも敵に見つかった場合

君が一人捕まって囮に・・」

「帰らせて・・」

「まあ待ちなさい」

またしても蛸のように絡まれて僕は身動きを封じ込められるも

今田は簡単には諦めず何とかはいだそうとしたが

「報酬は近所のお玉ちゃんが欲しい物を教えてやる」

「・・・・」

僕の頬が血の気を引かせ

さらには一気に目の前が暗く暗転した

そしてふときが付くと僕は江戸城内ではなく

近くの山に来ていた


「・・・・来てしまって何ですが・・本当に通じてるんですか」

「さあ」

「さあって」

「まあ男は黙って首を洗えって言うだろ」

「・・言いません」

「うるさい奴だ・・・っと、よし開いた」

それは林の中にある藪の中にひっそりと隠すように設置されていた

岩で出来たような洞穴ではあるが

それは明らかに積んで作られた人工物であり

その人工物のみが地面から突き出している

その男はそれに仕掛けられている木の枠にある錠になにやら突っ込んでいたがそのうち開けた

「本当に通じているんですか」

「・・・・」

「もしかしてここに閉じこめて外国に売るとか」

「・・・・・・」

「・・・・・何か言って下さい」

「・・・・なぜ知っている・・という冗談はおいと・・」

「・・・なまじ嘘に聞こえませんです」

その笑わない男の顔が一瞬本当に見え怖い

「それは会話を聞くのですか」

「チッチッチ」

男は舌打ちをすると

「・・まあ行ってからのお楽しみだな」

そんなことを言って暗闇の中

懐からだした松明に火をつけて中に入っていく

中はどこまでも暗く

その松明が消えてしまったときを考えると非常に怖い

しかし先に行ってしまうその人をなぜか僕はついて行ってしまっていた

果たしてそれは、好きなあのこの為なのか

それとも単純になぜかついて行ってしまって

今更引き返すにも道が暗くて引き返せないせいか

しかしその木をくり抜き木で軽く補強された空間は

腰を軽くかがまなければとおれないような

真四角の道が多少の登りや下りを繰り返していたが

しかし二手に分かれることがないことから

火が無くても帰れるとは思う

しかし僕はこの良く分からない物について行ってしまっているのは

果たしてなぜなのだろう


「うっ、何かに当たったぞ」

男はそう言うと松明をその当たったと言うものに向ける

そこには木の扉があった

その明かりに照らし出されたそのおもっくるしい扉は

天井に当たる場所に設置されており

そこで道は行き止まりになっていた

「行くんですか」

「まあ貴君は少し待ちなさい」

「・・・・・」

「・・大丈夫だ君を囮にここに残すのではない」

てっきり安全を確保するために行ったと思ったらとんでもないことと勘違いされていたらしい

というかその可能性もあったことに驚く

しかし言うなればこの人もここかが封じられたら逃げることは不可能だろう

そう考えると少しは安心する素材になり得た

「では行ってくる」

男はその木の扉を上に押し開けると

わずかに漏れていた空気の流れが一斉に流れ込み

そこが外に通じていることが分かる

「・・・・・・・・」

「良し大丈夫だ」

「・・大丈夫なんですか」

「さあ」

「・・・・」

しかし僕が疑うまもなく柳男はその扉の視界から消えてしまう

このまま残されていても仕方がないので僕は上に上がると

そこは畳が敷かれた部屋のようではあるが

しかし全く持って明かりがないことから

それが室内ではなく地下だと分かる

現に障子はなく

ただ土が剥き出しの部屋に

畳だけが引かれ

その真ん中に井戸のようにこれがあるのだ

「どうするんですか」

「・・・シーー・・それでも泥棒か」

「・・すいません」

なにやら堅気ではなさそうだが本業の泥棒が良く分からない奴に怒られるというのも何かいやな物がある

「・・・こい」

男はそう言うと意志で出来た階段を上がって行く

僕はそれを仕方なしに追いかけた

「・・貴君は足音が大きいな」

「・・・そうでしょうか」

「うむ、像があるいているようで可憐さがない」

「・・・見たことがないですが像とは生き物で」

「・・・・・・・・君は声が大きいな」

「・・・・・はい」

