表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【10/15 発売】肉食令嬢は、肉のために結婚することにした。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/87

80:お父様の職業。

 



 お父様が慌てたように応接机の上とソファの上から、ものをどかしていましたが、横に避けた程度なので特に改善されるわけでもなく。


「後で侍女たちをこのゴミ溜めに派遣します」

「じっ、自分でするから! 最悪は執事にやらせるから!」


 お父様がソワソワとしつつ、この部屋は入室制限しているから!と妙に焦っています。


「で、お父様って何か働かれていたりするのですか?」

「ど直球だね……」

「お父様相手に、駆け引きとか面倒です。人には言えないことを裏でやっているのですか? 工作員とか」

「ここここ工作員んん!?」


 ――――あら? 


 心底びっくりした顔をされてしまいました。

 陛下の慌て具合からいって、後ろ暗い系の職業なのかと思ったのですが。

 レオン様のあの反応も気になります。レオン様は明らかにお父様について言えない何かを知っている、といった感じです。


「いやぁ、普通に……。いや、まぁ、普通じゃないけど……恋愛小説家だよ」

「…………………………はい?」


 脳内で『恋愛小説家だよ』がノンストップリフレイン。

 乱雑に置かれた本などのタイトルを見ると、確かに小説などに資料として使えそうなものばかりでした。

 もしや、冗談ではなく、本当に小説家なのでしょうか?


「なるほど、理解しましたが、理解不能です」

「どっち!?」


 お父様の、女性に対しての夢現感は、なんとなく職業病なのでしょう。

 そして、それだけならば納得なのですが、なぜに書簡のみで国王陛下があそこまで驚かれたのか。高価な素材であろう『逆鱗』から手を引いたのか。

 

「……えへ」

「何を照れてるんですか? 気持ち悪いです」

「辛辣なクラウディアちゃんも可愛いけど、お父様泣くよ!?」

「どうぞ」


 お父様がしょんぼりしながら、いつ淹れたのか謎の紅茶を飲んでいました。クッキーを食べるか聞かれたのですが、それもいつのものかわからないので断固拒否です。


「ここで、ビーフジャーキーを食べるか聞いたら、被せながらに食べるって言うくせに」


 お父様がぐぢぐぢと煩いです。それよりも本題に入らせて欲しいです。




「――――つまり、この国で一番有名だと言っても過言ではない、あの正体不明の小説家、だと?」

「うん!」


 そこそこにいい年齢のおじさんの頷きは可愛くありませんね。実父ながら少し引きました。

 そして、お父様の小説……読んでいました。見習い騎士の子たちに借りたもの、ほとんどお父様の小説でした。なんででしょうか……ときめきを返してほしいです。


「ちょ、酷くない!?」


 お父様は、基本は恋愛小説家なのですが、依頼があれば何でも書くそうです。

 冒険ものから官能ものまで。


「いやねぇ、陛下にはでっかい貸しがあるんだよねぇ」

「貸し?」

「うん。陛下の望むシチュでの官能小説を書いてあげたからね」

「…………」

「あれは恐ろしく売れなかったけどね! うははははは!」


 お父様、大爆笑です。

 てか、陛下は何をやってるんですかね?

 

「ちなみに王女の好みモリモリの恋愛小説も書いてあげたよ。こっちはそこそこには売れたかな?」

 

 王族揃って、何をやってるんですかね?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

◇◆◇ 10/15発売! ◇◆◇


肉食令嬢は、肉のために結婚することにした。
書籍表紙


表紙&挿絵は『春名ソマリ』先生っ!
お肉お肉なクラウディアと、甘やかし上手なレオンがめちゃくちゃ幸せそうに描かれてるぅ!

そして、どえらくラブラブな挿絵に悶えてけろ!!!!

♣ カクコン10受賞作! ♣
KADOKAWA ビーズログ文庫様より、10/15 発売です。
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

販売店舗一例としてリンクボタンを置いておきます。


▷▶▷ KADOKAWA

▷▶▷ ビーズログ文庫

▷▶▷ amazon

▷▶▷ シーモア

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