Room002 初めてのお客様。
無い知恵絞って頑張っていますが、そろそろ色々矛盾点が出てきてそうで怖いなーと思ったり
いやまだ早いだろそれって話ですがね。何事も無ければいいのですが……、読者の方は頑張って読んで下さいb
9/13 微修正。
……おはようございます。
現在時刻10:29。眠っていたら日付が変わっていたらしく、ついに侵入者がやってきてようです。
部屋にこもっているはずの俺が何故わかるのか、と聞かれたら分かったからとしか言いようがないが、どうやらダンジョンへ侵入者が来た場合は、自動で頭の中にアラーム音がなる様になっているみたいだ。
煩くて仕方ないけど便利なんだよな……、と言ってもこれからの事を思うと少しぞっとするので、アラームを止める方法は見つけ出しますけどね。
まだ敵の姿は確認してないがどういった奴なのか少し期待してしまう。今居ると分かっている種族は人族、魔族、霊族。他はアリサからまだ聞いていないので居るかどうかもわからない種族に思いを馳せる。
ダンジョンに来るぐらいだから人族が定番だろうけど、今回は俺が人族の救世主として迷宮の主やってるから、もしかしたら耳長族とか猫耳族とか犬耳族とか来るんじゃなかろうか。
でも人型が来ちゃうと殺すのを躊躇ってしまうな……。正直親しい人間以外はどうでもいいような俺だけど寝覚めが悪いのも確かだし、でも可愛いもの見たさもある。
うーん、誰が来たのか非常に気になる。と、言う事で自力で作ったフロアから通路を斜め上に掘って行き、最初のフロアの天井付近の壁に穴をあける。それにしても我ながら掘る速度が凄まじい。
「でも何でちゃんとフロアが把握できるんだろ?」
「それはノリト兄さんが迷宮の主だからです」
いきなり小声で答えが返ってきたので、ビックリして後ろを向くと、身だしなみを整えたアリサが付いてきていた。
侵入者が来たことに気付いたのだろう、でなければアリサが身だしなみを整えるはずがない。3年たっても外面は完璧みたいだ。
それにしても迷宮の主だからというと固有能力とかそういうものだろうか? でもアラーム同様表示されていないのだけど。
「一応言っておきますが、これはダンジョンというシステムの一部みたいでステータスには反映されませんし、アラームで侵入者が来ると分かるのはダンジョンに居る迷宮の主とその配下全てです」
心を読むのは止めてほしいが、的確な答えはありがたい。でもさすがに3年離れていても兄弟(幼馴染)の絆は残っているんだな、心が読めるぐらいに。
「それと侵入者の中にもたまに幾つフロアがあるのか分かる者がいます。あれは確かレアな戦闘技能だったので滅多に居るものでは無いでしょうが……、ここにやって来れ無い事も無いので注意だけはして下さいね」
馬鹿なっ……、フロアの数を数えたって2つしかないんだぞ。そんな上級技能持ってるやつが早々来るわけないだろ、だからフラグ立てないでくれ妹分よ。
『どうやらこのダンジョンにはフロアが1つしかない様ですね~』
ほら、こうなっちゃうんだよ大抵。お約束ってやつ? 正直いらない事言うとこういう事起こっちゃうからさ、言葉には気を付けよう。なんて言っても変な目で見られるのが落ちなので言わない。
けれど先ほどの発言おかしな点があったのだが、どういう事だろうか?
「おかしいですね。こちらにはノリト兄さんが作った部屋がもう1つあるというのに、相手は認識していないようですよ」
解説どうもありがとう。俺は認識できるのに相手は認識できない、この差はなんだろうか?
俺の把握できるのはダンジョン全体の事だ。すなわちダンジョンの各部屋にある罠から天井のシミまで全て把握できている。
けれど相手が認識できるのは迷宮創造によって作り出されたフロア数だけではないのか? 罠作成で作った罠と同様に認識できるのはダンジョン本来の仕様で作ったものだけではないのだろうか?
この微かな希望とも言える仮説は元々あったが、俺がフロアを2つとも認識できる時点で斬り捨てていた。
けれど良く思い返してみれば俺は手作業で作った罠も俺は完全に把握できる。という事はだ、このダンジョン手作りで作って行けば勝てるんじゃないか?
