表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/9

管理者エリア

☆管理者側視点


「レイクさん、先程メッセージを出したプレイヤー二名がこちらに転移してきます。」

さっきの二人とは、カルムとハルの事だ。カルムは、この問題を解決するにあたって協力を申し出てくれた最初の一人だった。ハルは、HPがゼロになるとどうなるのかという質問してくれた女性プレイヤーである。カルムのみをこちらに招待しようとしたのだが、協力者は多い方がいいと思い、たまたま一緒にいた彼女もこちらに招待したのだった。

「OK.一般プレイヤーをこちらに存在するのを許可する。」

「了解です。一応聞いておくのですが、彼ら二人のアバターコードを許可なしで自由転移できるよう再設定しておきますか?」

「いや、まだいい。彼らがどんな反応をするのか分からないからな」

「分っかりました~。」

エルの反応が妙に軽かったので、少し疑問に感じたがそこは触れないようにした。それが、彼女の望んだ人格なんだと考えたのだ。

そう考えていると、先程の客人が正面に見える転移トランスポーターに姿を現したのだった。


☆カルム&ハル視点


俺たちは、人目がない場所から招待を受け管理者エリアへと転移した。ゲーム内で転移エフェクトが発生する場所及び人物は限られる。例えば、ダンジョンの階層移動であったり魔法での移動である。しかし、今街全体が移動不可能のバリアで囲われているので転移できるのは、実質管理者のみとなっていた。人目がない場所から転移したのはそれが理由だった。管理者の話だと、この世界の中には数人のスタッフもいるということだ。プレイヤー名を知られて、いろいろ責められるのはゴメンだ…。

「ねぇ、カルム君。管理者って、本当にいると思う?」

「なんだよ、いきなり…。」

「だってさ~、普通管理者とかってゲームの外にいて全体を管理するわけでしょ?」

「普通はそうだな。でも、自分が作ったゲームをただ外から傍観してるだけじゃ面白くないんじゃないかな」

「…あ~。」

彼女は、納得したような顔をした。どうやら、分かってくれたらしい。

「というかさ~、転移の時間長くない?」

これも彼女の質問だった。確かに、長い…。普通転移の時間は、一瞬で済むはずなのに…。もしかして、管理者エリアにはこんなに時間がかかるものなのか?いやいや、そんなにかかるはずはない。もしや、ラグったか…?


ドス!

「グヘっ!?」

彼女の質問に対し、思考を巡らせていると覚えのある痛みが自分のみぞおちに発生した。

「カムル君。勝手に自分の世界に入るのやめてくれないかな?」

彼女が笑顔で怒りながら、こちらを見ていた。どうやら、俺のみぞおちに食い込んだのは彼女の拳だった。

「ゴメンゴメン…。」

「もうっ、今度は燃やしちゃうぞ☆」

笑顔でウインクしながら、危険な事を言いやがりました…。

すると、どこからともなく声が聞こえた。

『こちら、管理者エリア。カルムさんにハルさん、聞こえますでしょうか?』

「…カルム君、これって…。」

「管理者…か?」

『いえ、私は管理者専用プログラムのエルと申します。只今、管理者の許可を得ましたので正式に管理者エリアへと移行します。』

こちらの許可を待たずして、俺たちが今見えている転移エフェクトの淡白い光が強くなり視界が真っ白になった。

俺たちが現れた場所は、管理者エリアに設置してある転移トランスポーターだった。そして、俺たちの目の前には若い男性のアバターが俗に言う社長椅子に座っていた。すると、こちらを見て少し笑ったような仕草を見せ、足を組み手を合わせ口を開いた。

「ようこそ、管理者エリアへ。私は、ここ『エルダート』を管理している管理者の『レイク』と申します。」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