序
ったく泣くなよっ!
っく……だってぇ……
ダメダメダメっ子めぐ
ふぇーんっ!!
……ったく。ほら
ほぇ?
ほらっつってんの。乗れ
で、でもぉ……
んじゃひとりで帰れよ
将ちゃんのイジワル~……っく
ねぇ将ちゃん
あ?
ありがと
散々迷惑かけといて何を今更
何よぅ!人が素直にお礼言ってるのにぃっ!
うわっ、ほら暴れんなダメっ子
人のことダメダメ言わないでよぅ。また悲しくなってきちゃ、……っ
あーもー悪かった、俺が悪かったからもう泣くな
そんなこと言ったって涙が出てくるんだもん
んなもん気合いで何とかしろっ
出来ないー
ったく、好きにしろ
ね、ねぇ将ちゃん
何だよ
わ、私重くない?
重い
ほ、ほんとに?あ、じゃ、じゃあ今降りる。ごめん……っ?しょ、将ちゃ……っ?!
降りんな
だ、だって将ちゃん重いって……
いいんだよ、もうじっとしてろ
……うん
ねぇ将ちゃん
……あんだよ
将ちゃん心臓の音早いね
……っ?!
ん?何?
なっ、何でもねーよ。まったく、20歳過ぎたいい年した大人が飲んで酔った勢いで足くじいてるなんてなー。なー?ダメっ子めぐちゃん
だぁってぇ
しかもそれをわざわざ家までおぶってってやってる俺ってめちゃくちゃいいヤツ
うん、そうだね。だから将ちゃんだーいスキ
ぶっ……ゴホゴホ
だ、大丈夫?
あ、ああ……
ほんとにアリガトね
ああ、もういいから黙っておぶわれてろ
はーい
こうして幼馴染の2人の夜は今日も更けていくのです。