「今から我々は屋根裏には行る、後ろから付いてきなさい」

「・・っえ」

男は一番上の階段を上がると

そこに設置された扉を開けて外にでた

でるとそこは新鮮な空気がそれこそ比べものにならないほどあたりに流れていたが

男はそれに目もくれず

松明をもみ消すと

懐に入れた

「では行くぞ」

「・・」

熱くないのだろうか

しかし男はそんな僕の疑問を無視するように

ジャンプした

上に飛んだ

そこを見上げると僕は暗い天井にさらに四角い穴を見た

・・・・・この高さを飛んだ

優に僕の身長の二倍以上はある

それは僕よりも拳五個ほど背の高い男にしても

簡単なことではあるまい

「・・・」

上で男がこっちに来いと手招きをしている

「・・・・」

僕は無理ですと手を振ると

「・・・」

早くしろ

と、もっと激しくした

「・・・・」

僕は無理だと思ったが精一杯真上にジャンプした

「・・・ぎりぎりだったな」

上に引き上げられながら僕にそんなことを言う男

「いやーー今夜は良く冷える」

それは僕でも男の声でもなかった

何とか上に這い上がった僕の下でそんな声が聞こえたのだ

「さて行くか」

男はその板を元に戻すとまるで普通にあるくようにテクテクと天井を歩く

「う・・・」

おそるびっくり、僕はその人が歩く後を追いかけるが

そのたびに木の軋む音がする

「・・・もう少し静かにせぬか」

「・・・・・」

「・・・よしここでいいだろう」

何が良いのか良く分からなかったが男はそういって木の太いところに腰を下ろして寄っかかった

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・何をして・・・」

「ッシ」

男はいきなり短くした打ちをして僕を見た

大分この暗さに慣れたせいで男の仕草がぼんやりと見える

「どうしたんですか」

「・・見て見ろ」

男が指さす方を見ると

わずかに天井と天井板の間に隙間があった

僕はそこに目を付けて眺める

そににあったのは良く分からない白い物だった

「・・・・」

「面白いだろ」

「・・・何がです」

「・・・貴君はぬっぺほへという物を知っているか」

「何でしょう」

「少しは物を読んだ方が良い

ぬっぺほへとは

死んだ肉を放置した物があの世からこの世に表れるという妖怪のたぐいだ」

「そんな馬鹿な」

「・・・あれを見て見ろ」

僕はそう言われるままに隙間に目を急いで凝らす

「・・・」

それはゆっくりとではあるがまるで肉の塊が足と手を生やしてあるくように動いた

「本当ですか」

「・・・・・これは良い記事になる」

「先生は書き物師ですか」

「うむ、ただの落書きだ」

「・・・・・」

「さて帰るか」

「・・・・見るだけですか」

「まあ最近暇をしていたから見物だ」

「これだけのために江戸城に・・だいたい僕必要でした」

「いらん・・・しかし一人より二人だろ」

「・・・・・・・そう言えば報酬は」

「ああ、彼女は熊の彫り物が好きだそうだ」

「・・・・・・木で出来た奴ですか」

「・・き・・・まあ気で出来ていると言えば気で出来ていると言えなくもないが・・あれは悪魔で形だけだ」

「・・・どういうことでしょう」

「・・・入れ墨の絵は魂があれには入っていないと」

「・・入れ墨」


「誰かいるのか」

その時下で大声があがった

その野太い声に二人は黙る

「さて面白くなくなってきたがどうする貴君」

「・・・どうするんですか」

「こうする」

男はいきなり火打ち石をすると松明に火をつけ遠くにほおった

「・・あっ」

「さて逃げるぞ」

「・・逃げるって」

言うが早いか彼は今までの動きとは比べものにならないようなスピードでその不安定な屋根裏を疾走した

その後を僕はぎりぎり転けない程度で何とか後を追うが

何度も見失いそうになる

後ろの方で「火事だー火事だぞー」

とさきほどの男らしい声が聞こえた

「さて後は帰るのみ」

しかし先生があの下に降りたときの天井を開けたとき

「・・・不味いなー」と言った

「・・どうしたんで・・」

僕は先生がのぞき込んでいる下を見ると

そこには先ほどの白い化け物みたいな物が

