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Room011 嘘はつけない狼さん。

◇10/07:ご意見募集〆。微修正しつつこのまま進めていく事にします。

◇1/12 句読点修正。


沢山のご意見ありがとうございました。

 お風呂のおかげでリフレッシュしたけれど、即効汚れる事になってしまう魔狼は可哀想だ。


 でもこれもやらなければ行けない事なのだから頑張ってもらいたい。


「今回のカードは進化した獣、魔狼とただの的、ゾンビの異例のコンビで戦うわけですが解説のアリサさん、これをどう見ますか?」


「ノリト兄さん、このノリっていつまで続くんでしょうか……」


「嫌ならシア呼ぶか?」


「ノリト兄さんは本当に仕方がない人ですね。いいでしょう、百戦錬磨の私が解説してあげます」


 さっきまで俺が食用にしないゲテモノの肉を一人で食べて、しかもその後すぐ眠ろうとするのを俺が邪魔したために不機嫌ですとばかりにジト目で睨んで来たというのに、今は誰もが羨む可愛らしい笑顔を浮かべている……、切り替え凄まじいな。


「手間が省けて助かるわ。さて、アリサさんはどう見ますか?」


「そうですね。先ほどチラっと見せてもらった魔狼のステータスからすると、圧勝してしまうような気もしますが、ダンジョンLvがあがったことによって敵もいくつかの戦闘技能が使用可能になったはずですし、中々に見所のある勝負になるんじゃないでしょうか」


 戦闘技能やっぱり開放されてるのか……、念のために足を地面に突き刺しておこう。


「スタッフが今敵の粘着液を拭い去りました! さあ、ここからどうする!」


 粘着液を拭ったスタッフ(インプ)はすぐさま飛び去り退避して敵の攻撃をかわす。今回は魔狼&ゾンビコンビの戦闘力を測るためなので手を出さないよう指示している。


「敵はどうやら怒っているようですが、どうして怒っているのでしょうか?」


「もちろんノリト兄さんに遊ばれているからでしょうね。敵は比較的プライドの高い天獣族です、しかも外見は鷹。天獣族の中でも特に孤高を好む彼らのプライドは人間の王族に匹敵するとも言われていますね」


「そんな情報何処から仕入れたんですか?」


「3年もあれば色々あるんですよ?」


 意味ありげに笑って視線を天獣族に戻すアリサ。母親に似て笑顔が怖いやつである。


「我輩を侮るな! ダンジョンマスター、貴様が相手をしろ!」


「ノリト兄さん、指名されてますよ?」


「その前に魔狼が片付けてくれるだろ」


 怒鳴りながらこちらを指差してくる鷹人間を無視して魔狼とゾンビの動きに注視する。


 ゾンビのランニング訓練はあまり効果を表さなかったので途中から武器を使わせてみたりしたが、重いものを持たせて振り回させると腕が重さに耐え切れず、途中で腕ごと落ちたりするもんだから困ったものである。


 そんなゾンビを魔狼に乗せて何がしたいのかと誰かが見ていれば問われるかもしれない。


 あえて言わせて貰えればアレは単なる肉壁だ。


 酷いと言われてもこれだけは覆せない、ステータスを見ればもうこれ以外に使いようがないことぐらい一目瞭然である。


 ちなみに一番強いゾンビでもこの通り。

―――――――――――――――――――

名前:ゾンビ①

種族:霊族

職業:アリサのゾンビ

Lv:7 NEXTLv:170Ex

HP:870/870 ↑570

SP:30/30  ↑30

Ex:0


STR :30 ↑18

INT :6 ↑5

DEX :40 ↑30

DEF :75 ↑55

MDEF:6 ↑5

AGI :6 ↑5

LUK :2 ↑2


固有能力:《蘇り》《再生》

戦闘技能:《噛付き》《加速》

称号:《身代わり》

―――――――――――――――――――

 《再生》…切断された部位を再生する。


 《噛付き》…一定確率で恐怖を付与する。

 《加速》…体の動きを速める。


 《身代わり》…近くにいる味方のダメージを肩代わりできる。


 何度見ても完全な肉壁である。果たしてゾンビがどれほど持つのか俺には分からないが、魔術使われたら終わりだろうなってのはなんとなくわかる。


 なので魔狼には魔術は絶対避けろと指示を出してある。物理攻撃はどうするか? そんなの絶好のチャンスじゃないか、寧ろ突っ込ませてゾンビにダメージ肩代わりさせて攻撃だ。


