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Restroom 経験と実力。

待たせてしまって申し訳ない。

◇11/28 加筆修正。

◇1/12 句読点修正。 

 落ちるのを免れた人達が今度はきちんと[ボタン]を押して最初のフロアを通過していく。水フロアは対策済みだったのだろう、水に浮かぶビート版の様なものを使って体力をあまり消耗せず、一つ一つ丁寧に解錠していく。


 経験の無い駆け出しとは大違いの対応に少し感心してしまう。けれど彼らの快進撃はそこまでだった。


 針の通路を重装備の人が一番前を陣取り、一列の隊形を取るのは当たり前ではあるがいい判断だと言える。でもあれはノリト兄さんが作った最悪の罠、正直上級者でも知っていたとしても攻略が難しいんじゃないかと私は思う。


 まず水が貯まる前に扉を開けないと風圧で吹き飛ぶ、耐えられたとしても流れ込む水が常時蒸発し、恐ろしいほどの熱気がこもるフロア内を全速力で通過しないと酷い火傷を負うことになる。

 必然的にあそこは兎に角全速力で通り抜けないとダメージを受けるようになっている。でも水で滑りそうな下り坂を全速力で降りていくなんて生半可な度胸で出来る事ではない。


 本当にあれは恐ろしい、ノリト兄さんが思っている以上に凶悪過ぎるのだ。


 実際このPTも可哀想な事に爆発で後衛と思わしき2人が爆風に耐え切れず吹き飛び、1人が重症、1人が針に刺さって即死した。その後爆発に警戒しながら進んだおかげか、前衛と思われる装備をした3人が火傷を負っていた。


 この部屋に来るのにもう時間はかからないだろうがその間に薬草の類を消耗するのは確実だろう。


 《投影》で見ていて若干敵が哀れに思えるほど罠が酷い。他のダンジョンならまだ序盤とも思える場所で大量の回復薬を使わないといけないなんて、ノリト兄さん風に言わせればなんて無理ゲーと言った所だろうか。

 おかげで久々に敵と直接戦闘すると言うのに全く不安が沸いてこない。それどころか落ち着いてられる。

 そこらへんは感謝すべきだと思うけど少し複雑である。


 昔を思うと今の落ち着きようが信じられない、何せ私がここにやってきたときと言ったらそれはもう駄目だった。




◇◇◇◇




 華道の先生が待つ部屋へ行こうと戸を開けたはずなのに、私はいつの間にか小さな部屋の中にいた。殺風景でへの中央に小箱と紙が置いてあった。その部屋で私は迷わず回れ右をして戻ろうとした。

 けれどその先にあったのは冷たい土壁で私は額を打つことになってしまい。


「あうっ」


 思わず変な声を出してしまった。周りを見渡して誰もいない部屋に少しだけ感謝しつつ、こんな無様な姿ノリト兄さんに見られなくて良かったとホッとする。

 それから出口がないのか調べて何処にもそれらしきものがないという現実に突き当たった。


 そこで何故自分がこんな場所にいるのか考え、誘拐という結論に行き着いた。けれど華道の先生は豪邸で警備を厳重、とても外部の人が入れるとは思えない場所だったのだけれど……。


