表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界にたったひとつだけ  作者: 猫依颯
蛇足たち
14/21

月見

スーパームーンに寄せて。その弐。

今宵の月は年間でいちばん大きく見える満月だという。

季節にはまだ少し早いけれど、夕涼みついでに月見でも、と誘うと、楓雅はいいねと笑って頷いた。…俺が手に持つ酒瓶につられてかも知れないけれど。


父お気に入りのスペースだった縁側風の張り出しにふたりで座る。多少雲はかかるものの、なんとなく何時もより大きく見える気がする満月を見ながら、教育や時事を肴に酒を酌み交わす。

自分たちも勿論そうだが、子どもたちが苦しんだり辛い思いをすることのない未来であるようにと願うのは、恐らく殆どのこの職に就く者の想いだろう。少なくとも俺と楓雅、それから先輩はそう思っている。


ふと思い出した。とある文豪が「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳したことを。

この月の下でなら、そんな台詞も嘘臭くはならないだろう。こいつも笑って、同じ言葉を返してくれるに違いない。


「…月が綺麗だな」

俺の言葉に楓雅はきょとんとして。

「そうだな。でも今年はもう一回くらい大きく見えるときがあるらしいぜ? 嘘かも知んないけど」

にっと笑って、酒を呷った。

「……」


駄目だ、意味が通じていない…!


そういえば、こいつは根っからの理系で、現代文の授業はよく居眠りしていたんだった。

もう二度と云ってやるもんかと、拗ねた気分でぐい呑みの中身を一気に呷る。旨い酒だというのがまた、虚しさを誘った。

汀の方がロマンチストです。楓雅は意外とサバサバしてます。情は深いが情緒はない、と。(笑)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