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パーティーメンバー

☆カルム・ハル視点

管理者エリアより一般開放エリアに戻ってきて、宿屋の一室を買い取った。中は、四人部屋で俺とハルの二人では十分なくらいな大きさだった。あとの二人は、エルとレイクの分だ。レイクさんは、こちらのエリアに来て自分から問題を解決しようと来てくれて、エルはプログラムだがそれだからこそゲーム内での実体化が可能である。

まずは、彼ら二人と俺たち二人の職業だ。


俺-カルム-は、剣士というメイン職業を持っていてレベルも80とアップデート前のMAX値であったため、剣士というジョブの派生で今は「武士」をやっている。主に、パーティーの前衛に出て敵をひきつけたりHPを削る役割だ。しかし、単独行動もできるように体力値が大きいしなにより特殊スキルの「二刀流」を所持している。これは、攻撃力とスピード・メンタル値-クリティカル率-のバランスが取れていて他のステータスよりも遥かに高いと発生するスキルである。


ハルは、魔導士という職業でレベルは72。攻撃と防御そして回復ができる職業で魔導士の派生の「ソーサラー」を持つ。これは、攻撃力に秀でていて防御は魔導士の中でも最低ランクに位置する。ただし、回復力も高い。主に、中距離・後方支援の役割を持つ。


エルは、聞くところによるとアップデートで搭載されたばかりの「バトラー」つまり「執事」という職業を持つ。この職業の変わったところは、主人つまりパーティーやギルドのリーダーの下にいないとなれないし持続することができない職業である。現実と同じように主従関係にある職業である。攻撃手段は、ナイフとフォークそして、食事などを運ぶトレーが主体となる。どこからか分からないが攻撃するときナイフやフォークがどこからともなく手にあらわれてそれを飛ばして攻撃するようだ。ならば、防具はどうだろうか、それは燕尾服と下に着るワイシャツだけだというから驚きである。それだけで、ガーディアン並みの防御力というからさらに驚く。「執事」は全職業中最強を誇る職業である。リーダーの下に仕えることだけが理由だけではない。他にもいろいろあるのだが、それはレイクさんからまた聞くとしよう。


最後にレイクさん-管理人-だ。彼は、表ステータスでは「マギ」という魔導士最強の役職を持つ。だが管理人であるが故に全職業を瞬時に切り替えて使用することができる。その時、表ステータスは「マギ」という役職のまま変わらない。つまりは、チートである。


二人の一般プレイヤーに二人のチートプレイヤーの四人構成で行動することになる。

「とりあえず、俺が前衛でハルは中距離での援護だな」

「分かりました。では、カルムさんがボケで私がツッコミですね…。」

「そうだな…?いやいや、漫才あらへんから…。」

振り向きながらハルの方を見ると、頬が…というより顔全体が赤く染まっていた。手に持つものをよく見ると、グラスが握られていて机には高そうな酒が置かれていた。俺は机に近づき一枚の紙を見た。それには…

「『カルムとハルさんへ、この酒は私たちから報酬だと思って受け取ってください。現実では再現できないようなアルコールの量と酔いが楽しめます。二人の夜を楽しくお過ごしください。 エルより』」

「あんの、プログラムめ…」

それにしても、ものすごい量のアルコールとそれに伴う酔いが体験できるんだよな…。そう思い恐る恐るハルの方を見ると、トローンとした顔でこちらを見ているではないか…。

「おい、ハル…どうしたんだ?」

「カルムさぁん、身体が熱いのれすよ~。」

「いやいや、お前大丈夫か?呂律まわってないぞ…。」

いくらゲームの中とはいえ、恐怖を覚えた。まさか、ゲームの中で童貞が奪われる危機に陥ったのだ。

「大丈夫れすよ~、ゲームの中です。妊娠なんかしまへんよ。」

こいつ…俺の思考を…!?

さすがにここまで来ると、自分の危機だけではなく彼女にも危険があると判断し、彼女の後ろに素早く回り込み首のところに手刀を入れた。本来ゲームの中では、男が女に対する暴力を禁止とするプログラムがあるのだが、この手刀を正しく行えた時のみその防衛プログラムは作動しない。

手刀をいれられた彼女は、「はぐっ!?」という声をあげ崩れ落ちた。

「さすがに、あれはこうするしかなかったよ。許してくれハル…」

気を失っている彼女に謝罪を入れた後、ベッドに寝かせて差し上げた…。明日になったら、これまでのいきさつというものを覚えているのだろうか…?いや、個人的に忘れていてほしい。

「というか、俺は彼女には一切傷はつけていないのだし…、大丈夫だろう」

これらの出来事のおかげで、日にちが変わろうとしていた…俺もそろそろ身体を休めなければ…。

明日からは、四人で初めての探索だ。


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