 念のためステータスでHPを確認させながら戦わせるので、いざというときは一斉に敵をぼこればそれでいい。


 俺は罠にはめたりするのは得意だけど、如何せん戦闘等ほとんどしたことが無い。おかげで戦法やら何やら手探りで効果的なものを探さないといけない。


 以前の世界での戦略も少しは頭に入れているけれど、ここは向こうの世界とは大きく違う、拳銃とかだったら跳弾を狙ったりとか、奪ったりとか、色々対策が取れるんだけど、ここは武器なしでも戦闘技能を駆使されれば簡単に殺されるのだからたまったものでは無い。


 魔術なんてその最もたる例だ、アリサが知っている魔術を聞いた所で自分が習得しない限り詳細には把握できない。そんなものを防ぐ為にまずは防具を準備しようと思ったのだが、初心者が着てくる服は布でしかない。


 特殊な効果があるわけでもない。たまに鎧を着けている者もいるが、ただ重くて物理攻撃に対しての耐性が少しある程度、気休め程度にもならないものばかり、それどころか重さで逆に俊敏性が失われて不利になりそうですらある。


 本当はゾンビに魔術耐性とか便利なものが付いている装備をつけて盾にしたいのに、世の中ままならない。盾以外に存在意義がないゾンビ、少しでも変化が出ればいいという思いもあって今回魔狼と組ませたのだが、本当に盾代わりにしかなっていない。


 今見える光景、鷹が空気の刃――見えにくいが効果範囲が狭い――を繰り出しそれがたまにゾンビに当たると「ヴーー」と泣き声を上げるだけで身じろぎもしない。見事な盾役だといえなくもない。


 魔狼が避けてくれるので当たってもかする程度なので、ゾンビへのダメージもほとんどないし、心配するほどでもないのだが、逆に魔狼のスピードを殺しているおかげで攻撃が中々出来ていない気がしてならない。


 その場合の心配ももちろんしていた。でも魔犬の状態よりも早くなるのなら十分いけると踏んでいたのだが、思っていたよりゾンビは重い様だ。


 突っ込んだときに敵から物理攻撃を受けても魔狼にダメージがいかないのは予想通りでよかったのだが、見栄えが悪すぎる。


 ぐちゃって音を出すのを出来ればやめて欲しい、そりゃ俺がそうなるように仕向けているからこんなことを言う権利なんて持っていないんだろうけどさ、普通の人間を殺すとき以上に音がグロいんだよ。


 やっぱり所々腐っているからだろうか? 腐臭が全然しないのでいつも気にしないでいられるがこういう時はさすがに気になる。


「ノリト兄さんは結構変なことしますよね」


「何か変な事したっけか?」


「魔狼にゾンビのせるなんて馬鹿としか思えないです」


 俺も戦っている姿を見ると馬鹿らしくなってくる。正直これぐらいの相手なら魔狼1人でも十分仕留められるだろう。でも馬鹿らしいことでも試すことをやめたらこの場所ではやっていけないのではないだろうか?


 アリサは3年も戦い続けた猛者ではあるけれど、結局最後まで生き残ることは出来なかった。アリサと同じように戦ったとしても、攻略法を研究されている以上、3年と持つことはないだろう。