 そんな疑問を抱えつつ兎も角手がかりは部屋の中央においてある紙と小箱だけしかない、必然的に私は手紙を読む羽目になった。


 私はそこでどれ程放心していたのか自分でも良く分からない。


 性質の悪い冗談だと思った。


 だってこんなの簡単に信じられるはずがない。こんな小説みたいなことが現実な訳がないと誰だって思うはずだ。


 ――――これは夢なんだ。


 そんな空想にすがりたかったけれど、試しに嵌めてみた小箱の中にあった腕輪は、そんな甘い夢を見させてはくれなかった。


 突きつけられたのは空中に突如出てきた半透明の画面、とても今の日本では成しえないと思える技術。


 ここまで来て私は初めて自分の頬を抓り、現実を直視せざるをえなくなった。


 私は急いで手紙を読み返し、そこで母が死んだ事実を理解した。


 それはあまりにも急すぎて、僅かながらに持っていた私の希望を容易く打ち砕き、絶望させるに十分な内容だった。


「そんな……そんな……」


 私の両目からは涙が溢れ出し、口からは自然と嗚咽がもれた。


 ……母さん嘘だよね、こんなの。


 いつも無駄な自信を持っていた母がそんな簡単に死ぬはずがない。


 父にあんな無駄に強い女を私は見たことがないと言わしめた母が死ぬはずなんてない。


 愛してるって、絶対いなくならないって、TVに影響されて母が死ぬと泣いた私に約束してくれた。


 だから死んでいるはずがない。死ぬはずがない。


 だから……こんなの嘘だよね、母さん。


 答えが出ている問いをいつまでも誰もいない虚空に問いかけ続けた。


 私が正気に戻ったのはそれからどれぐらい経ったか、紙を読み直し私が死ねばノリト兄さんがこちらに来てしまう。その事実が私を奮い立たせた。


 母の死は受け入れがたく、未だに整理が付かぬまま私はダンジョンと呼ばれるものを作るべく能力の把握に勤めた。

 そして私は再度絶望することになった。


 私は母を生き返らせることが出来た……。


 その事実が私の心を暗闇のどん底へと突き落とした。


 初めて経験する過呼吸が私を苦しめ、意識までも闇へと落とそうとする。


 ここで眠ったらきっと楽だろう。


 このまま誰かの、ノリト兄さんが助けに来てくれることを夢見て眠るのも幸せだろう。


 止め処なく流れる涙が女々しい私を濡らしていく。


 そうしてどれ程泣いたか、私の心はきっと涙とともに流れ出ていったんだと思えるほど私は冷静になれていた。

 どこまでも不気味だった。先程まで絶望のどん底にいたはずなのに気づけばそれを乗越えていた。いや、その事に関して何も感じなくなっていたと言った方が正しい。


 今思えば私はこの時壊れたのだと思う。


 空腹を感じて何かが無性に食べたくなった。けれど何も食べ物など持っていなかった。


 結局私はダンジョンを作る以外にやることがなくなってしまった。


 霊族を召喚してどうフロアを作れば有利に戦えるか考え始めた。結論は思ったよりも早く出た。


 元々戦いや策を練ることが得意でもない私が出来ることなど限られていた。だからこの結論に行き着いた。


 ――――闇フロアでの不意打ち。


 私のこの思いつきは最高に私とマッチした。霊族の闇との相性、そして私と闇の相性。どれもが抜群に良かった。


 私は1ヶ月の間で闇を最大限利用した戦法を戦いの初心者なりに考え、実行した。


 そして迎えた敵襲来の日、元々考えていたようには上手く行かず、私はパニックに陥って気づけば敵を殲滅していた。


 考えてみれば簡単な話だった。私は戦ったことがない、なのに戦えると勘違いして敵を殺すのに躊躇し、逆に殺されそうになった。

 そう、私は戦えないのに実戦に出ていた。後ろで待っていればいいのにどうしようもない不安と焦燥が私を突き動かしていた。

 何かしないと落ち着かなかったから、だから前に出てしまった。


 そうして気づけばパニックを起こして全ての味方を呼び寄せ、敵を肉片へと変えていた。そしてその肉片が私を呪うかのように体へこびりつき、気持ち悪いぬるぬるとした感触が服の中へと入ってくる。


