表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界にたったひとつだけ  作者: 猫依颯
蛇足たち
10/21

 ナギは鞄にこだわる。

 帆布を使ったものを学生時代から使っていたが、まさか今でも同じものを愛用しているとは思わなかった。まあ、同じメーカーの新しいものも使っているのだが。

「お前と選んだからな、これ。それもあって捨てられなかった」

 そう云って愛おしげに使い込まれた鞄を撫でている瞳が優しくて。

 まあ、かくいう自分も、この職に就いてから鞄はとあるメーカーのものを愛用しているのだが。この辺りの同業者は、不思議と同じメーカーの愛用者が多い。

 とある動物のマスコットが付いているそのメーカーの鞄は、軽くて丈夫だ。デザインや大きさも様々で、男女どちらでも使える。

 遠足のときはリュックに弁当などを詰め、携帯端末や筆記具、カメラなどはウエストポーチに納めるというのが自分のスタイルだが、そうすると2体のマスコットをぶら下げて歩くことになり、必ずと云っていい程子ども等の玩具になる。

 勧めてくれたのは先輩だったから、それを知ったナギは大いに拗ねていた。


「ナギ、次の土曜空いてるか?」

「空いてるも何も、俺の休日はお前と過ごす為にあるんだけど?」

「……。嬉しい俺も俺か。

 まあいい、だったら買い物に付き合ってくれないか? 流石に10年近く使っていたら随分草臥れてきたから、鞄を新調したいんだ」

「了解。それじゃ土曜は買い出しだな。タオルとかシーツとか、そろそろ新しくしないと」

「……」

 妙にうきうきした恋人に、首を傾げる。

「何他人事って顔してんだよ。自分も使うものなんだし、お前も一緒に選ぶんだからな?」

「ッ」

 素材とー、色とー……などと指折りぶつぶつ呟くナギ。男の二人連れは当然の如く悪目立ちするんだろうなと思いつつも、頬の熱さは長いことそのままだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