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Room010 みんなの癒しの場。

◇1/11 句読点修正。


ぐだぐだ感が半端じゃない気がするのは書いた私だけかもしれませんが、もしそうなら言って頂けると有難いです。

 まず何をするべきか考えた所で、ダンジョンの性能把握は必須だろという結論に達した。


 ゆっくり寛げるスペースを新たにフロア中から道を作り、スコップ等は使用せずに手で細かく作り上げながらステータス画面を開く。


 自分のステータスの左中央に矢印が新たに表示されているので、左にスライドさせてみるとそこには閲覧可能になったダンジョンステータスがのっていた。


―――――――――――――――――――

名称:ノリトのダンジョン

Lv:1

属性:土、水、火、闇、無


人数制限:1種族につき6人まで(待ち時間3時間)

能力制限:一部戦闘技能、一部固有能力

達成条件:《100人討伐》

行使可能機能:《シミュレーション》《ダンジョン把握》《投影》

―――――――――――――――――――


 《シミュレーション》…迷宮の主は自分が取得している能力を行使した場合、シミュレーションを脳内で行う事が出来る。

 《ダンジョン把握》…迷宮の主の勢力はダンジョンのすべてを把握することが出来る。

 《投影》…迷宮の主は見たいフロアの映像を好きな様に投影できる。


 面倒な事に6人侵入できるようになっている。まだ死体の処分方法決めてないから早めに決めた方が良さそうだ。


 それにしても能力制限掛かってるのに、どの能力が制限されているのか詳細見れないとかおかしくないか? まさかこれもLvが上がっていく毎に自分で確認しろと? 鬼すぎるんだが……まあ今更か。


 気を取り直して考察を続けようか、《シミュレーション》と《ダンジョン把握》……これは何気なく使ってたけどダンジョンの機能だったらしい。


 《投影》に関しては使ってみないと良くわからないので使ってみたのだが、どうも俺が思う様に好きなフロアの映像を投影出来る様だ。ナニコレ覗きし放題じゃないか……といってもしないけどね。


 俺も男ではあるが今は身内しかいないし後は子供、せめてシアが風呂に入ってくれればなーとは思うが、風呂ぐらいゆっくりさせてあげたいという気持ちがあるからだ。


 こんな殺伐とした世界で風呂にまで騒動を持ち込むのは流石に疲れてしまう。俺もされたら嫌だしな。


 いずれアリサ辺りに疑われるだろうし当分は1人でいる時にのみ使う事にしようと思う。


 さて、ダンジョン機能の把握もすべて終わったし後は魔犬に関してだが、丁度Exも入ったし試すには絶好の機会だ。


 まず魔犬②を近くに呼んでステータスを開いて、《進化させますか? YES/NO》で迷わずYESを選択して進化させる。


 まず変化したのがその大きさである。中型犬と言って差し支えない大きさだったそれは大人程の大きさになり、お次は毛が伸びて艶があるフサフサな毛並みに、牙は今まで以上に鋭く尖り、口からは炎の息が漏れ出ている。


 容姿は野良犬だったものが黒い狼に早変わり、明らかに外見からして強そうだ。


 《魔狼の召喚条件が満たされました》


 変化が終わると同時にそんな文言がステータス画面に表れる。これは今調べる必要性も感じないのでとりあえず置いておくとして、さっさとステータス確認しようと思う。


―――――――――――――――――――

名前:魔狼

種族:魔族

職業:ノリトを敬愛する魔狼

Lv:1 NEXTLv:100Ex

HP:830/830 ↑450

SP:430/430 ↑200

Ex:290


STR :50 ↑20

INT :20 ↑10

DEX :48 ↑23

DEF :39 ↑20

MDEF:20 ↑10

AGI :75 ↑35

LUK :8 ↑2


固有能力:《群》《騎狼》

戦闘技能:《遠吠え》《咆哮》《牙強化》《統率》

称号:《仰ぎ見る者》

―――――――――――――――――――

 《騎狼》…他者を上に乗せて駆ける事が出来る。


 《遠吠え》…仲間を呼び寄せる。

 《咆哮》…一定の確率で相手の動きを止めることが出来る。


 ステータスUP値の合計は120、魔犬の元Lvが12だったわけだがこれは果たして偶然なのだろうか?