『おかしいですね~。フロアが1つしかないのにダンジョンマスターがいないのはありえませんから、どこかに隠れているはずです。なので調べてください~』
どうやら先ほどからおかしな点を指摘している奴がリーダーの様だ。姿を確認するために穴を覗いてみる。
頭には雄々しい角が2本あり、背中には美しく、透き通った羽が見える。そして全身を覆う淡い青で彩られた鎧……。
どう見ても人型昆虫だ。俺の夢と希望を返してほしい。それと語尾を伸ばすな気持ち悪い。
「あれは虫族ですね。人型となると強さは中の下といった所ですか、恐らく報酬目当てで出来たばかりのダンジョンを狙いに来たのでしょう」
「報酬ってなんだ?」
「ダンジョンを攻略してダンジョンマスター、私達で言う所の迷宮の主を倒すと国からお金が支給されるそうです。攻略法を1つでも持ち帰ったらその分の報酬も出るみたいですね」
それは酷い。何で国が報酬出すのかはアリサもわからないらしいが、これって完全に俺を殺しに来たって事じゃないか、虫の癖に生意気な奴だ。ここは兄貴分として妹分に格好良い姿を見せねばなるまい。
何せ破壊者の名前を貰ってSTR+50の規格外だ。各上だろうとやってみせるさ。
「何を考えているのか丸わかりですが、突撃は辞めた方がいいですよ? このダンジョンのLvに応じて相手のLvも落とされますし、攻撃出来る技能も封印されるようですが、称号を持っている上級者から見れば、私たちはそれでもゴミ屑でしかありませんから」
ですよね。初めて聞いた事ばかりだけど厳しいだろうなってのは分かってましたとも。出来れば諦めて帰ってくれると嬉しいな、あの罠上級者相手だったらどれほど効果があるかわからないし。
『ドゴン様、この罠何かが開くようになっているみたいですぜ』
カブトムシ型の部下っぽいやつが見つけてしまったらしい。お願いだからやめてくれ、お願いだから押さないで。
「良かった。どうやら罠に掛かるみたいですよ、どうせなら私達も加勢しましょうか」
アリサさんさすが経験者と言いたいけど余裕があり過ぎではありませんか? こちらのカードは魔犬5匹と子ブリン2匹と俺たちだけなんですよ?
そんな思いを込めてアリサを覗き込むと顔を赤くして逸らしてしまった。そうじゃない! そうじゃないよアリサ!
『押してみてください~』
もうダメだ。こうなったら覚悟を決めるしかないようだ、死んだらごめんなさい、父さん母さん。
◇◇◇◇
4人の部下を引き連れて転送門に入ってきたのはいいが何かがおかしい。
「どうやらこのダンジョンにはフロアが1つしかない様ですね~」
此処が出来たばかりのダンジョンらしいが、先ほど使った《数の把握》では1つしかフロアが把握できなかった。
どういう事だですかね~、フロアの数さえ分かれば魔物の取りこぼしも、ダンジョンマスターの取りこぼしもあり得ないというのにこのフロアには人っ子一人いないませんね~。
まさかフロア把握を阻害できる手段があるのでしょうか~? ここのダンジョンマスターは他よりも一風変わっていると思った方がいいかもしれませんね~。
まあ何か仕掛けがあるんでしょうね~。不気味ではありますが、私がこんな底辺のダンジョンで攻略失敗するわけにもいきませんからね~。
「おかしいですね~。フロアが1つしかないのにダンジョンマスターがいないのはありえませんから、どこかに隠れているはずですよ~。なので調べてください~」
思ったよりも面白いダンジョンに巡り合えましたね~。これで可愛い女の子がダンジョンマスターなら言う事ないんですけどね~。
前のダンジョンマスターは美しいと評判でしたが私では手が出ませんでしたから、今回の目的は報酬よりも食べるつもりなんですがね~。
そんなことを思いつつも態度には全く出さずに部下に指示を出していく。今まで培った経験を元に調べていくが大したことは分からなかった。
分かった事と言えば扉とボタンの2つしかこのフロアにはないという事だ。
という事はこの2つに何か仕掛けがあるのだ。そのうちの一つである扉は部下が[取っ手]を使って開こうとしても開くことが出来ない。それを見てもう一つのボタンへと目を向ける。
後は《罠捜査》のスキルを持つ部下に期待するしかありませんね~。
「ドゴン様、この罠何かが開くようになっているみたいですぜ」