 吐き出すものがないのに私は幾度となく吐き続け、汚れの取れない手で体を拭い続けた。


 胃液も底を付き、人として生きていけないのではないかと思われるほどに嘔吐し続け、泣いた。


 でもそんなのは最初だけだった。


 次の敵を殺した時はパニックにもならず、特に何も感じなる事無く殺せる様になっていた。


 まるで戦うために不要な感情が省かれているかのように。いや、それこそが真実なのだと私は確信している。

 ……私はこの場所にいる限り何処までも残酷に壊れていけるんだと感じるから。


 最初はゾンビがしていた敵の死肉を喰らう行為も空腹に負け、私はいつの間にかほとんど戸惑いを覚えることなく同じように喰らえるようになっていた。


 変わらないことももちろんあった。


 それは不安と焦燥。


 私が前線へと出る動機。


 私は着実に、少しずつ壊れていくのが自覚できた。


 だから私はせめてもの抗いとしてノリト兄さんに誇れる自分になろうとしていた頃と同じように、優雅さを意識し始めることにした。


 敵の前に出るときは常に笑うように。


 まるでそこが社交場であるかのように振舞い。


 そして罠で敵を即死させることに、敵を音もなく忍び寄り、一撃必殺で殺すことに拘った。


 私を突き動かす不安と焦燥の中にノリト兄さんへの想いが改めて加わった瞬間だった。




◇◇◇◇




 あれから3年もたっている。少しぐらい成長していても不思議じゃないとは思えるけど、私は結局独りでダンジョン運営していた時にこんなにも安寧を感じたことなど無かった。

 なのに今は格上相手だというのに心が澄んでいる。ノリト兄さんの側にいるからこそ私は穏やかになれる。壊れた心でもノリト兄さんをきちんと想える、その事実が私を何処までも高揚させる。


 不安も無く、焦燥も無く、ただノリト兄さんの為に、未来の為に私は望んで戦えるようになっている。


 やっぱり妄想と現実は別物なんだと本物のノリト兄さんを前にしてそう感じる。


 ……それにしても落ち着いて考えれば、ノリト兄さんが召喚されたって事は私がノリト兄さんを好いているって事で気づいてもおかしくないのに、ノリト兄さんにはそれらしい動きは見られない。


 それどころか最近は他の魅力的な女の子ばっかり増えて困ってしまう。


 母さんが生き返えらせる為の手段を見つけてくれたことは素直に嬉しいし、敵を簡単に撃退できる方法を考えてくれるものいいと思う。

 でももう少し私に気を配ってくれてもいいんじゃないかなーと思うのは果たして甘えなのだろうか。


 男は押し倒して手に入れろと私に教えた母。でも実際押し倒したのは父だと聞いている。


 つまりは精神的に押し倒して男の意地を利用し、反発を利用して肉体的に相手からアプローチさせろという事だ。私はまだその領域に残念ながら達していない。


 一番てっとり早いのは私からきちんと告白することだろうけどその踏ん切りがつかない。


 やっぱり男の人のほうから告白して欲しいと思うのは女の子として当たり前のことだと思うわけで、いいわけじゃないけどロマンチックな背景を背にしてキキキ、キスなんてのもいいと思うわけで。


 でもでも普通に好きだって言われるだけでもいいかもなんて思ちゃったりして。


 あーうー、あーーーーー。


 昔は出来なかったけど、ノリト兄さんがこの場にいるからこそ出来る《シミュレーション》を駆使したノリト兄さんの告白シーンを再現。やってみたい! ハァハァ という欲求を抑えつつ骨の散らばった闇フロアを転げまわる。


 体が火照って仕方がない。でもその火照りが心地よくて困ってしまう。


 哀しい昔を思い出していたというのにノリト兄さんといるとすぐ忘れてしまいそうになる。


 自分への戒めが緩くなってしまう。


 自分の顔が緩んでいるのも分かってしまう。


 あうあうあー。


 変な声を出しつつ悶えるなんて暗くて見えない闇の中だからこそ出来る行為である。


 さすがに敵の足音が聞こえてきたので自重して立ち上がる。


 フロアに敵が入り、骨を踏みしめる音が聞こえる。


 闇の向こうが仄かに明るい。


 光が届かない闇の中を一歩ずつ踏みしめながら敵はフロアの中央までやってきた。


 ようやく私がおぼろげに視界に入ったのだろう、少し驚きをあらわにしながらも戦闘隊形を維持して警戒している。


「お初にお目にかかります」


 丁寧にお辞儀して挨拶をする。


 敵は拍子抜けしたような顔をしながらも周囲への警戒を解かずにこちらを見据えている。


 さすが、と言った方がいいのだろうか。初心者達だと周りの注意がこれだけで疎かになるので簡単なのだが、世の中上手くいかない。


 事もないかな。


 突然敵の下から飛び出てきた手を見ながらそう思う。骨の下に彼らはいる、動きが遅く、とても真正面からぶつかることの出来ない彼ら。


 そんな彼らが出来ることは接近戦のみ、けれどそんなの敵が許してくれるはずもない。なら引き込んでしまえばいいのだ。


 ゾンビの手に掴まれて1、2人と穴の中へと落ちていく。


 二人しかは入れない狭い穴では魔法を使うことは出来ず、まともに武器を振うことも出来ない。助けようにも攻撃すれば確実に穴に落ちて人も巻き込まれてしまう。


 結果、敵は落ちた仲間に何もしてやれず、落ちた人は落ちた人で何も出来ずにじわじわ食われていった。


 あまりに恐ろしい光景を見て自分もああなりたくは無いと、慌てて飛びのいたほかのメンバーには骨犬と新たに召喚したゴーストを当てる。もちろん多数で当たっても格上相手に経験不足な彼らが出来ることは無く、骨犬はすぐさまばらばらにされ、ゴーストはすぐさま追い払われる。