 なら色々研究して攻略される端から新しいものを投入していくしかないのだ。


「あの鷹プライドだけで思ったよりも根性ないですね」


「ゾンビの肉片身に纏って、尚且つ勝てない勝負だと理解していてもモチベーション保てるやつなんているとは思えないけどね」


 勝負もそろそろ佳境である。大したイベントも起こらず一方的な戦闘で勝敗がつくというのは何だか寂しい。


 別に危険な目にあいたい訳じゃないが、もう少し新しい発見のある有意義な戦闘をして欲しいと思うのは決していけないことではないと思いたい。


「終わりましたね。正直ゾンビいなくてもノーダメージでいけた気もします」


「言われなくてもわかってる。魔術の速度と効果範囲が思ったよりもなかったせいで軽々避けてしまったしな」


「どの道魔術が当たったら私のゾンビ死ぬじゃないですか」


「そうだな、結局現状では近接戦闘用の壁にしかなれないわけだ……、まず近寄れないけどな」


「それはおいおい考えましょう、魔狼で運ぶって手段もありだと思いますし今回の見てればそれが一番無難にも思えます」


「そりゃそうだ」


 戦闘は結局無難な終わり方をしてその後もずっと同じパターンで終わってしまった。せめて他のメンバーに変えようかとも思ったが、繰り返しやる事が重要だと思うのでそのままやらせた。


 繰り返し訓練する事で備わった称号もあるわけだし決して無駄ではないと信じたい。


 敵の殲滅も終わった事だし今まで取っておいたイレギュラーな進化を試そうと思う。


 まずはLvを17まで上げる。


―――――――――――――――――――

名前:魔犬

種族:魔族

職業:ノリトを敬愛する魔犬

Lv:17 NEXTLv:160Ex

HP:530/530 ↑150

SP:330/330 ↑100

Ex:50


STR :43 ↑13

INT :12 ↑2

DEX :35 ↑10

DEF :25 ↑6

MDEF:12 ↑2

AGI :60 ↑20

LUK :8 ↑2


固有能力:《群》

戦闘技能:《吠える》《牙強化》《統率》

称号:《仰ぎ見る者》

―――――――――――――――――――


 他よりもLvupが早いのが魅力だが相変わらずステータスの上がり幅は低い、《仰ぎ見る者》の効果で10分の1ほど増えているが変わった点といえばそれだけだ。


 いつ見ても羨ましい称号だ。訓練しても俺には出て来ないとか悔しくて仕方がない。やはり絶対死なない状況で戦っているからだろうか?