相変わらず粗野な言葉遣いにはイラッときますが、まあいいとしましょうかね~。とりあえずは押す人だけ残して私は少し後ろに下がりましょうかね~。ボタンを押して扉が開くと決まったわけではないのですからね~。
一番ありえそうなのはボタンの下の落とし穴が開くってものですしね~。頑張ってくださいね~。
「押してみてください~」
部下がボタンを押した瞬間。侵入者一同は揃って下に落っこちた。そして閉まる“扉”に飛びつこうとするが自慢の羽をバタつかせても飛び立つことが出来ずにその光景を見送っていく。
ダンジョンには光がほのかにあふれているので、闇属性でない限り辺りが見えなくなることはない。けれど今回は全員閉まる頭上の扉に視線が行っていた。
お蔭で近づいてくる魔族に気付くことが出来なかった。
何か冷たいものが体中に付着し、それぞれがガード体制を取る。訓練された冒険者ならこれぐらい当たり前の反応だ。
けれど今回はそれが仇になった。クロスした腕が取れず、肘が伸びない。粘着液で体を固められてしまったのだ。
そしていつの間にか目の前に居た魔犬5匹と子ブリン2匹を見て一同が絶望した。
◇◇◇◇
今回作った罠の特徴は即死ではないが、かかったらほぼ確実に死ぬだろうという代物である。
ダンジョンのLvが上がっていけば、より多くの戦闘技能を敵も駆使できるようになるので一時的な物ではあるけれど、強力な事に間違いはないと思う。今回気になったのは背中の羽だ。
あれを利用されたら取り逃がしていたどころか、ここへやって来ることさえありえた。だが現実は面白い程に引っ掛かっている。
もう見破られてしまったが、この仕掛けのいい所は相手にフロア一つと認識させない事で、目の前にある俺が作った扉を見てここを通れば先に進める、という常識を利用する事だ。
当然扉は開かないし、となれば部屋にもう一つある“ボタン”に意識が行く。そこで罠を調べればボタンを押す事で開くという結果を得られる。もし得られないとしても帰るか押すかの2択しかないので、それも特に問題ない。
押した後は地面が開く。といってもこれは《迷宮創造》で作り出した正真正銘の“扉”だ。罠と連動できるかは半々の可能性だったが、出来てしまったのだから仕方ない。敵には諦めてもらうしかない。
その下はご存じのとおり落とし穴になっている。この落とし穴の凄い所はフロアに居たら空を飛べない限り確実に落ちるという事だ。
何せフロアと同じ広さの落とし穴なのだ。これを応用すれば小部屋作れるんじゃない? とも思うが今はPが足りないから試せない。
罠作成でフロアを作るなんてひどいと思うが、既に迷宮壊してフロアを作っているのだから気にしたら負けだと思う。
ちなみに自力で作ったフロアは落とし穴に横穴を作ってその先にフロア小程度の広さを設けた物になっている。
まさか罠の中にフロアに通じる道があるとは思うまい。
しかも落とし穴の底には粘着沼が広がっているのだから尚更だろう。粘着沼に浸かったら普通身動き取れないが俺とその配下は違う。
10Pの小細工。味方に対して粘着液の粘着性の無効化を施しているのだ。超限定的な無効化は10Pというローコストでの実現が可能だったのはかなり良かった。他にも追加しようかと頭の中で作戦立案の時にシュミレートしたら一気に消費Pが倍々になっていくのは焦った。
ま、そんなこんなで粘着沼は味方にとってはただの池同然と変り果て、苦も無く動くことが出来るようになったのだ。そこに魔族を配置して落ちてきた相手に粘着液を浴びせるよう指示することが出来たのも利点の一つである。
粘着液は接着剤のようなものなので皮ごとはがせば取れない事も無いが、粘着液を浴びせる事によって動くことすらままならなくなった状態では力を入れるにも限界があるし、戦闘技能が使える場合に備えて口を狙う様に指示していたので、中々悲惨な事になっているのではないかと予想できる。
今は恐らく称号補正でHPの高い相手を俺の魔族達がじわじわいたぶっている所だろう。
そして現在悠々と罠の方へと俺自ら歩みを進めている訳だけど、出て行ったときの奴らの驚く顔が目に浮かぶ。虫だから表情とか良くわからんけど。
落とし穴に着いたまでは良かったのだが、予想外に罠の落とし穴は既に緑の血で溢れかえっていた。粘着沼の上に血の層が出来上がっている感じだ。粘着液を付着させた後なので別にいいのだが、後で掃除にPを使わないといけないと思うと悲しくなる。