 それでも止めさせないのは、骨犬の骨がどれか分からないということと、ゴーストは闇に溶け込んでしまえば逃げること自体が簡単だからだ。


 どの道彼らが負けようと私にとってそんなことはどうでもいいことだ。


 私にとっては敵が一瞬私から気をそらすだけで十分だった。


 一瞬意識を私から離した瞬間、私は敵の認識外へと飛び出し、防具の隙間を縫って2人をズタズタに引裂いていく。


 敵が強い故に一度に切り裂けない、そのため何度も何度も防具の隙間から敵の体を切り刻む。そうして何時の間にか腕や足が切り離され、痛みで何が起きたかも考えられず、対処も取れずにばらばらになっていく様を見届ける。


 人間には死角と呼ばれる場所がある。それは人間だけではなく人型になった他の生き物にも当てはまる。


 進化したかのように思える彼らは感情を持った事で処理する情報の量が増え、以前のように獲物を捕らえる為の最適な行動、思考が出来なくなった。

 結果、ほぼ360度見えていた虫達、本来全方位に気を配っていた動物達も必然的に視野が狭まり、本能と呼ばれる危機管理能力が低下し、十分に処理できる情報のみを取得するようになり、死角という弱点が出来上がった。


 私が出来るのは3年もの経験を活かし、その死角を見極め、其処に踏み入って敵を裂くことだけ。


 されど敵にとってそれこそ脅威なのだと私は理解している。


 一度私を見失えば私を捉えることは難しい、私の3年の集大成、《暗殺》が無くとも出来る私の技術。


 そして《暗殺》を使うことによって私は完全に敵から視界、認識から消え去り捉えることは闇の中に居る限り適わない。


 最初に姿を見せたのは私なりの礼儀、死に逝く者への手向けなのだ。


 バラバラに崩れ落ちていく仲間を見ながら脅える最後の一人へ見えぬ場所から問いかける。


「何で貴方達のように強い方がこられたんですか?」


「俺達はただ依頼でエルフを探してただけなんだ。転生迷宮を攻略しようなんて思わなかったんだ、本当だ。信じてくれ!」


 怯えながら声のした方へ、つまり私の方へと向きを変えて私を探る。


「貴方達の持ってきたものを見れば攻略する気満々に見えますよ? 私としてはどうでもいいのですけど、殺しますね?」


「あんた誰なんだよ。どうしてまだ弱いはずのダンジョンにあんたみたいな奴が……」


 震える声で質問しようとする彼の瞳に私の姿がはっきりと映るのが見えた。たいまつの炎が私を照らしてしまったのは彼の不幸と言えるのかもしれない。


 本来であればここで反撃すれば十分助かる目処があった。けれど敵は混乱の境地で冷静な考えなど浮かばず、ただ理不尽な現実に対して憤りを感じているだけだった。


「馬鹿な、死んだはずだっ! あ、あんた死んだはずだろ!? 闇夜の鬼姫!」


 嫌いな呼び名、どうしてもアイツのことを思い出してしまう。しかもノリト兄さんに爆笑されたという事実も怒りに拍車をかけている。


 徐々に熱くなってくる体を押さえつけながら問う。


「エルフの依頼は誰から?」


「うるせえ! 何で生きてんだよ! ああ、幻だろ? そうだろ! そうに決まってる!」


「煩いのは貴方ですよ」


 一閃して腕を切り落とす。既に死んだ人が相手ならこうも簡単に切り落とせはしない。けれど彼が一番弱いと思ったから残したのだ、出なければこんな悠長に喋ってるはずも無い。


「うぁあああああ」


「誰の依頼でエルフを探しているか言いなさい」


 もう助からないと思った奴等は2人とおりの行動に出る。逸し報いようとするものと


「どうせ死ぬんだ。誰が教えるかよ、でもいい事教えてやるよ。俺達と別の一組いただろ? へへへ、あいつら俺達より全然強いぜ? あんたがいち……」


 聞くに堪えない言葉を吐き続ける者だ。もちろんそんなの許せるはずも無く、最後まで喋らせる事無く敵の首を落とす。


 ……強い?


