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【10/15 発売】肉食令嬢は、肉のために結婚することにした。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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72/87

72:帰路につく。

 



 薄切り竜タンの塩レモン焼きを食べたゼルファー様は…………いたく感動し、タンを持ち帰りたいと言い出されました。


「驚いた。こんなにも美味いとは。牛や豚もそちらでは食べているのか?」

「はい。それぞれにそれぞれの良さがありますよ」

「ほぅ」


 ゼルファー様が顎に手を当てつつ、何かを考えられているようです。

 どうやら、これまでタンをあまり食べたことがなかったようで、戻ったら王宮で食べたいが、竜タンを上回ることはないだろう。という予想が、ちょっとだけ二の足を踏ませているようでした。


「それぞれの食材や部位で合う料理が違いますので、そういったことも楽しみつつ試食されると良いかもしれませんね」

「なるほど。うむ、試してみる」

「はい、ぜひ!」


 タン普及委員会としては、是が非でもいろいろな食べ方をし、タンの良さを堪能して欲しいものです。




 昼食を終え、ゼルファー様率いるラングス帝国軍に挨拶してから、帰路につきました。

 ラングス軍は、赤竜の残骸などを焼却処分するために、もう少し残るとのことでした。


 私たちヴァルネファー軍は、十キロ近い肉塊を全員が背負うという、謎めいた集団になってはいますが、満足です。


「そういえば、いつだったか竜のジャーキーを食べたよな?」

「あぁ、食べたなぁ。五年前か?」

「あれは美味かったな」


 ――――ジャーキー!?


「私は熟成ステーキの方が良く覚えているな」

「ああ! あれも美味かった」


 ――――熟成ステーキ!?


「だが結局は、普通に薄切りでサッと焼いただけに落ち着くんだよな」

「あー、解かる。シンプルに塩と胡椒だよな」


 ――――サッと焼くだけ。


 戦闘部隊の面々が竜肉の思い出をポロポロと語っては、私の胃に大打撃を与えるという、恐ろしく辛い帰路になってしまいました。

 話が聞こえてくるたびに百面相をしていたので、レオン様が肩を震わせて笑いを堪えていました。ちょっと、酷いです。




 山を降り、馬車を置いていた場所に向かいました。

 レオン様とケヴィン様が乗っていた、ラースとアレクも元気な様子です。

 馬車と馬たちは、様々な理由で騎士を引退したものの、まだまだ戦える元騎士の三人がお世話係として呼ばれていました。


「急に呼び出してすまなかったな」


 レオン様が感謝を述べていたのですが、個人的に焚き火の上に設置されているものが、とてつもなく気になりました。

 巨大な骨付き肉塊が、向い合せで地面に刺しているY字の枝に乗せられ、一人が火の上でクルクルと回転させて、全面を焼いていたのです。


「そちらが奥方ですな。お初に――――」


 白いおヒゲのおじさまが挨拶をしてくださっていたのですが、それどころではありません。


「何を焼かれているのですか!?」

「え……フォレストボアの大腿部ですが……」


 お肉の表面はこんがり焦げ茶色。

 焼きすぎのような気がしますが、焦げたような匂いはしません。

 ただ、猛々しいお肉の匂いが充満しているのです。あと、見た目の暴力が凄いです。


 ――――それ、竜肉でやりたいです!




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◇◆◇ 10/15発売! ◇◆◇


肉食令嬢は、肉のために結婚することにした。
書籍表紙


表紙&挿絵は『春名ソマリ』先生っ!
お肉お肉なクラウディアと、甘やかし上手なレオンがめちゃくちゃ幸せそうに描かれてるぅ!

そして、どえらくラブラブな挿絵に悶えてけろ!!!!

♣ カクコン10受賞作! ♣
KADOKAWA ビーズログ文庫様より、10/15 発売です。
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

販売店舗一例としてリンクボタンを置いておきます。


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― 新着の感想 ―
[良い点] ボアの前菜、竜のメイン、ボアの〆。 クラウディアとお肉大好きメイツのお肉行脚、これにてひと段落? [気になる点] ≻巨大な骨付き肉塊が、向い合せで地面に刺しているY字の枝に乗せられ、一人が…
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