 魔犬③のLvを14まで上げて進化させてみると上がり幅は140になっていた。HPとMPの上り幅もLv×50になている様だ。

 試しに10P消費して新しく召喚できるようになった魔狼を1匹召喚し、ステータスを確認してみると合計は100、HPは600、MPは300。魔犬を育てて魔狼に進化させた方がどうやら強くなるようだ。


 ただ時間がかかるので一概にいいとも思えない、敵の数はどんどん増えていくだろうしこちらも数を用意しないといけないのは目に見えている。


 フロア攻略を進められればいずれ行き止まりに達して隠し扉も調べられるだろう。そうなっては遅いし難しい所である。


 魔狼の状態で《群》を使わせたら魔犬が出てくるんだろうけど、今は食料ないし出せないんだよなー。


 なんか袋小路だ……。


 もっと畑を大きくして薬草の生産量を上げるのは必須事項として、今回手に入った肉を燻製にして長期保存に適するようにしないと。


 氷属性のフロア作って冷蔵庫を作るのもいいか……、それとも水の温度を下げて冷やすか? いや、それだとノイリとマゼンダの遊び場が減ってしまう。


 まだ子供のあいつらには遊び場は必要不可欠だし、となるとやっぱり氷属性のフロア作成しかないわけだ。


 いつも思うがPが圧倒的に足りないわ。P節約方法ももっと考えなきゃだな……。


 色々考えてると時間がたつのが早い、またアラーム頭の中で鳴り響いている。つまり3時間は既に経ってるって事だ。


 初心者の相手はアリサ達だけでも十分だろうし、俺は投影でモニタする練習でもしながら部屋づくりの続きに勤しむことにする。


 っとその前に魔犬①以外を全てLv14まで上げて進化させておく。それとアリサにゾンビを5匹召喚させて魔狼に騎乗させてみる事にする。


 今回捕まえる分の敵はこのコンビで戦ってもらおうと思う、とりあえず子ブリンは頭を良くしないと使えないので仕方がない……。


 さて、敵への対処はそれでいいとして、新しい手作りフロアは既に小部屋ほどの大きさになっている訳だが、これからさらに作業する予定だ。


 とりあえず暇な時に作り置きしておいた疑似レンガを地面と壁に敷き詰めていき、出口付近を階段状にする。余ったレンガで壁に棚を作る。出来上がった所で作っておいた水道から水を通す。

 水道といっても俺が掘ったのだから人ほどの大きさがある訳だが水道といったら水道なのだ。


 そんな水道の途中に熱すぎる土を埋め込んで貯水区が作ってある。壁扱いされてるからか熱が下がることが無く水を常に温めてくれる。


 勿論温めていない水の通り道も作ってあるのである程度調整が可能な仕組みになっている。


 それを駆使して程よい温度にして水をためていく。


 何でまた風呂を作ってるんだろうと誰かに見られてたら言われるかもしれないが、今作っているのは大浴場であってあんな手狭な風呂ではない。


 さすがに小さすぎる上に、温度調整が難しすぎた前のお風呂は入れない人が結構出たので、今回はある程度完璧に作ってある。風呂を複数区切って作ってあるので、それぞれ好きな温度調節をして浸かることが出来るぐらい考えて作っている。


 広さも十分に確保したおかげで皆で入ることも出来るので、中々好評になるのではないかと思っている。


 それにしても最近掘る作業に慣れ過ぎて、フロア小程度の大きさだったら簡単に掘れる様になってしまっている自分が怖い。


 今回素手で試したのにさほど時間変わらなかったしな……、小道具作りもどんどんうまくなって今では作業で時間がかかるもの以外はすぐ作っちゃうし、我ながら順応速度が速いというかなんというか。