 貴方達が手も足も出なかった私より強いノリト兄さんが相手しているのに、そんな心配するとでも思っているのだろうか?

 それならお笑い種だ。


 彼らは知らない。このノリト兄さんの恐ろしさは罠だけじゃない。


 全ての物事に対する試行錯誤の積み重ね、閃き、そして実行できる残忍さ。彼の恐ろしさは躊躇わない事。

 ステータスにのっている強い弱いの話ではない。


 ノリト兄さんは自分の弱点を理解している。


 こうして思えば理解して弱点をなくしていく、弱いはずなのに弱点の見えないノリト兄さんはなんなのだろう? それはもう弱者と呼べるのだろうか?

 彼らに勝ち目があるとしたら弱点が目に見えている時だけではないだろうかと私は思う。そう、それこそ勝ち目は最初にしかない。私のように時間をかければその分ノリト兄さんは圧倒的に強くなっていくはず。


 私のステータスを見てみれば分かる。


―――――――――――――――――――

名前:園田アリサ(隷属者)

種族:人族

職業:迷宮の主補佐

Lv:22 NEXTLv:220Ex

HP:1880/1880 ↑1680

SP:990/990  ↑840

Ex:125


STR :104(+60) ↑84

INT :114(+40) ↑84

DEX :109(+30) ↑84

DEF :94(+10)  ↑84

MDEF:104(+10) ↑84

AGI :104(+20) ↑84

LUK :47(+10)  ↑42


固有能力:《罠作成》《霊族召喚》《フロア操作》

戦闘技能:《暗殺》《闇魔術》《MP回復速度上昇》《加速》

称号:《闇夜の姫》《霊を従がえる者》《闇の魔術師》《女王様》《歴戦の強者》《狂食》

―――――――――――――――――――


《フロア操作》…既に出来上がっているダンジョンフロアの操作が可能。


《歴戦の強者》…戦い続けた者に与えられる称号。全+10

《狂食》…何でも食す者に与えられる称号。STR+30


 今回の敵は恐らく中級ぐらいだろうか、ステータスで言えば私より確実に強かっただろう。けれど結果は私の勝ちだ。

 私の攻略法について思考することを許していれば恐らく負けていたのは私だろうが、それをさせなかった時点で私の勝ちは決まっていたのだ。


 ノリト兄さんの周りでさえ、いや、技術が優れているだけでこのダンジョン内でステータスが弱い部類の私ですら今回来た敵に圧勝できた。


 彼らはきっと今回やってきた敵が帰って来なくても手強いとしか思わないだろう、恐らく私たちの事をきちんと理解できはしないはずだ。


 理解する日が来るのかは分からないけれど敵が私達について正しく理解し、その脅威を排除するために行動を起こすのなら、もしかしたら私達は人生の分岐点に立たされるのかもしれない。

アリサ「昔より体が軽い気がする」

シア「痩せたのではないですか?」

ノリト「ああ、確かに昔は無駄なおに……」

(ボキャッ、ゴキャッ、ブキャラッ)

アリサ「ダンジョンの中じゃ変わらないですよ。全くもう……」

ノリト(ピクピク)

シア「それもそうですよね」

アリサ「そうそう、多分気持ちが軽くなったからだと思うんですよね」

ノリト「何で?」

(メキョメキョッ、ブチャリ、グサササササ)

シア「……」


◇真・あとがき◇

 アリサファンが少ない気がする今日この頃、迷いに迷った話を投稿しました。

 アリサ過去話は少し重いので分割して軽く見せています。


 更新不定期で申し訳ない限りですがこれからもこんな感じです。

 せめて話が面白いと思っていただければいいのですが……全力尽くします。

 今回の話と次は迷いに迷った話なので何かご指摘、ご意見、ご感想ありましたら感想板に書いていただけるとかなり嬉しいです。

 この話に反映できるかどうかは分かりませんが気軽にどうぞ。

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