幼稚園
出だしは幼稚園時代。
これは親から聞いた話になる。
3才違いの姉がいる私は、まだ自分が幼稚園生ではなかった時、姉と共に登園し、お昼になると家に帰る日々を送っていたそうだ。今では親が選んだ幼稚園にバス送迎で通うのが当たり前になっているが、当時は自宅近辺の園に通うのが普通だったし、近所の幼稚園は歩いて数分の所にあった。
そして、いざ自分が入園した年、私はお昼になると当然のように帰宅したと言う。母親が慌てて園に連れ戻したと言っていた。もう幼稚園生だから、お昼を園で食べてから帰るんだよと言い聞かせたらしい。
そして年中さん。
事件は起こる。
自宅にて、母のトイレを廊下で待っていた私は、その場でぐるぐると回転を始めた。両手を横に伸ばして勢いよくぐるぐる…そして壁に激突した。ぶつかった壁はちょうど角面で、しかも頭からいったから後頭部を切った。私の記憶はそこで途切れ、気が付くと病院の処置室のベッドに横になり、切れた後頭部を縫ってもらっている最中だった。たぶん麻酔をしていたんだろう、痛みは全くなかった。母親からは、トイレから出たら血だらけで私が倒れていて、驚いて叫んで慌てて病院に駆け込んだと聞いた。
私は何より、処置の後しばらく被らなければならないネットが嫌だった。頭にネットを被って、メロンだメロンだと幼稚園で言われたのも覚えている。
年長さん。
この年はなぜか素足を出すのが嫌で、ずっとズボンを履いていた。お遊戯会で半ズボンを履くのも泣きながら拒否した。結局、白タイツの上に半ズボンを履く形でお遊戯会をやり切った。なんであんなに素足が嫌だったのか、自分でも分からない。