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【10/15 発売】肉食令嬢は、肉のために結婚することにした。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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71:薄切り竜タンの塩レモン焼き

 



 赤竜のタン料理ということで迷いましたが、薄切りで焼いて食べたほうが味がよく分かるかと思いました。


「舌は青いのね……元からかしら?」


 赤竜の舌は真っ青でした。

 これは血抜きしたせいなのか、元々なのか、ちょっと迷うところではありましたが、戦闘部隊の方々が元から青かったと証言してくださり、ホッとしました。


 大きさは、体格の良い騎士よりちょっと大きいくらい、長さはレオン様の三人分くらい。これでは、がぶりとされたらひとたまりもないのでは……?

 ただ、竜の牙は素材になるとのことで全て抜き取られているので、なんとなく残念な見た目にはなってしまっていますが。

 

 早速、竜タンのトリミングを行いました。

 なかなかに大変な作業でしたが、青い皮を剥いでしまえば、中はわりと普通のお肉の色をしていました。

 そもそも、お肉の部分はちゃんとお肉色だったのですが、あまりにもな鮮烈な青さに、『もしかしてもしかするかも?』という不安がちょっとだけ生まれていました。


 牛タンと同程度の大きさにスライスし、しっかりと炒めて、塩レモン液を掛けます。

 塩レモン液は、塩こしょうにレモン汁と粉末のブイヨン。

 四半世紀ほど前に開発されたこの粉末のブイヨンは、少しお値段が張りますが、こういった遠征でかなり重宝されています。持ってきていて良かったです。


「パンも焼き上がりました!」


 荷物を減らすために、それぞれの不要食材は集めて具沢山スープと追加で無発酵の丸パンを作りました。

 無発酵丸パンは少し硬いですが、スープに浸すととても美味しいのです。

 

「では、本部テントに報告お願いいたします」

「はいっ!」


 料理は、赤竜の亡骸の側で行っているので、本部は少し離れています。隊の子が報告に走ってくれている間に、配膳の準備に取り掛かりました。

 ゼルファー様はテントで食事を取られることが多いようなのですが、今回はみんなの反応も見たいとのことで、こちらに出向いていただけるようです。


「一番に食べていただくんですよね?」

「ええ、そうよ」


 隊の一人が、少し緊張したように聞いてきます。

 どうしてかと思いましたら、毒見などはいらないのかと心配しているようでした。

 それもそうね、と思ってひょいとひとつまみ。


「っ――――」

「た、隊長!?」


 竜タン、恐ろしいです。

 鼻腔をくすぐる芳醇な香ばしさ。

 歯ごたえがあるのに、なぜか溶ける肉。

 塩レモンとの相性は恐ろしく良く、酸味のおかげもあり、いくらでも食べれるのでは!?と思えてきました。


「――――おいしぃぃぃぃ!」

「「なんだ」」

「ははははは!」


 笑い声が聞こえたので、ハッとそちらに視線を向けましたら、大笑いしているゼルファー様と、ちょっと呆れ顔のレオン様がいました。


「も、申し訳ございません」

「よい。ほんとうに面白い夫人だな」


 ゼルファー様がニヤリと笑いながらレオン様を見ると、レオン様は苦笑いになってしまいました。

 なんだかとても恥ずかしいのと、ちょっとだけ申し訳ない気持ちになりました。




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◇◆◇ 10/15発売! ◇◆◇


肉食令嬢は、肉のために結婚することにした。
書籍表紙


表紙&挿絵は『春名ソマリ』先生っ!
お肉お肉なクラウディアと、甘やかし上手なレオンがめちゃくちゃ幸せそうに描かれてるぅ!

そして、どえらくラブラブな挿絵に悶えてけろ!!!!

♣ カクコン10受賞作! ♣
KADOKAWA ビーズログ文庫様より、10/15 発売です。
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

販売店舗一例としてリンクボタンを置いておきます。


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▷▶▷ シーモア

― 新着の感想 ―
[良い点] 竜タン~ԅ(º﹃ºԅ)ԅ(♡﹃♡ԅ)ԅ(¯﹃¯ԅ)))) [一言] 更新感謝です^^ 朝から胃袋に激震が走りました♪
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