 というかステータスが大分おかしくなってきてる。俺もそろそろちゃんとした戦闘経験積んでおかないと駄目ってことなのかね。


―――――――――――――――――――

名前:大沢ノリト

種族:人族

職業:迷宮の主

Lv:1 NEXTLv:10P

HP:100/100

SP:50/50

P:340


STR :10(+100)

INT :10(+5)

DEX :10(+50)

DEF :10(+5)

MDEF:10

AGI :10

LUK :10(-2)


固有能力:《迷宮創造》《罠作成》《魔族召喚》《隷属化:階級操作》《職業変更》

戦闘技能:《集中》《超加速》《直感》《光魔術》《格闘術》

称号:《生命の冒涜者》《隷属者の主》《迷宮の破壊者》《罠師》《採掘師》《農夫》《細工師》《建築士》《鬼畜》

―――――――――――――――――――

 《格闘術》…拳、脚を駆使して闘う術。特に技はない。


 《採掘師》…採掘を続けた者に贈られる称号。STR+20

 《農夫》…自前の畑を持つ者に贈られる称号。STR+10

 《細工師》…日用品、装飾品等を作る者に贈られる称号。DEX+10

 《建築士》…自分の手で建物を作り上げられた人物に贈られる称号。DEX+20

 《鬼畜》…鬼の心を持つ者に贈られる称号。STR+20、DEX+10


 我ながら随分と偏ったステータスになったものだと思う。なんでこんなに称号取得してんだよと思わずにはいられないよ本当。


 アリサ曰く迷宮の主は他の人よりも称号取得しやすいとか、てか有名なので勝手に噂されて勝手につくこともあるので、何もしなくても増えていく事請け合いだとか。


 強くなるのは良いんだけど、変な称号ばっかり増えても悲しいだけなんだよな……。


 戦闘技能も《剣術》増えて欲しかったからその訓練までしたのに、手作業してたからか《格闘術》覚えてるし、肝心の《剣術》覚えないあたり俺相当才能無いとしか思えない。


 しかも《格闘術》はMPを消費して使う技というものが存在しない。ただ手足の動きが早くなる程度の意味合いしかないのが悲しい。


 ま、おかげで手作りフロアを作るのも楽になったんだけどね……、色々と遣る瀬無いんだよね。


 最近自分のステータス見るとネガティブになるから見ないようにしてたけど、改めて見るとやっぱりくるものがある。


 なので早々とステータスウィンドウを消し去ってフロア中へと向かう。


 フロア中には現在死体の山とその死体を処理するマゼンダの花しかない。そういえば少し驚いた事があるのだが、マゼンダの花は虫だけを食べるわけではないらしい。


 草を食べること自体がダメなのであって他なら結構何でもいいらしい。とはいっても一番おいしく感じるのはやっぱり虫なので、出来れば虫族を餌にしてあげたいのに変わりはないが。


 そろそろマゼンダの花の処理能力を超えそうだと思って様子を見に来たのだが、思ったよりも平気そうだ。


 というよりもっと持って来いと言っている気すらする。食べるほどに大きく成長していくマゼンダの花は、既に木と言っても差し支えない程の大きさになっている。


 ステータスの変動があるのはやっぱり虫だけなのだが成長する分にはなんでもいいみたいだ。


 アリサなんかはマゼンダの花が成長するのにノイリ、マゼンダと共に一喜一憂している。


 マゼンダの花の成長が異様に高いのはもちろん理由がある。魔物でいう所のアルラウネの親戚らしいマゼンダの花は、その種族にしては珍しくかなり小さい部類に入る。


 本来なら自分の体に合った小さな虫を少しずつ食べていき、それに合わせて成長していくらしい。


 そもそも大きな獲物を狩ることも出来ないし、はちみつリンゴで敵を呼び寄せるタイミングを一歩間違えれば逆に狩られてしまうほど弱い。


 そんなマゼンダの花達は思考する事が出来る知能の高い種族でもある為に、ほとんど危険と思わしき者の前には姿を現さない。それでも着実に数を減らして行ってるので見ることなど奇跡にも等しいという。