こんな緑色の池が出来上がったのは魔犬が敵を殺そうと噛みまくっているせいであることは確かだ。何せ子ブリンは骨を折るだけなのだから、血溜まりを作るのにそれほど貢献していないだろう事は明らかである。
それにしても出血量から言ってそろそろ部下はそろそろ死ぬんじゃないだろうか? 称号でHPがどこまで増えているのやら、敵とはいえじわじわ殺すのは若干可哀そうだ。
「やっと現れたと思ったら人族が2人もいたのですね~」
どうやら虫リーダーは残念なことにその防御力の高さから召喚した魔族では傷つけることが出来なかったようだ。しかも生意気に口への粘着攻撃を躱してたらしい。
これは思わぬ誤算であったが、戦闘技能を使えない今なら問題ない。しかももっと強い魔族を設置しないとちゃんと機能しないと分かったので十分な成果と言えるだろう。
気持ち悪い目をアリサに向けているのは殺してやりたい衝動を覚えるがここはぐっと我慢だ。アリサの情報も当てにはなるが情報は鮮度が命だからな。
「国がダンジョン攻略で報酬を出すのは何故だ?」
「知りませんよ~。私が気にするのはそのダンジョンが魅力ある者かどうかです。国の報酬などさしたる意味を持たないし、興味もありませんね~」
なんだこの虫立場が分かっていないんじゃないだろうか? いちいち語尾を伸ばすのがイラつくんだが
とりあえず近寄って一発殴る。さすがに俺の攻撃はダメージが入ったようで驚いた顔、もとい雰囲気を出していた。
「まだ出来たばかりのダンジョンマスターなのに私にダメージを与えられるとは……どういうことでしょうね~。なるほどこれは詰んでいるようですね~」
どうやらこいつはダメージを与えることは出来ないと思っていたらしいな。最初のステータスのままだったら分からんでもないけど今俺は称号補正が付いてる。これぐらいわけない。
そうだろう? アリサ。
と語りかける様に振り向くとこちらも驚愕していた。そういえば新しく称号取得したの言ってなかった。
「なるほど美しい方がいるではありませんか~、最後に私と交…」
虫野郎が何か言いかける前にアリサが闇球を顔面に放ち、言葉を遮る。下種な事を考えているのは見て分かるので俺も何度か殴り続ける。
本当は途中で止めるつもりだったのだがアリサは休憩を挟みつつ、闇球を撃ち続けて虫リーダーを殺してしまった。
最初の連打で顔の形が崩れてたから卑猥な言葉どころかまともに喋ることも出来なくなってはいたが頑丈さが取り柄みたいだからまだ大丈夫だろうとアリサの連続攻撃を許していたのに、死んでしまうとは情けないぞ虫リーダー。
正直大切な情報源を失ってしまったのは痛いが、アリサの心中を慮ればこれぐらいどうにでもしてみせる。兄貴分として。
何せまだまだ侵入者も来るだろうしね、どうとでもなるわ。
そう思い、今回の虫討伐の締めとしてにステータスを開いて見る。
―――――――――――――――――――
名前:大沢ノリト
種族:人族
職業:迷宮の主
Lv:1 NEXTLv:10P
HP:100/100
SP:50/50
P:300
STR :10(+50)
INT :10(+5)
DEX :10(+10)
DEF :10(+5)
MDEF:10
AGI :10
LUK :10(-2)
固有能力:《迷宮創造》《罠作成》《魔族召喚》《隷属化:階級操作》
戦闘技能:《集中》《加速》《直感》《光魔術》
称号:《生命の冒涜者》《隷属者の主》《迷宮の破壊者》《罠師》
―――――――――――――――――――
予想だが手下が50Pで虫リーダーが100Pではないだろうか。どうせ調子に乗って弱い面子で来たんだろうけどそれが間違いだったよな。有難う、虫だけど美味しかったよ。
《罠師》…罠を駆使して己よりも各上を狩った強者。DEX+10
これでまた一歩強くなってしまった。兄貴分として申し分ないなと悦に入る。
「私のも見せてください」
何故か怒った様なアリサの催促を受けて画面をスライドさせる。
―――――――――――――――――――
名前:園田アリサ(隷属者)
種族:人族
職業:ノリトの部下
Lv:1 NEXTLv:10Ex
HP:200/200
SP:150/150
Ex:200
STR :20(+20)
INT :30(+30)
DEX :25(+20)
DEF :10
MDEF:20
AGI :20(+10)
