暑がり姫
僕の部屋には必ず彼女がいる。
だいたい空調機のすぐ下にある僕のベットに寝転んでいる。部屋に入ると、彼女は臍を出してすやすやと赤子のように手を丸めて寝転んでいる。僕はシーツを引っ張り彼女を起こす。
ゆっくりと目をあけると彼女は不機嫌な目を僕に向ける。
ここは僕の部屋だ。自分の部屋に帰れ。隣の家だろう。同じ階の。
私の部屋のエアコン壊れているのよ。
そう言ってまた寝る。僕は放っておいた。
後日聞いた話によると、彼女の部屋のエアコンは壊れていなかった。
いつものように彼女は僕の部屋で寝ている。
そして口癖のように私の部屋のエアコンが壊れているからよというのだった。
没ネタを公開。本番はお楽しみに