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世界にたったひとつだけ  作者: 猫依颯
蛇足たち
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学年末業務

 インフルエンザの蔓延をどうにか防ぎきり、迎えた学年末。

 毎日のように課されるテストに、教師も子どもも辟易している。子どもは受けたら答案が返ってくるのを待つだけだが、こちらは採点と成績処理という大仕事が待っている。

 職場からナギの家に直行し、荷物を下ろすと着替えと夕飯のおかずをせびりに実家へ戻る。いっそのこと一緒に住んじゃいなさいと呆れ顔で云う母親には4月からそのつもりだと答えた。

 受け取ったおかずを手にナギの家に戻り、夕食後はお互い仕事モード、の筈なのだが。

 大量のテストとプリント類を前に遠い目をしていると、テーブルの端にトンとマグカップを置かれた。

「ナギ……」

「ひと息ついたら? 煮詰まったら作業効率落ちるだけだし」

「……ん」

 頷いて、マグカップの中身をひと口。ホットレモネードだ。ナギの作るこれが昔から幾度助けてくれたことか。

「そっちは?」

 リビングの応接セットをこちらに譲り、自分はダイニングテーブルで同じ作業をしているナギ。目の前同様、ダイニングテーブルにもプリントの山が出来ている。

「俺も煮詰まり中。所見がもう上がってんのはお互い気が楽だな」

 所見……担任からのコメント部分は、早めに材料集めをしておいたお蔭で、ふたりとも管理職のチェックをクリアし、あとは切り貼りや書き写すだけとなっている。これまで抱えていると、修羅場どころではなかっただろう。

 あと少し頑張るか、とお互い苦笑して。

 空だろ、と手を出すナギに、御馳走様とマグカップを渡す。さらりと髪を撫でてキッチンへ向かう背中を見送り、聞こえてきた水音をBGMにテストとの格闘を再開した。

この時期の教員は大体こんな感じ。かも。

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