LUK :5
固有能力:《罠作成》《霊族召喚》
戦闘技能:《暗殺》《闇魔術》《MP回復速度上昇》
称号:《闇夜の姫》《霊を従がえる者》《闇の魔術師》《女王様》
―――――――――――――――――――
《MP回復速度上昇》…MPの自然回復速度を速める。
《女王様》…Mを痛めつけるS女。STR+10、DEX+20
これは酷いと言わざるをえない、アリサがプルプル震えるのも分かるよ。俺も震えてしまうし……可笑しくて。それもこれもシステムが悪いんだ、お前が悪いわけじゃないさ。そう、目で語ってやる。
「全部……全部ノリト兄さんのせいですから」
通じなかったのは分かったよ。でも俺は悪くないと思うぞ、攻撃し続けたお前が悪いんだよ。だからその複数浮かぶ闇球を収めてくれ、そう改めて目で訴えたのだが結局当てられた。
ダメージを受けないのが救いだが、リアクションを取らないと怒りを収めてくれないから何気に大変なので、これからは目で語るのは止めようと思う。
冗談はこれぐらいにして最後は魔族のステータスを見てみる。これはLvを上げた方が良さそうなのでとりあえず出来るだけLvを上げておく。
―――――――――――――――――――
名前:魔犬①~⑤
種族:魔族
職業:ノリトの魔犬
Lv:5 NEXTLv:50Ex
HP:170/170 ↑120
SP:90/90 ↑80
Ex:20
STR :15 ↑9
INT :5 ↑3
DEX :12 ↑7
DEF :9 ↑4
MDEF:5 ↑3
AGI :20 ↑12
LUK :4 ↑2
固有能力:《群》
戦闘技能:《吠える》《牙強化》
称号:未取得
―――――――――――――――――――
《群》…50Exを消費して自分よりも弱い魔族を1体召喚し、使役する。
《牙強化》…牙を強化し、時折相手を出血状態にする。発動時STR+5
―――――――――――――――――――
名前:子ブリン①~②
種族:魔族
職業:ノリトの子ブリン
Lv:2 NEXTLv:70Ex
HP:200/200 ↑100
SP:60/60 ↑10
Ex:50
STR :16 ↑6
INT :2
DEX :15 ↑5
DEF :15 ↑5
MDEF:3
AGI :7 ↑2
LUK :7 ↑2
固有能力:未取得
戦闘技能:《若き力》《痛恨の一撃》
称号:未取得
―――――――――――――――――――
《痛恨の一撃》…攻撃力を2倍した一撃を放つ。必要SP20
魔犬がLv1毎に10、子ブリンがLv1毎に20振り分けられるようだ。恐らくHPとSPは固定だろう。それぞれがそれぞれの良さを持っているので、上がる値で強さを判断するのはまずそうだ。
それぞれが取得した戦闘技能を見て次の獲物はもっと楽に仕留められそうだと安心する。強い奴を召喚しなくても何とかやって行けそうだ。でも念のためで後で2体インプを召喚する事にしよう。
それにしても《群》とは、今はまだ意味はないがなかなか面白そうな固有能力だ。やはり今回群れで戦わせたから取得したのだろうか? だとすると戦法を変えれば他の固有能力取得も出来そうだ。
ただそれを試すには場を整えるためのPが必要だろう。結局当分は待ち続けるだけだ。
とりあえず待ち時間の間、死んでいった虫族を解体してみんなで食べる。アグレッシブだがこれがダンジョンの普通だとアリサが言っていた。
食料について話し合ってた時はまともだったのに、どうやらあれは出来ればいいなぐらいの話し合いだとしか思っていなかったらしい。だからといって俺が虫を食べる事を受け入れるはずもない。
それどころかアリサが豪快に虫だったものを食いちぎり、咀嚼する姿は空腹を感じていたはずなのに食欲がなくなる程酷いもので、俺はこの光景を目の当たりにして決意せざるをえなくなってしまった。
絶対まともな食事にありついてみせると、そして妹分にちゃんとした食事をさせようと。
これが畑作りへの決意を俺が心に刻んだ瞬間だった。
アリサ「ノリト兄さん、破壊者って何ですか?」
ノリト「迷宮掘ってたら出てた」
アリサ「ああ、いつの間に掘り上げたかわかりませんが、あの不格好な小部屋のせいですか」
ノリト「それそれ、助かったろ?」
アリサ「別に計画通りの2人分の広さがあれば良かった気がしますよ」
ノリト「……」
アリサ「でもこれから使うでしょうし、いい事しましたね」
ノリト「おうよ!」