 避けることばっかり上手くなっても仕方がないのだが……、まあそれはよしとしておこう。


 待ちに待ったイレギュラー進化な訳だが、さっきから手が震えて仕方がない。危うくNOを選択してしまいそうで怖くなる。


 もちろんわざと震えているわけだが、反応してくれる相手もいないしそろそろやめにしてきちんとやろうか。


 《イレギュラー進化させますか? YES/NO》


 迷わずYESを選んで目の前に呼んでおいた魔犬の様子をじっと見る。


 じっと見ていたら何故か逃げてしまった、逃げてしまったから追ったのだがさらに逃げられてしまう。


 何故に? そう思いながら狭いダンジョンを使った追いかけっこが始まった……、と思ったらすぐにアリサに捕まったおかげで見失ってしまった。


「何をしているんですか?」


「いや魔犬をイレギュラー進化させたんだけど何か逃げちゃって」


「変化しなかったんですか?」


 そういわれて思い返してみる。そういえば逃げる時二足歩行していたような気がする。


「二足歩行していたな」


「なるほど」


 それだけで何になったのか分かったのだろう。一人だけ納得顔でどこかに行ってしまった。自分よければ全て良しか? なんて妹分だ、兄は悲しいぞ。


 と思いつつ開放されたので捜索を再開。


 あいつ賢そうだし見つけるの大変だなー、とのんきに考えながら散策していると、敵の装備が置いてある手作りフロアで装備品の山から飛び出る尻尾を見つけてしまった。


 体かくして尻尾隠さず……。フリフリしてて可愛い。


 ゴホンと咳払いをするとビクッとなる、なにこれ面白いなんて事は思ってない。


 もう一度咳払いをして反応を確かめてみる、けれど先ほどとは打って変わって何にも反応しない。仕方なしに尻尾を引っ張ってみた。


「ちょ、ちょっとやめてくれよ」


 何か聞こえたけれど気にせず引っ張る、強くも無く弱くも無いほど良い力加減で引っ張る。


 時折尻尾を撫でて反応を楽しむことも忘れない。


「やめろ!」


 相変わらず尻尾以外姿を見せてくれないのでやめる気など毛頭無い、それどころか次は装備品の中に腕を突っ込んでモフモフし始める。


「ぅう……やめてくださいお願いします」


 さすがに可哀想になってきたので一声かける、コレで反応しなかったら、今度はとても言葉に出来ないモフモフを楽しむ108の方法を試さなくてはいけない。


「出てきたらやめてあげる」


 出来れば出てきて欲しいけど、出てこなくても全然構わないなんて口が避けても言えない。


 相手は思ったよりも反応が良く、勢い良く装備品の山の中から出てくる。


 のそのそとゆっくりと這い出し、埃を払って仁王立ちして格好付ける相手を見て思う。うん、この子残念な子だ。


「主。やっと喋れるようになって嬉しいぞ、ただ恥ずかしいからもう少し時間がほ……って違う! フハハハハ! 私が誰だかわかるまい!」


 …………これは乗ってあげたほうがいいんだろうか?


 見た目からしてもう答えが出ている気がする。


 魔狼の素材を使った装備とでも言えばいいのだろうか、魔狼の毛皮を被っていて、魔狼の手足を大きくした手袋と靴をつけている。服は毛皮のパンツとサラシだけ、サラシは一体何処から来たのかわからないがもしかしたらイレギュラー進化の特典かもしれない。


 まさかね。


 他は目の色も魔狼と同じく真っ黒だし、肌も褐色だし、耳と尻尾が生えてるし、勝気な美人だしでまる分かりといっても過言ではないのだが。


 ここはあえて乗ってあげよう。折角喋れるようになったのだし会話を楽しもうじゃないか。


「わからん」


「ガーン……、ってそうだ、私の姿は今前と違うんだった。オホンッ……フフフ、聞いて驚け! 私は主の部下の魔犬だった者だ!」


「何だか嘘っぽいな」


「そんなっ……って堪えるんだ私、主の驚く顔が見たくて頑張ったのにここで無駄にしていいわけが無い!」


 心の声がだだ漏れだがどうしたものか……、ああ、気にしなければいいのか。


「ステータスを見てもらえば分かるぞ、私は生まれ変わってよりいっそう主の為に働けるようになったのだから!」


「ぉお! 凄いじゃないか!」


「ま、まあな! ……♪」


「でもだったらどうして逃げたんだ?」


「そりゃ……心の準備というか、その、あの、恥ずかしくて……。って別にそういう気分だっただけだ!」


 なるほど、確かに露出度高いし人前に出るには少し心の準備が必要だろう。


 まだ何かゴニョゴニョ喋っているが聞き取りづらいのでここはおとなしくステータスを見ることにする。


―――――――――――――――――――

名前:魔人狼

種族:魔族

職業:ノリトに尽くしたい魔人狼

Lv:1 NEXTLv:200Ex

HP:1530/1530 ↑1000

SP:1130/1130 ↑800

Ex:50


STR :112 ↑70

INT :42 ↑30

DEX :91 ↑60

DEF :63 ↑40

MDEF:42 ↑30

AGI :160 ↑100

LUK :18 ↑10


固有能力:《群》《魔狼化》

戦闘技能:《咆哮》《爪強化》《統率》《発熱》

称号:《仰ぎ見る者》《乗越えし者》

―――――――――――――――――――


 《魔狼化》…一定時間魔狼に変化することが出来る。

 《発熱》…細胞を活性化させ、一時的に全ステータス強化することが可能。使用後一定時間行動不可。

 《乗越えし者》…強さの壁を乗越えた者に贈られる称号。ステータス上がり幅上昇。


 ぅわー……、無駄に強いな。


 どのぐらいの確立でイレギュラー進化するのかわからないけれど、これは強くなりすぎでは無いだろうか?