それの十分の一ほどになって沢山うごめいていた

「・・・気持ち悪い」

「まあそう言うな、元は人間だ」

「あれが」

「人という物は肉体にあらず、気こそが本体なり」

「・・・・何か良いことみたいですけど意味が」

「用は死んでも魂は動き続けるって話だよ・・さてこいつらをどうするか

・・・貴君君は遊んだことはあるかい」


「・・・何の話ですか」

「・・たとえばつぶてを投げたり・・お人形遊びをしたり」

「・・・ええ、つぶてなら」

「貴君は女だよな」

「・・・・」

「彼らはここで生まれるはずの赤ん坊だ」

「・・・・」

「どうだ、遊んでみないか」

「この為に呼んだんですか」

「・・・まあそうかもしれんが・」

「そうなんですね」

「・・一眼にはそうなる」

「もう私がしたに行かないと助からないんですよね」

「今のところは」

「・・・・」

私はしたに飛び降りた

向こうの方でなにやら騒がしい声や足音がする

しかし私はその下にうごめく白い人形みたいな大きさの

口もいやかおじたい何か分からない

それどころかすべてが肉片で出来ているようなそれの上に降りた

・・落ちたか

私が落ちるとそれは私の周りに集まってきた

落ちた時は一瞬遠くに目があるのか・・見えるのか避けたのだが

またはいはいをするような遅さでよってくる

「・・・なにをすれば・・」

そんなとき一つが私の手に指のない手を突きつけた

それはまるで手を触っているようである

「・・・・」

私は何をすべきか分からない

しかし思いつく限りのことをやってみた

いってみればやけっぱちなのかも知れない

適当にその肉をつかむと

背中に乗せてお馬さんをしたり

適当にくすぐったり


しばらくしたときいきなり声が聞こえた

「もう良いぞ」

僕がそちらを見るとそこには肩に手をおいた男がいた

「・・あれ」

「大分奴らも楽しかったようだ・・・それでは帰るぞ」

行きと同じようにその男を先頭に穴を歩く

その穴にはいるときそう言えば何もなかったかのように

あたりは静かで

それこそ深夜の時間だった

「さて今日はご苦労さん

君は勘違いしているかも知れないので言っておくが

君の生き別れの妹さんは熊の入れ墨をした男のことが好きだと言ったのだ

これは君が妹さんにあげるプレゼントを聞いたというのとは少し違うが

しかしあの男は止めておいた方が良いという忠告と言うことで

君に言っておくよ」

私の返答を聞かずに男は林の藪から姿を消した

それは屋根裏のような駿足のようなものだと思い

たいしてきにはせず私は外にでた

そのままの足取りで僕は家に帰るとそのまま布団に突っ伏した


「師匠、所であの人はどんな人と何ですか」

果たしてどんな書き物をしてどうしてあったのか気になって師匠の家に押し掛けた

「・・・何のことだ」

「だから柳男」

「・・誰だそれ」

「・・っえ・・・」

「・・・最近、顔を見せないと思ったら・・お前にも男が・・」

「何言ってるんですか」

「・・・まあ、そんな人間がいるというのが世の不思議だ

・・どれ特徴を言って見ろ、師匠としてしっかりと探して」

「・・・・身長が高くて・・」


かくしてあの長屋を探しに出かけたが

どうしても見つからない

果たしてあれは実際にあったことなのだろうか


それから数日

私は妹に置き手紙をした

「熊に入れ墨のある男は駄目」

言われた次の日からあの男を探すのと拮抗して

その入れ墨の男を調べたが最悪だった

見た目は中々誠実そうだが・・・・

とにかく私はそれは止めて置けと簡潔に書く

もしこれでも付き合うものならその男をやってしまうのも手だろう

しかしその問題以外に浮上したあの男の正体はいっこうにして掴めず

時間だけが過ぎた

そんなある日

ほとんど買わない瓦版を最近は買うことにしている

それは別段男に物を読めと言われたからではなく

単純に物書きならそのたぐいの筋に精通して書いているのではと分だからだ

しかしその時お金を出して買った瓦版には

「江戸城不審火」と見出しにかかれていた

ちょうどあの日の深夜だった

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