 今では全滅説すらささやかれるマゼンダは幸運にもノイリと出会った訳だ。さすが奇跡の子と言うべきか。


 ちなみにこれはノイリ、マゼンダと遊んでいたシアが驚いて教えてくれた情報だ。シアは説明するとき活き活きしているのでそこら辺から仲間になる様攻めてみるのもいいかもしれない。


 そんなシアでもマゼンダの花の生態についてはほぼ知らないわけだが、根を張っているのが大きいのではないかと仮説を話していた。


 確かに根を張らなくても生きている、それなのに俺がダンジョンに根を張らせてしまった。


 ん? 根は俺が掘った所までしか張れないはずだから、まさかその分の栄養が上にいっているのだろうか?


 もしそうならなかなか興味深いなと思っていると上から蔓が垂れてきた、どうやらはちみつリンゴをくれるらしい。


 俺がほとんど何も食べていないのを心配しているのか頻繁にはちみつリンゴをくれる様になっている。


 有難いが身を削る様な思いをしなくてもと思う。だからといってマゼンダにその事を話しても首を横に振られるだけなのでどうしようもない。


 有難く頂いて食べる、本当に甘く美味しいそのリンゴは、何もないダンジョンにおいて数少ない癒しになっている。


 ノイリが運んできてくれた幸運は本当にでかいと、毎度のことながら感心させられてしまうのは仕方がないと言えよう。


 はちみつリンゴを齧りながらモニタに目をやると、丁度初心者の殲滅を終えるところだったようだ。


 今回の数は30人、どうやら全員罠に掛かった様だ。


 初心者ってのは分かるが1人ぐらい切れ者が居てもよさそうなものだけど、まさか巻き込まれているのだろうか? だとしらた不憫だ。


 不憫だが敵なのでもっとやれと言っても許されるはずだ。


 いいぞ、もっとやれ。


 テンションも上がってきたところで熊肉を解体し、以前の風呂を設置していた場所に持って行ってレンガの上で焼き始める。


 周りの壁はすべて壊したが熱い土も設置したレンガもそのままなので、今は肉を焼くための場所になっている。


 肉汁が滴り、美味しそうな香りが畑を包み込む。


 大事に育てた肉を一つ掴んで口の中に放り込むと、(とろ)ける様な柔らかさの肉が、ほのかな甘みと肉の味を口の中いっぱいに満たしていく。


 うーまーいーぞー!


 我慢して良かったと思えるほどの味だといえよう。


 とりあえず狩場に居る人数分焼いて差し入れに持って行く。


 皆喜んで食いつき始めるのを見て、今まで空腹にさせていた罪悪感が少しずつ晴れていく。


 皆で食べるとさすがに数が足りないので後は燻製にして保存しておこうと思う。


 ある程度の数を残して狩場の敵を皆殺しにした後皆で風呂に入る。30分も無い時間しか浸る事が出来なかったが、皆自分の好きな温度に調節して入っていてなかなかに寛げたようだ。


 アリサとノイリも服を着たまま一緒に浸かっている、洗濯もついでにするという事で、急遽干すための部屋も別個に作る羽目になったが、作った俺としても色々と満足だったから良しとしよう。


 ああ、何だかゆっくりしてるとお茶が飲みたくなってくる。


 今度はお茶にでも挑戦してみようか……。

アリサ「ノリト兄さんと一緒とか、なかなか恥ずかしいものがありますね……」

ノイリ「アリサお姉ちゃんどうしたの? お顔真っ赤だよ?」

アリサ「えっ、いや、なんでもないですよ」

ノイリ「ホントに?」

アリサ「ええ、本当ですよ」

ノイリ「じゃあノリトお兄ちゃんの所にいこう! マゼンダと一緒に!」

アリサ「え? ちょ、ちょっと待ってください」

ノイリ「ノリトお兄ちゃーーーん!」

アリサ「キャーーーー」


バシンッ

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