 進化時はステータス上がり幅上昇の効果は無いと分かってはいるけれど、コレを見る限りそんなの必要ないとすら思える。マゼンダよりも強くは無いがこのダンジョンで2番目に強いステータスだ。


 仲間がどんどん高みに上っていくのを見ると早くLv上げしたくてたまらなくなってしまう、出来ればステータス上昇の称号欲しかったけどそろそろ諦め時だろう。


 敵も攻撃系の戦闘技能の使用が一部出来るようになっているみたいだし、そろそろ俺ものんびりしていられない。周りも強くなって死ぬ心配も無くなったしそろそろ自分にPを遣ってもいい頃合だろう。


 出来れば俺TUEEEEとかリアルでやってみたかったのだが現実はやはり甘くないみたい……、残念すぎる。


 あんまり期待して無いんだよな、ステータスの上がり幅。


 だって考えてもみれば蘇生隷属化したノイリでさえそれなりのステータスを持っていた。だというのにアリサのステータスはPの割に低すぎる気がしてならない。


 もしかしたら固有能力の質でPが跳ね上がったりもするかもしれないが、そこら辺は試しようが無いので予測でしかない。


 このダンジョンハッキリしない事だらけで本当に嫌になるとしみじみ思う。ああ、自分のLvを上げるのが怖くて仕方が無い。


「主! 聞いているのか主!」


「なんだ?」


 考え事をしていたせいで聞き逃したせいか魔人狼が不機嫌になってしまった。魔人狼って言いにくいから何かあだ名を考えたほうがいいかもしれない。


 んーーー……。


「私達の本当の戦い方を主に見せたいといったのだ! 主の罠はすばらしいと思うが私達の狩の技術だって負けて無いってことを教えてみせる!」


 無駄に叫ぶのが好きなやつだなと思う。凛々しい声だから特に不快とも思えないけど。


 そうだ、狼のおーちゃんにしよう。


 おーって何か叫んでる感じがするしいいのではないだろうか?


「わかったおーちゃん。今度敵を捕まえたら見せてくれ」


「お、おーちゃん!? 私の名前……か?」


「ああ、魔人狼じゃ呼びにくいからな、愛称ってやつだな」


「ふふ、おーちゃんか……にゅふふ」


 何かいきなりニヤニヤしはじめたんだが一体どうしたのだろうか? 嬉しいというのは分かるが、名前でそこまで喜ぶって事は他のやつにもつけて方がいいんだろうか?


「嬉しいか?」


「とっても! って別に普通かな!」


「そうか、それは良かった」


 バレバレだがそれはスルーしておこう。とりあえずあだ名考えるのは大変だし他は後回しかな。


 とりあえずおーちゃんを皆に紹介してから《職業変更》を試すか、正直進化も楽しみだったけどこっちは戦略に幅が出そうで気合が入る。


 個々の強さも必要だけれどやっぱりバランスも良くしたいし、敵をはめるための特殊部隊とかもできれば作りたいし。


 あー、仲間も増えて楽しいし何か最近充実してるな。


 出来ればこの平和を維持して行きたいが、これからもっと厳しい環境になるだろうし、そろそろ皆と話し合って戦略を立てないとな。


 人数が多い分罠を突破されると歯止めが利かないし、大きなフロアを作ってそこで大規模戦闘、それもこちらに有利な戦闘を出来る場所を設けないといけない。


 罠ばかりだと攻略されると使い物にならないからな……、どうにかして攻略できないフロアを作らないと。


「主! お願いだから聞いてください……主? ねえ主? ぅう……」


 また考えに没頭していたら無視してしまっていた。


 しょうがないから頭を撫でて慰めながらみんなの元へ向かう。一体どんな反応をするか少し楽しみにしながら足取り軽く歩み始めた。

ノイリ「むー」

シア「えいっ」

ノイリ「ぷしゅー」

シア「むくれていても可愛いですね」

ノイリ「もう一回やって!」

シア(一体何をむくれているのか分かりませんが……)「いいですよ」

ノイリ「むー、ノリトお兄ちゃんも一緒に遊んで欲しいな……」

シア「えい」

ノイリ「ぷしゅー」

シア(今度文句言っておきますね)

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